第162回井の頭かんさつ会のお知らせ 申し込み締め切りました

第162回井の頭かんさつ会
「秋の井の頭公園 ―みんなで秋を見つけよう―」

日時: 2018年11月25日(日)10:00〜12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 井の頭公園ボート乗り場前広場
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
野口 明美(森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
佃 和夫(NACS-J自然観察指導員)
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
栫 祐子(NACS-J自然観察指導員)

対象者:小学生以上(小学生は要保護者同伴)
定員:30名
参加費(保険代・資料代など):300円、小学生は100円
持ち物:筆記用具、観察用具(双眼鏡など)

ご案内

11月に入り朝晩は寒く感じられるほど秋が深まってきました。公園の木々も少しづつ色づき始めています。今回のかんさつ会では紅葉の始まった木々や、赤や黒などの木の実、面白い形の種などを楽しみつつ観察し、その仕組みや秘密を考えてみたいと思います。

参加申し込み方法

下のアイコン「井の頭かんさつ会参加申込みページ」をクリックし、申し込みフォームよりお申し込み下さい。(アイコンをクリックすると申込みページが立ち上がります)
※もし、すでに定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

〇井の頭かんさつ会参加申し込みフォームLinkIcon

必須項目すべてにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。
申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
※メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。メールアドレスにお間違いのないようお願いいたします
申し込み締め切り: 2018年11月23日(金曜日)24:00まで
(締め切り前に定員が満員になることもあります。申し込みはお早めにどうぞ。)
※お申し込みの際は@form-mailer.jp 及び mktsato310@gmail.com からのEメールを受信できるよう、迷惑フィルターやメールソフトの設定をご確認ください(とくに携帯電話のメールアドレスで申し込む方)

※個人情報保護に関するポリシー:お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報

集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、メールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合もあります。

注意事項・問い合わせ先

参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
□安全について
 観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
 身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
 特に夜間は足元が暗く、自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
□対象レベル・年齢について
関心があるかたどなたでも。年齢制限はありませんが、小学生以下は保護者同伴でご参加ください。
□中止の可能性について
雨の場合は屋内会場で雨天用プログラムを実施します。ただし、それも困難な天候の場合は中止することがあります。その際はこのページ上でお知らせします。
お問合せmktsato310@gmail.com(佐藤)までお願いします。
(2018/11/2 佐藤誠)

第160回井の頭かんさつ会レポート

第160回井の頭かんさつ会

■タイトル: 「クモ―その神秘と驚きの世界を探ろう」

■実施年月日:       2018年9月17日(月・祝)10:00~12:00

■参加者数:  一般参加者 33名(大人22名、子ども11名)

案内人 井の頭かんさつ会スタッフ 11名

■実施場所:  ボート乗り場前(集合)→ 弁天池南岸 → 御殿山 → 玉川上水左岸 → 小鳥の森 → 小鳥の森観察窓近辺(まとめ・解散)

■実施レポート:(作成:第160回企画担当 佃 和夫)

今回はクモの観察会を行いました。クモはその網が汚らしいというイメージを与え敬遠されがちです。でもすべてのクモは虫など小さな動物をもっぱら食べる肉食動物であり植物は一切食べません。すなわち害虫を捕獲することはあっても農作物や園芸作物に害を与えることがないのです。世界中のクモが捕食する虫などの量は年間4~8億トンと推定されており、この量は人間が食べる肉や魚の量に匹敵します。それほど生態系の中で大きな仕事をしていると言えます。

ホームページで募集を開始してから、僅か1日半で満員になるほど応募が殺到しました。人に敬遠されがちな生き物ですが、案外関心が高いと感じさせられました。

はじめにイントロダクションとして横60cmのパネル6枚に描いたイラストでクモの基本(身体、網のさまざま、網を使わない捕食方法)をざっと理解いただいてからスタートしました。普段見かけているはずのジョロウグモの♂♀を見分けたり、網の功名な仕組みを知ったりして頂けました。ギンメッキゴミグモの光り輝くような身体と網の幾何学的な美しさに驚かれていましたし、獲物を捕獲しているダイナミックなシーンも複数見ることもできました。クモは公園内でも様々な網を張り、多様な手段で獲物を狩り、ひいては公園の自然の豊かさの維持に貢献していることも理解して頂けたようです。

