第120回井の頭かんさつ会レポート

第120回井の頭かんさつ会

■タイトル 「カイツブリと井の頭池」

■実施年月日 2015年4月26日(日)10:00~12:00

■参加者数  36名(大人30名、子ども6名)

■スタッフ数  かんさつ会スタッフ11名、特別スタッフ1名

■実施場所  ボート乗り場前(集合)→井の頭自然文化園水生物園→お茶の水池→ボート池

■実施レポート (作成:第120回企画担当 田中 利秋)
今回は井の頭かんさつ会10周年記念の観察会です。第1回は2005年4月24日の「カイツブリとその暮らし」で、増えた外来魚のせいで在来の小魚やエビが減り、それを餌にするカイツブリが暮らしにくくなってきていた時期でした。その後の当会などの外来魚駆除の努力にもかかわらず、状況はさらに悪くなり、井の頭池にカイツブリが1羽もいなくなった時期もありました。しかし2014年冬に「かいぼり」が実現して外来魚がかなり駆除されたため、現在はカイツブリが子育てをできる池に戻っています。

今回のテーマは関心が高く、募集開始後3日間で満員になりましたが、これまでの当会の活動に協力していただいた人たちにも参加してもらえました。第1回と同様な好天の下、4班に分かれて観察を行いました。現在の井の頭池には4組のカップルがなわばりを構えていて、すでにヒナが誕生しているカップルもあります。班ごとに、それらのカイツブリの行動や、かわいいヒナたちのようす、ヒナに懸命に餌を運ぶ親鳥たちを観察しました。

また、今回は特別に水生物園にも入園し、水生物館で飼育展示されているカイツブリで、潜水のようすをじっくり観察しました。そこには特別協力者のSさんがカイツブリの骨格標本を持って待機し、得意の潜水を可能にしている身体の造りについて説明してくれました。

その骨格標本は、井の頭池で昨年生まれたものの、途中で死亡してしまった幼鳥を標本にしてくれたものです。参加者の皆さんは、カイツブについてより詳しくなっただけでなく、カイツブリがさらに暮らしやすくなるためには池がさらに良くなる必要があることを理解してもらえたのではないかと思います。