第26回井の頭かんさつ会レポート

第26回井の頭かんさつ会

テーマ: 「夏の夜を楽しもう」


日時: 2007年8月19日(日) 午後6:30~8:30

場所: 井の頭公園

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋 (自然観察指導員)

小町友則 (森林インストラクター)

高野丈 (自然観察指導員)

大原正子

佐藤誠

田中雅子


親睦会

日時: 2007年8月19日(日) 午後9:00~11:00

会場: 吉祥寺駅近くの店


 レポート 

8月は恒例の夜の観察会です。夜の自然は昼とはすっかりようすが違います。 夜には夜の生き物たちの世界があるのです。 身近な井の頭公園で、夜はいったい何が起きているのか、知りたいと思いませんか?

まず、七井橋で集合。挨拶をしている間にもコウモリが飛びまわる姿が目に入ります。 さっそくコウモリの発する音波を、機械を使って聞きながら、その習性を観察しました。

池を回って歩いていくと、樹液に集まるいろいろな昆虫 (なんとゴキブリがたくさん!小さな甲虫、ツユムシなども。後でクワガタが出てくるかもしれないと期待も高まりました。)、 羽化する場所を求めて地面から出てきたセミの幼虫がいます。また、夜に開く白いレースのカラスウリの花が、そこここにひっそりと咲いているのが見つかります。

第二公園では、セミの羽化をじっくり観察しました。 子供たちはもちろん、大人たちも羽化という神秘的な営みに大興奮。 イナバウアーの姿勢で殻から抜け出ようとがんばる姿に息をつめながら応援しました。 ツクツクボウシが圧倒的に多かったですが、アブラゼミやミンミンゼミの羽化も見られました。

さらに今年は、空の星も対象で、木星などを天体望遠鏡で観察する予定でしたが、残念ながら雲が出てきて、 観察は困難に。小町指導員の星についての楽しいお話で締めくくりました。  参加者一同、夜の自然の雰囲気にすっかり感動して、解散後もそれぞれにもう一度セミの羽化を見に行ったり、 樹液に集まるクワガタを探しに行ったり、熱気は冷めません。

観察会終了後の親睦会も大いに盛り上がりました。(高久)

第25回井の頭かんさつ会レポート

第25回井の頭かんさつ会  

『在来種と外来種(外来種の調査捕獲観察)』


開催日:2007年7月22日日曜日

時間:10:00~12:00

場所:井の頭公園

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

協力:NPO生態工房

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

大原正子(事務局長)

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(自然観察指導員)

協力・案内:佐藤方博(NPO生態工房)

参加者:28名+飛び入りの方々数名 


レポート

今の井の頭池は、人間によって持ち込まれた動植物、いわゆる「外来種」で満ちています。その影響で昔からそこに棲んでいた「在来種」は追い詰められています。井の頭池を、水が澄み、水草が茂り、生き物がいきいきと暮らす池に戻すには、何とかしなければならない大事な問題のひとつです。そこで今回のかんさつ会のテーマは「在来種と外来種」とし、井の頭池の動植物を「在来種」と「外来種」という観点で観察しました。

かんさつ会は「これは外来種?在来種?」ゲームから始まりました。これにより「外来種」とは何かを理解し、さらに七井橋からお茶の水橋まで歩きながら主に池の動物を観察しました。たくさんの外来カメがいることが確認できました。

最後にお茶の水橋で、今回のかんさつ会の最大の関心事である捕獲調査の結果を観察しました。これは外来カメや外来魚の調査と駆除に活躍しているNPO「生態工房」の協力を得て実現しました。

お茶の水橋で前日に池に仕掛けたトラップの説明を受け、捕獲した池の動物の観察をしたところで、外来種であるミシシッピアカミミガメ(子ガメがお祭りの縁日等でミドリガメと称して売られている)の多数の捕獲に参加者一同の驚きがあがりました。在来種はクサガメが捕獲されましたがその数はアカミミガメの約5分の2程度でした。