<観察できた種>

円網を使う種: ジョロウグモ、ギンメッキゴミ、ビジョオニグモ、オニグモ、オニグモの仲間(コゲチャオニグモ?)、アシナガグモ、コガタコガネグモ(前日まで居た主は不在だったが網を確認)ウズグモ(梳糸の網)

棚網を張る種: コクサグモ

不規則網を張る種: ヒメグモ、オオヒメグモ、

その他の網・住居を使う種: ネコハグモ、ヒラタグモ、マネキグモ、ジグモ(古い巣のみで個体は今年は見つかっていない)

網を使わない種: ハエトリグモ数種、イオウイロハシリグモ、ハリゲコモリグモ

その他の種: チリイソウロウグモ(他種の網に居候する)、など。

 

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2年前のやはり9月にもクモをテーマの観察会を行ないましたが、今年はクモの種数、個体数が少ないと感じました。数値であらわせるような調査はしていませんが2年前は発見出来たが今回は発見できなかったか、あるいは発見できてもごくわずかだった種としてシロカネグモの仲間、ヨツデゴミグモ、オナガグモ、ヤリグモ、ウズグモがあげられます。種数・頭数が少なかった原因は分かりません。今夏の猛暑も一因かもしれませんが、園内を見ていると鬱蒼とした場所が少なくなり、日当たりや風通しが良くなったように感じます。人間にとっての景観や利便性と多様な生き物にとって「そこで生存できるかどうか」とが矛盾することがあります。公園の多様な生き物で維持される豊かな自然が後世に引き継がれるよう、これらのバランスが肝要と思いました。

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第161回井の頭かんさつ会のお知らせ

第161回井の頭かんさつ会
「観て、拾って、楽しむドングリの秘密」
日時: 2018年10月20日(土)10:00〜12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 井の頭公園ボート乗り場前広場
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
栫 祐子(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
佃 和夫(NACS-J自然観察指導員)
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)

対象者:どなたでも(小学生以下は保護者同伴を要します)
定員:35名
参加費(保険代・資料代など):300円、小学生は100円
持ち物:筆記用具、観察用具(双眼鏡など)

ご案内

東京でも肌寒さが感じられるようになり、いよいよ実りの季節がやってきました。木の実と言えばドングリ。井の頭公園内でも多くの種類のドングリが観察できます。今回の井の頭かんさつ会は、知ってるようで知らないドングリについて、拾って、観察してみたいと思います。また、室内での講義で、世界の驚くべきドングリを紹介したいと思います。今まで知らなかったドングリの秘密にきっと、気づくことでしょう。
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参加申し込み方法

下のアイコン「井の頭かんさつ会参加申込みページ」をクリックし、申し込みフォームよりお申し込み下さい。(アイコンをクリックすると申込みページが立ち上がります)
※もし、すでに定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

〇井の頭かんさつ会参加申し込みフォームLinkIcon

必須項目すべてにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。
申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
※メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。メールアドレスにお間違いのないようお願いいたします。

※申し込み締め切り: 2018年10月18日(木曜日)24:00まで
(締め切り前に定員が満員になることもあります。申し込みはお早めにどうぞ。)

※お申し込みの際は@form-mailer.jp 及び petittown@jcom.zaq.ne.jp からのEメールを受信できるよう、迷惑フィルターやメールソフトの設定をご確認ください(とくに携帯電話のメールアドレスで申し込む方)

※個人情報保護に関するポリシー:お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報

集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、メールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合もあります。

注意事項・問い合わせ先

参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
□安全について
 観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
 身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
 特に夜間は足元が暗く、自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
□対象レベル・年齢について
関心があるかたどなたでも。年齢制限はありませんが、小学生以下は保護者同伴でご参加ください。
□中止の可能性について
雨の場合は屋内会場で雨天用プログラムを実施します。ただし、それも困難な天候の場合は中止することがあります。その際はこのページ上でお知らせします。
お問合せpetittown@jcom.zaq.ne.jp(小町)までお願いします。
(2018/9/30 小町)

