第62回井の頭かんさつ会レポート

第62回井の頭かんさつ会

テーマ: 「夜の生きものしらべ」


日時: 2010年8月14日(土) 午後6:30~8:30

場所: 井の頭公園

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

集合: 午後6時15分 井の頭池ボート乗り場前

案内:

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原 正子

佐藤 誠

田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置 日出男

上村 肇

竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者: 39名


親睦会

日時: 2010年8月14日(土) 午後9:00~11:00

会場: 七井の月


レポート

2005年のかんさつ会立ち上げ以来、8月のかんさつ会は毎年恒例、夏の夜長のナイトウォッチングと決まっています。その伝統を今年は私が主担当として受け継ぎました。毎年同じことをやっても飽きないほど、夏の夜は面白い観察ができるのですが、今年は少し切り口を変えて、参加者全員で夜の生きものを調べよう!というコンセプトで企画しました。この夜のかんさつ会は毎回大人気で、基準定員を大幅に上回る39名の参加者を集めて会を実施しました。

夜咲く花、カラスウリから始め、夜行性のコウモリの観察、樹液に集まる昆虫調査、水中の生きものの夜の生態、ライトトラップ(光に集まる昆虫調査)と進めました。

第一の調査はカラスウリはどうやって「夜」を感じているかで、体内時計か明るさかという点については明るい時間にかぶせものをすることで、時間ではなく明るさの変化(暗さ)に反応して開花していることがはっきりしました。また、どの部分で明るさを感じているかについては、いろいろな部分を覆ってみたところ、やはり花の部分であることがわかりました。

第二の調査は天然樹液、人工樹液、どちらが昆虫に人気か?です。樹液が出ているコナラの隣のコナラに私が独自に研究したスペシャル樹液を仕込み、皆で確認してみました。スペシャル樹液はカルピスがベースで、それに焼酎、酢、蜂蜜を配合して作りました。結果は天然の樹液の圧勝!にわか仕込みの樹液もどきでは全くかないませんでした。

その後コウモリをカウントしたり、寝ている魚を観察したり、開花したカラスウリを観察したりして会は順調に進んでいました。しかしその後、ライトトラップの発電機がガス欠になったと会のメンバーから連絡が入り、ずっこけました。結構大がかりな準備が必要だったし、公園には許可をいただいたし、今回のプログラムの目玉の一つだったからです。しかしながら、電源がなければ蛍光灯もブラックライトも点灯できません。それでも、与えられた条件でかんさつ会を続けるしかないので、参加者の情報を頼りに別の樹液の出る樹を確かめたりと内容を調整したり。ライトトラップも明るい蛍光灯やブラックライトは点灯できなくなったものの、メンバーが頑張って白い幕に懐中電灯やポケットブラックライトを点灯させて何とか虫を集めていたので、少しだけ昆虫を観察することはできました。

そしてナイトウォッチング最後のプログラムはセミの羽化観察。やはり夏の夜はセミの羽化観察がメインイベントです。アブラゼミやツクツクボウシの羽化を観察し、夜と生物多様性の関わりについてお話をしてかんさつ会を終了しました。

かんさつ会の後はこちらも恒例、井の頭かんさつ会の納涼会!今年は久々に七井の月を会場に、夜半まで楽しく歓談しました。

(レポート:高野)