魚類はトラップの場所が悪かったのか、目視では多くの外来種が確認されているにもかかわらず、わずかな数でした。それでも外来種のオオクチバス及びブルーギル、在来種のモツゴ(クチボソ)とスジエビを観察することができました。なお、かんさつ会終了後に解剖したブルーギルは卵を持っておりブルーギルが井の頭池で繁殖していることをうかがわせるものでした。

28名という参加者数の多さからも外来種に対する関心の高さが伺われましたが、参加者の皆さんには井の頭池にはどんな外来種が棲んでいるのか、それはどうやって池へやってきたのか、どうしてこんなに増えたのか、そして、この問題を解決するにはどうすればよいのか、などを考えてもらえたと思います。

(田中雅子)

第24回井の頭かんさつ会レポート

第24回井の頭かんさつ会

テーマ:『井の頭池の水を調べよう』  


 開催日:2007年6月17日日曜日

時間:10:00~12:00

場所:井の頭公園(七井橋周辺)

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

大原正子

佐藤誠

高久晴子

田中雅子(自然観察指導員)

参加者:24名


レポート 

6月の観察会のテーマは井の頭池の水です。「よみがえれ!!井の頭池!」運動や、その一環であるエサやり自粛キャンペーンでその水質に関心が高まりつつある井の頭池ですが、水がどうして濁っているのか知っていますか?その理由をきちんと理解しないことには、水をきれいにすることはできません。そこで、今回は、井の頭池はどれくらい汚れているのか。池の透明度・水質検査や顕微鏡を使って池の微生物を観察しました。

水が濁っているのはパンくずが混じっているせいだ、と思っていた人も多いようですが、それは正しくありません。水を顕微鏡で観ると、いろいろな形をした植物プランクトンがたくさん浮かんでいるのが分かります。それが濁りの正体です。それに、それを食べるこれまたいろいろな形の動物プランクトンが泳ぎ回っているのも見えることでしょう。みんな顕微鏡を覗いて見つけた何か蠢いているものを、図鑑と首引きで「これかな。」「こっちかな。」と夢中で調べました。

その植物プランクトンを養っているのは、水中に溶け込んだ窒素やリンなどの栄養素です。水質検査薬を使って、井の頭池の複数の地点の水質も調べたり、池の透明度も観察したりしました。

参加者が測定した検査結果は以下のとおりでした(注: あくまでも目安です。検査手技の習熟度や1ヵ所1回のみの測定ですので、必ずしも正確な井の頭池の水質検査結果とは言えません)。

実は井の頭池の湧水は既に枯渇しています。最後に、井の頭池の水がどこからどのように池に注水されているのか、大原さんの案内でいくつかの注水口を見て回りました。池をきれいにするにはどうしたらいいのか、参加者の関心は一層深まったと思います。(高久/田中雅子)

第23回井の頭かんさつ会レポート

第23回井の頭かんさつ会

テーマ:『小鳥の森の生き物たち』  


 開催日:2007年5月19日土曜日

時間:10:00~12:00

場所:井の頭公園(小鳥の森)

主催:井の頭かんさつ会

後援:井の頭恩師公園管理所

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

佐藤誠

高久晴子

参加者:13名


 観察会レポート 

5月の観察会のテーマは井の頭公園のバードウォッチングの名所「小鳥の森」です。渡りの夏鳥が見られなかった前回のリベンジを兼ねていますが、今度の観察対象は鳥だけではありません。昆虫などの小動物も、樹木や野草も、小鳥の森の生き物たちを幅広く観察します。

当日は小雨が降っていて野外観察は無理かと危ぶまれましたが、雨の切れ目もあって、スタートできました。前回は姿を見せてくれなかったキビタキが歓迎の歌を聞かせてくれ、前回のリベンジも果たせました。小鳥の森は何も見ないで歩けば何分もかからない区画ですが、じっくり見れば様々な昆虫やその幼虫、オニグルミなどの興味深い植物、そしてオトシブミなど植物と昆虫のかかわり合いなど、観るべき要素が沢山存在することを再確認しました。(高久)