第160回井の頭かんさつ会のお知らせ

第160回井の頭かんさつ会
「クモ―その神秘と驚きの世界を探ろう―」
日時: 2018年9月17日(月祝)10:00〜12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 井の頭公園ボート乗り場前広場
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内
佃 和夫(NACS-J自然観察指導員)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクタ―)
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
上村 肇
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
栫 祐子(NACS-J自然観察指導員)
野口 明美(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

対象者:小学生以上(中学生以下は要保護者同伴)
定員:30名
参加費(保険代・資料代など):300円、中学生以下は100円
持ち物:飲み物、蚊除け、雨具、お持ちであればルーペ(使用頻度は少ないですが)

ご案内

クモはとかく、うとんじられる生き物ですが、自然界のなかで大事な役目をしています。そしてじつに様々な暮らし方、不思議な生き方もしています。驚きと神秘に満ちたその姿と暮らしを探ってみましょう。

参加申し込み方法

下のアイコン「井の頭かんさつ会参加申込みページ」をクリックし、申し込みフォームよりお申し込み下さい。(アイコンをクリックすると申込みページが立ち上がります)
〇井の頭かんさつ会参加申し込みフォームLinkIcon

必須項目すべてにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。
申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
メールアドレスに間違いな無いようにご注意ください。
もし、既に定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

申し込み締め切り: 2018年9月13日(木曜日)24:00まで
(締め切り前に定員が満員になることもあります。特に例年8月の夜の観察会は大変人気です。申し込みはお早めにどうぞ。)

※個人情報保護に関するポリシー:お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報

集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、メールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合もあります。

注意事項・問い合わせ先

参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
□安全について
 観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
 身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
 特に夜間は足元が暗く、自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
□対象レベル・年齢について
関心があるかたどなたでも。年齢制限はありませんが、小学生以下は保護者同伴でご参加ください。
□中止の可能性について
 小雨の場合は実施し、荒天やまとまった雨の場合は中止いたします。その場合は申込者にメールにて連絡いたします。

お問合せkztsukuda@hi-ho.ne.jp(佃)までお願いします。
(2018/8/19 佃和夫)

第159回井の頭かんさつ会レポート

第159回井の頭かんさつ会 

タイトル 夜の生き物を探そう

■実施年月日 2018年8月4日(土)18:30~20:30

■参加者数  一般参加者 32名(大人19名、子ども13名)

案内人 井の頭かんさつ会スタッフ9名+保全活動班2名

■実施場所: ボート乗り場前(集合)→七井橋 →弁天池南岸→野草園 →お茶の水橋

→お茶の水池北岸草地 →七井橋 →ボート乗り場前(解散)

 

■実施レポート  (作成:第159回企画担当 村上 健太)

8月恒例の夜の観察会は今年も大人気です。ホームページとポスターと知人の紹介だけの告知でしたが、すぐに定員に達しました。今年も4つの班に分かれ、班ごとに違う色のサイリウムライトリング(発光する腕輪)をつけて出発です。(サイリウムライトリングは7歳以上対象の商品のため、未就学のお子さんには夜光塗料のシールを貼った首かけ飾りをお渡ししました。)

ボート乗り場からスタートして七井橋に移るとじきに暗くなります(当日の東京の日没は18:43)。カラスがねぐらに帰る前にマンション上に集まるシーン、夜行性のゴイサギが動き出して狩りに向かうシーンなど、昼と夜の生き物の交代劇が見られました。またここ数年見られなかったアブラコウモリの飛翔が観察され、バットディテクターで超音波を拾うと子供だけでなく大人も興味深げでした。夜行性の動物は光に頼らずに周りを把握しているという話もできました。

足下の橋の欄干ではズグロオニグモが網を張って獲物を待ちます。網を張る途中の動きを子供たちがじっと観察しました。小学生の女の子はメモをとりながら、クモの糸の話を聞いていました。

プランクトンネットを曳いて、ミジンコなどプランクトン採取して観察しました。ライトを当てると動きがはっきりと見えます。大人も子供も興味深げに観察ケースを覗き込みました。

オダ網を沈め、その上の水面を保全活動班のスタッフにライトで照らしてもらいました。光でミジンコなどプランクトンを集め、そのプランクトンを狙った魚を捕らえるためです。光を当てた効果があったかどうか?網を上げると、ハゼとエビが捕れました。光とプランクトンと魚の関係を説明すると、大人の参加者は納得された様子でした。

夜に花が咲くカラスウリは注目の観察対象ですが、他の木々を覆ってしまう雑草です。公園事務所に今回の観察会のためにカラスウリを除草しないでいて頂いたため、きれいな花を観察できました。カラスウリの花を初めて見た参加者も多かったです。この花の花粉を運ぶのは誰でしょうとクイズを出して考えました。(答えは長い口を持って夜に活動するスズメガ)。

カタバミの就眠運動といった、昼夜で変化する植物も観察しました。

観察最後はセミの羽化観察です。保全班のメンバーに手伝ってもらったのでちょうど良いタイミングの幼虫が見つかり、みんなで羽化を見守りました。「がんばれ!」「もう少しだ!」と子供たちが声援を送ります。時間ギリギリでお腹が抜けるところが見られ、一安心したところでボート乗り場まで戻ります。園路にも羽化前の幼虫が歩いているところが見られました。

七井橋に戻り、新しく張られたクモの巣を見たり、生き物ではありませんが空高く昇ってきた火星を観察しました。

 

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今回も小さなお子さんが多く、夜の公園でドキドキしながら観察しました。夜に見られるものを観察するだけでなく、昼と夜とでは何が違うのか、生き物にとってどういう影響があるのかを一緒に考えました。この観察会が生き物の不思議さを知るきっかけになったと思います。

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餌やり自粛キャンペーン活動

餌やり自粛キャンペーン活動に至る経緯について

餌やりがおよぼす悪影響を実際に観察

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私たち井の頭かんさつ会のメンバーは皆かねてより餌やりを問題視していました。それは塩分や脂肪分が多い人間の食べ物が鳥の身体に悪いのではないかとか、水質を汚染するといった、少しはっきりとはわかりにくいものでしたが、2006年にカイツブリの生態に異変が起きたことで、私たちは目に見えるはっきりした形での餌やりの悪影響を再確認しました。
話が長くなりますのでここでは何が起きたかの詳細を割愛しますが、簡単に一言で言うと「人の与える餌に依存してしまった幼鳥が自ら餌を採ることを覚えず、後から生まれた雛鳥を競合相手として次々死に追いやってしまった」という事件があったのです。
(詳細は井の頭かんさつ会、田中利秋代表のホームページ「自然原理主義」に記事が掲載されています)
これが私たちが後に行動することになる大きなきっかけとなりました。

この「事件」は2006年10月23日付朝日新聞でとりあげられました

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行動開始!

餌やりをやめてもらうことはできるか

餌やりの様々な弊害を見てきた私たちにとって、カイツブリの暮らしに引き起こされた異変は大きなきっかけになりました。これはもう放っておけません。私たちは話し合った結果、行動を起こすことにしました。誰かが声を上げて行動しないと何も変えられないのです。
私たちは今までも餌やりを見かけると個別にやめてもらうようお願いしてきました。一部わずかな確信犯の人々を除き、ほとんどの人が生きものに餌をやることの弊害を知らないだけで、説明するとすぐに理解して止めてくれます。以前に「餌やり」をどう考えるかアンケートを実施したことがありますが、8割以上の人が「やめてほしい」と考えているという結果を得ています。ただ、井の頭公園の利用者は大変多く、次から次へと餌をやる人が絶えないので、とても私たちだけでは対応しきれません。
そこで、公園の管理者である西部公園緑地事務所に要望書を提出し、協働で餌やりを抑制できないか相談しました。ほとんどの人が餌やりを良くないと考えているデータであるアンケートも添えました。もちろんすぐにとんとんと話が進むものではありませんでしたが、ちょうど公園は100周年を控えて「よみがえれ!!井の頭池!」運動を立ち上げており、池の水質浄化を主な柱に、東京吉祥寺ライオンズクラブや私たちのような環境系の市民団体と一緒に協働を始めているところでした。私たちはこれら各団体にも餌やり問題を相談しました。池の水質悪化の原因でもあり、問題意識は共通でした。こうして私たちは「よみがえれ!!井の頭池!」運動をお手伝いし、一緒に諸問題に取り組むことになりました。
さて協働するにあたり、問題点を再整理して共有しておくことが不可欠です。各団体、各個人がばらばらなことを主張しては、意見を聴く側は混乱し、啓発の効果が半減してしまいます。井の頭かんさつ会内部でも、強硬派と穏健派のような感じで若干の意見の違いがありました。それぞれ意見を出し合い、調整の上でまとめたのが現在「餌やり自粛」のチラシに掲載している以下の内容です。