第22回井の頭かんさつ会レポート

第22回井の頭かんさつ会

テーマ:『渡りの夏鳥観察』   

 

開催日:2007年4月22日日曜日

時間:9:00~11:00(野外観察)、11:00~12:00(屋内講座)

場所:井の頭公園(七井橋~小鳥の森)

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

佐藤誠

高久晴子

参加者:27名


観察会レポート 

キビタキやオオルリ、サンコウチョウなどの夏鳥が見られることを期待して、かんさつ会が始まりました。井の頭池で、まず双眼鏡の基本的な使い方を講習。そこでまだ残っている池の冬鳥たち(キンクロハジロ・ホシハジロ・ハシビロガモ)を確認しました。

ついで、夏鳥の声や姿を求めて、御殿山~小鳥の森へ向けて出発。しかし、今年は渡りの時期が遅れているようで、残念ながらキビタキもオオルリも姿を見せてはくれませんでした。それでも、参加者たちは、留鳥のコゲラやアオゲラの姿や巣作りの様子などを熱心に観察していました。

観察終了後は西園の会議室で、高野自然観察指導員から視聴覚資料を駆使して、夏鳥の飛来傾向や声の識別についての講演があり、有意義に締めくくることができました。

観察会が終わったころ、小鳥の森でエナガの巣立ちが見られ、ちょっと盛り上がりに欠けていたかんさつ会も最後は興奮のうちに締めくくることができました。

なお観察会終了後は井の頭公園にて井の頭かんさつ会2周年記念の親睦会を行い、新緑の中で参加者の皆様と楽しいひと時を過ごしました。

(高久)

第21回井の頭かんさつ会レポート

第21回井の頭かんさつ会

テーマ:『春を迎える植物たち』  

 

開催日:2007年3月18日日曜日

時間:10:00~12:00

場所:三角広場~井の頭池

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:21名


 第19回の樹木の冬越し(冬芽)の観察に続き、今回は野草の冬越しとその後の成長です。冬芽は樹木が冬を越すために作るもので、その中では春が来たら生長を開始するための準備が整えられています。野草も同様で、それぞれの種類がそれぞれの流儀で冬を越し、春を迎えます。野草を中心に、植物たちの冬越しとその後の生長のタイプのいろいろに迫ってみました!

公園の三角広場から足元の雑草を見てみると・・・、タンポポやオオバコだけでなく、「ロゼット」という生育型で冬を越すヒメジオン、ハルジオン、ナズナなど多くの植物が見られました。同じ種類でも、この時期にまだロゼット上で冬ごもりの状態のもの、既に茎を伸ばしているもの、花が咲き始めているものなどいろいろの時期のものが見られました。このように一斉に咲かないことも生き残るための戦略と理解できました。

さて、ロゼットの下の根はどうなっているか?根元を掘って根のようすも見てみました(公園管理事務所の許可をいただいて掘りました)。タンポポとヨウシュヤマゴボウの根元を掘ってみましたが、どちらも途中で切れてしまいました。せっかく掘ってくれた小学生の参加者には残念でしたが、実に深く長くはっていることがわかりました。

さらに、三角広場から井の頭駅の方面まで歩き、ロゼット型にならないいろいろな生育型(ほふく型、つる型、等々)の植物とその生育場所も観察しました。

いよいよ春。ロゼットがこれからどのように成長していくか?ロゼット以外のものは?