コイやカモなどにエサをえる「エサやり」は、なぜ問題なのか。

コイやカモなどにエサを与える「エサやり」は、池にも池の生き物にも有害です。

1) 池の水が汚れます
大量に投げ込まれるエサは、フンとして出されるものも含め、水質を悪くする原因になります。また、エサやり目当てに集まる水鳥などが増え、それがまた人の目を引きさらにエサやりが増える、という悪循環に陥っています。

2)生き物の健康によくありません
与えているエサの多くは人のための食べ物なので、野生動物には望ましくない成分が含まれています。また、たくさんの人がエサを与えるのでコイやカモが異常に太っています。

3)生き物の生活が狂います
エサやりの影響で自然の営みがゆがんでしまうのも問題です。野性を失い人からのエサに頼る動物が増え、また、増えた動物のせいで減ってしまった生き物がいます。きれいな水にしか棲めない魚は絶滅してしまいました。

生き物に必要なのは、人からのエサではなく、自分で食べ物を採れる場所です

上記のような問題点が理解されるにつれ、エサやりを禁止するところが増えています。野生動物を本当に助けるには、自然の食べ物が十分得られる良好な自然環境を整えることが欠かせません。「よみがえれ!! 井の頭池!」運動はそのことも目指しています。池の生き物たちのために、 エサやりはやめましょう!

そして、アクションへ!

餌やり自粛キャンペーンの実現

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機は熟しました。2007年3月4日、官民協働で「餌やり自粛キャンぺーン」が実現の
運びとなりました。東京都建設局西部公園緑地事務所、東京吉祥寺ライオンズクラブ、NPO神田川ネットワーク、私たち井の頭かんさつ会、井の頭バードリサーチ、呼びかけに応えて応援に来てくれた各地の自然観察指導員など総勢約50名が集まり、野外ステージで大発会を行った後、各自公園中に散らばって、来園者にキャンペーンのチラシを配りながら餌やりの自粛を呼びかける大々的な活動に取り組みました。井の頭池のあちこちには餌やり自粛を呼びかける立札やポスターが掲示され、以前よりも問題提起が伝わりやすくなりました。
新聞報道でも多大なご協力をいただき、井の頭公園という都内の有名な公園で餌をやることが良くないのでやめましょう、という呼びかけが行われたことを世の中に広く知ってもらうことができました。
また、餌を売っていた側の売店・茶店の方々にもご理解とご協力を賜り、「餌として」売っていた麩の販売を止めていただいた上で、餌やり自粛を呼びかけるポスターを店頭に掲示していただいています。
こうして多くの関係者の協力と努力の結果、井の頭公園では餌やりが激減し、人と生きものの理想的な距離・関係に少し近づくことができたのです。
ただ、これで問題がすべて解決したわけではありません。まだまだ餌やりの弊害を知らない人は世の中に山のようにいます。今後も継続して普及啓発活動を続けていく必要があるわけです。

事前の新聞報道。多くの市民に問題提起するための支援をしていただいています。

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キャンペーンで配ったチラシ。餌やりがよくない理屈だけでなく、片面は水鳥図鑑になっています。餌やりではなく観察で楽しみましょうという趣旨で作成しました。

chirashi1_0227.jpgchirashi2_0227.jpg

その後も続く餌やり自粛キャンペーン

餌やり自粛キャンペーン活動のその後

餌やり自粛キャンペーンの継続

071118[1].jpg2007秋の自粛キャンペーン風景clip_image002.jpg池のボート乗り場も餌やり自粛の呼びかけに協力してくれている
餌やり自粛キャンペーンの効果は絶大で、今では井の頭公園で生きものに餌をやる人はとても少なくなりました。それでも、今の状況に甘んじて何もしなければ、再び餌をやる人は増加してくると考えられます。初めて来園する方は全く知らないで行動しますし、そういう方がしっかりと「餌やり自粛」の看板を認識できるとは限りません。

そこで、私たちは毎年秋にカモが飛来し、その数が増えてくる頃から定期的に餌やり自粛パトロールを続けています。活動は月に2回程度で、本当は毎週でもやりたいのですが、実は餌やりを自粛したことで新たな問題が浮き彫りになってきて、その対応に労力を注がなければならなくなったのです。それが「井の頭池の外来種問題」です。
esayari.jpg2008年11月のキャンペーンbadge0305.jpgキャンペーンのカンバッジも制作

来生物防除活動に至る経緯について

来生物防除活動に至る経緯について

餌やり抑制によって、カイツブリが繁殖できない池の実態を確認

040715_6061.jpg2004年7月の魚影井の頭かんさつ会立ち上げ前の2004年夏、私は仲間と共に井の頭池の水面近くにちらつく外来魚の影を確認し、がっかりしました。ブラックバスのゲリラ放流については昔から知っていましたが、愛する井の頭公園までも釣りの快楽を求める心ない人たちの欲求によって毒されていたなんて…ただ、その時は池中が外来種だらけの現在の状況になるとまでは予測できませんでした…

餌やり自粛キャンペーンは大変多くの方にご理解とご協力を賜り、餌やりが大幅に抑制されたのは素晴らしい成果だったのですが、皮肉にもこのことでカイツブリがまともに繁殖できない池の現状が浮き彫りになりました。なんと井の頭池の中は外来生物で満ちていて、在来生物が壊滅的に激減している状況だったのです。
本来、この池のカイツブリは頻繁に潜ってモツゴ(クチボソ)やスジエビなどの餌を採るのですが、それがなかなか観察できません。人が餌を与えなければ自力で餌を採りはじめるはずなのに…そして繁殖をはじめても、抱卵中に突如繁殖を放棄してしまうことが頻繁に起きるようになりました。070814[1].jpg親鳥が抱卵を放棄し、放置された巣と卵

これには餌不足が影響しているようで、ペアが十分な餌を採って相手に供給することができないために、抱卵している個体は空腹状態に耐えかねて巣を放棄してしまうということのようです。カイツブリに限りませんが、生きものは十分に餌が採れなければ繁殖することはできません。子育てをするということは、何羽分か余計に餌を採らなければならなくなるのに、卵が孵る前から自分たちが飢えているようでは到底無理です。そのことは親鳥も良くわかっているのです。
カイツブリがブラックバスやブルーギルを採れれば、まだいいのですが、これら外来魚は魚を食べる魚だけあってさすがに動きが素早く、採るのが難しいようです。たまに採るのを見かけますが、頻繁には採れないようで、これでは子育て不可能と判断するのも無理はありません。
私たちは、今まで水面下で見えなかったもののすぐ目の前にあった大きな問題にようやくここで気づいたのです。池の外来生物問題、これは放っておくわけにいきません。
餌やり問題を一段落させたのも束の間、次なる大きな問題が浮上してきました…
040518_2507.jpg微笑ましい子育ての様子をまた観たい