参加者の皆さんに、新たな楽しい植物観察のテーマが加わったことと思います。

(田中雅子)

 

第20回井の頭かんさつ会レポート

第20回井の頭かんさつ会

テーマ:『冬鳥探鳥会』

 

開催日:2007年2月17日

時間:8:00~12:00

場所:井の頭池周辺~小鳥の森

主催:井の頭かんさつ会

案内:高野 丈(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

田中利秋(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:18名


恒例の秋の渡りの観察会を実施しました。渡りには波があるので日程の設定にいつも頭を悩ましますが、どんなに綿密に分析しても決して予測は不可能で鳥運次第ということになります。当たり外れは鳥屋の常、の精神で臨むのが正解です。 かんさつ会は七井橋で解説中にカイツブリの雛がゴイサギに捕食されるというショッキングな出来事から始まりました。ショックではありますが、これが現実であり、この厳しい野生の営みを参加者全員で目の当たりにしたことは貴重だったと思います。さて次に驚いたのはオナガガモの数です。未だカモ飛来の初期であり、前日まではぱらぱらとしかいなかったものが突如増えていたのに驚きました。 前日まではオオルリやキビタキがコンスタントに出ていたのですが、この日は風が強いせいか全体に鳥の動きが低調でしたが、キビタキ雌や今季多いカケスを確認することができたのは幸いでした。

観察会終了後はキャンティ・セッテで昼酒、昼食会としました。(高野)

第19回井の頭かんさつ会レポート

第19回井の頭かんさつ会

テーマ: 「冬芽」

 

日時: 2007年1月20日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭公園周辺

主催: 井の頭かんさつ会

案内: 田中利秋 (自然観察指導員)

案内: 小町友則 (森林インストラクター)

案内: 高野丈  (自然観察指導員)

案内: 澄川沃  (自然観察指導員)

参加者: 16名


2007年最初のかんさつ会のテーマは、冬の自然観察会の定番・「冬芽」です。まず屋内でオリエンテーションを行い、小町インストラクラーから芽についての解説がありました。

冬芽とは、春が来たらすぐに花を咲かせたり葉を広げたりできるように、落葉樹が冬の間に準備している芽のことです。

大切な芽を冬の寒さと乾燥から守るために樹々はさまざまな工夫をしています。硬い鱗で包まれている芽、フワフワの毛皮をまとっている芽、そして裸で頑張っているものなど、芽を保護する方法はじつに多様です。同じ手段を採るものでも冬芽の形は樹種によりかなり特徴があるため、冬に落葉樹の種類を見分けるのに役立ちます。

そして何より、冬芽はその形自体が楽しめるのです。中には、写真のように、葉痕と併せると動物や人の顔に見えるものもあります。その表情はじつに豊かで、同じ枝に並んでいるものでさえ、ひとつとして同じものはありません。

気温は6℃ほどしかなく雪さえちらつく寒い日でしたが、参加者には楽しんでもらえたようです。樹木に「顔」があるという意外性と、それぞれの顔のユニークさが人気の理由でしょう。顔は無条件に人間の心を捉えるので、植物の知識がなくても楽しめるのも嬉しい点です。各自、自分のお気に入りの「顔」を探すのに夢中になっていました。

 

(高野・田中)

私自身も、下見から本番までいろいろな発見ができ、楽しめました。下の写真はその一例で、左がアジサイ、右がタマアジサイです。

今までタマアジサイは「アジサイによく似た植物」だと思っていましたが、こうして見るとかなり違いがあります。アジサイの頂芽(茎の先端の芽)が裸なのに対して、タマアジサイのそれはウロコ(芽鱗)で覆われています。それに、タマアジサイは芽にも茎にも細かい毛が密生しています。

両者の違いは、葉痕と冬芽を顔として見るとさらに際立ちます。アジサイのほうが着飾った人に見えるのに対して、タマアジサイのほうはいかにもワイルドで、まるで原人か獣のようです。こんなに印象が違って見えるのも、やはり、我々の頭脳の働きのせいなのでしょうね。 (田中利秋)

第18回井の頭かんさつ会レポート

第18回井の頭かんさつ会

テーマ:『夕暮れの鳥たち』

  

 

開催日:2007年12月17日日曜日

時間:16:00~17:45

場所:井の頭池周辺

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:19名 


今年最後のかんさつ会のテーマとして「夕暮れの鳥たち」を選びました。

かんさつ会は日没(午後4時半)の30分前から始まりました。

まず井の頭バードリサーチの協力により、継続的に調査しているオオタカの塒入りを観に行きました。都市周辺のオオタカは都市適応してきていますが、このように間近で観られるケースは稀で、初めて観た参加者からは感動の声が上がっていました。少し観察し、オオタカの塒入りの邪魔にならないよう早々に退散しました。

池に戻り、明るいうちに井の頭池周辺で見られる冬の鳥たち(カモ類、カイツブリ、ゴイサギ等)を観察し、それぞれの種類の体の特徴やなぜ冷たい水の上でも平気なのか説明をしながらみんなで考えてもらいました。

さて、いよいよ薄暗くなってきました。夕方はキンクロハジロ、ホシハジロ、ハシビロガモなどが大移動のために七井橋を越えて一斉に飛び立つ姿を見られることがあるのですが、残念ながら当日は見られませんでした。

暗くなった池でカモ類が何をしているのか、いったい彼らはよく見えているのでしょうか? 鳥の視力について説明を聞いた後、紫外線を向けてみると(ブラックライトを利用)反応することがわかり、みな納得です。さらに新聞紙を細長く棒状に丸めたものを振りかざすとざーっと逃げて行ったり(鉄砲か何かと思っているのしょう!?)、レジ袋のバリバリという音に近づいてきたりする(エサをもらえると思って近づいてくる!)のには、みな苦笑です。聞き耳をたててみると、カモ類がエサをこし取る例の嘴の音、小さく求愛する鳴き声など、決してぐっすり寝こんでいるわけではないことがわかりました。

観察会終了後は参加者の皆さんと忘年会を催し、楽しく今年のかんさつ会を締めくくることができました。(田中雅子)

 

第17回井の頭かんさつ会レポート

第17回井の頭かんさつ会

テーマ: 「井の頭池を楽しもう」

 

日時: 2006年11月18日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭池周辺

 

主催: 井の頭かんさつ会

案内: 田中利秋 (自然観察指導員)

案内: 高野丈  (自然観察指導員)

案内: 澄川沃  (自然観察指導員)

案内: 小町友則 (森林インストラクター)

 

 

第17回のテーマは「井の頭池を楽しもう」です。 もちろん、池を観察して楽しむのです。 井の頭池なんかいつも見てるよ、という人も多いと思いますが、 我々が普段見ているのは池のほんの一部、ほんの表面にすぎません。 私(田中)は今年、井の頭池をかなり真剣に観察しているのですが、 そうしたら、池には知らないことがいっぱいあるし、 観察して楽しめることがもっともっとあることに気づきました。

そこで今回は、井の頭池を普段とは違う視点でいろいろ観察して楽しみました。動植物だけでなく水質調査も行い、 池の富栄養化や透明度の低さを科学的に検証し、『見た目通り汚い』ことを再認識しました。

また、西部公園緑地事務所の小口所長が参加してくれて、井の頭池の水質浄化への一連の取り組みを参加者に説明、 参加と協働を呼びかけました。参加者の多くは、そのような動きや取り組みについて初めて知ったようで、 いい話が連発し満足度は高まったようでした。

今回のかんさつ会を通して、きっと、池が今までとは違って見えるようになったことでしょう。

ご存知と思いますが、今、井の頭池が熱いです。 湧水の復活などで、あの汚い水を浄化しようという公園などの動きが始まり、 生態系の復活も目標になっています。そしてその運動はどんどん広がりを見せ始めています。 我々「井の頭かんさつ会」もその動きに乗って、 井の頭池がもっと自然観察しがいのある池になるよう活動していくつもりです。

(田中・高野)