外来魚をめぐる2007年以前の動き

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2006年の夏、NPO神田川ネットワーク主催で外来魚駆除のイベントが催されました。
井の頭かんさつ会はこのイベントにオブザーバーとして参加しました。
イベントでは外来魚の調査という目的で、普段は禁止されている釣りが許可され、
NPOのメンバーが次々にブルーギルを釣り上げるのを、驚きながら見学しました。
ほとんど入れ食い状態で、大小次々に釣れるからです。井の頭池にはたくさんの
外来魚がいるのだと、その一部始終を垣間見ました。
イベントの終盤には外来魚問題を象徴するような大型のブラックバスを見つけ、
それも見事に捕えることができました。
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こうして私たちは井の頭公園が抱える環境問題の一つをはっきり
認識するに至ったのですが、繁殖力旺盛な外来魚ですので、
今回のようなイベントを年に何回か実施するだけでは問題の
根本的な解決にはならず、いずれ状況が悪化することを危惧しました。

第158回井の頭かんさつ会レポート

158回井の頭かんさつ会レポート 

タイトル 外来植物を考えよう

■実施年月日 平成30年7月7日(土)10:00~12:00

■参加者数  一般参加者:16名(大人15名、子ども1名)

案内人:井の頭かんさつ会スタッフ12名

■実施レポート

当日の天気について、直前まで雨予報が出ていて実施が危ぶまれましたが、無事に実施できました。3回のかいぼりで池の外来生物問題についてはひと段落した一方で、今まであまり注目してこなかった陸の外来植物について考えるために、今回の観察会を企画しました。

30名の定員で募集をかけましたが、一般の方では未だ関心はさほど高くはないのか、2週間半の募集期間で20名の申し込みでした。それでも以下に記すように、意識の高い参加者が多く、充実した観察会となりました。

ボート乗り場前の広場でスタートする時に、参加者に問いかけました。「そもそも

外来植物というのは、定義からするとその土地に昔から生えているもの以外の植物を指します。そういう意味では作物も花壇の花も池の周りの桜の木も外来植物です。では問題となる外来植物はどんな植物でしょうか?」。配布資料にも書いたので参加者も考えました。「昔からの植物を生えなくさせる植物」などと答えが帰ってきます。ボート乗り場前の花壇に生えているツルニチニチソウを指して「これは外来種ですが、花壇の中なので、人間の管理内にあります。ですから問題ではありません。同じ植物でも花壇から出て野山に移出すると、問題になる場合があります」と人間の管理有無で差がでることを説明すると、参加者の理解にスイッチが入ったのか質問が来るようになりました。

「管理されてないことが、問題なのですか?」という質問に対して、「管理されていないと、その植物が問題になる場合があります」説明して、在来種との競合や遺伝子侵食、毒や棘による被害の話をしました。

池周辺の湿地ではシュロの実生をたくさん見つけました。国内であっても「その地域に本来生えていない植物外来植物とする」という話をしました

お茶の水橋付近ではノハカタカラクサが林床を覆って他の植物が生えなくなった現場を観察し、問題の一つを実感してもらいました。また以前ノハカタカラクサが覆っていたエリアについて駆除後植生が回復しているところも観察し、駆除という対策の重要性を伝えました。

ワルナスビやアメリカオニアザミの棘を触ってもらい、人や家畜が怪我をする例も実感してもらいました。

御殿山の一角で近年勢いを増しているボタンクサギを観察しました。もともとは誰かが園芸種を少数遺棄した(又は植えた)だけでも、はびこって問題になることがあるという例として解説し、参加者へ園芸の植物や土を自宅以外で捨てないようにお願いしました。

また文化交流広場や遊びの広場では芝に混じってさまざまな外来植物が生えていることを観察しました。既に身近に多くの外来植物があって、それを当たり前に感じ、親しみを持っている人もいると解説すると、「四つ葉のクローバー探しとか、外来植物で遊んでいたのですね。」と発言する人もいました。「芝生エリアという管理されている場所であれば、シロツメクサは外来植物だけれど、ここでは問題ではないでしょう」と話すと、管理することが大切だということを理解して頂いたようでした。

井の頭かんさつ会では、いくつかの対象を決めて駆除活動を行っていることを説明しました。既に多くの外来植物が入っていているので全部駆除はできないし、セイヨウタンポポやクローバーなど親しみを持たれている種類もあるので、都市公園内では在来種への影響度が大きくて、手がつけられるレベルのものから対策すべきだと話しました。