第173回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル井の頭公園の「秋の植物」

■実施年月日 平成31年10月20日(日)10:00~12:00

■参加者数  一般参加者 30名(大人23名、子ども7名) スタッフ 11名

■実施場所:  井の頭公園ボート乗場前(集合)→狛江橋→七井橋→お茶の水池北岸→お茶の水→梅園→弁天橋→野草園→御殿山(解散)

■実施レポート

 今年の秋は台風の来襲や雨が多く天候が心配されたが、かんさつ会実施当日はまずまずのお天気でホッとする。

 今回のかんさつ会は「秋の植物」のテーマで、種子とその散布を中心に、色づきはじめた樹木や、秋に咲く花も観察するという欲張りなもの。

 集合場所のまわりだけでもハナミズキ、ラクウショウ、ムクノキ、ノブドウ、ミズキ、イイギリ、アメリカスズカケノキ、シラカシ、クヌギなど多くの果実や種子が観察できた。それぞれの種子がどのように散布されるかリーダーの説明を聞いたりみんなで考えたりしながらコースを回り、多い班では50種類近くもの植物を観察した。

 鳥に食べられて運ばれる種子が多いことや、風に運ばれる種子の形、「ひっつきむし」と言われる動物に付着して運ばれる種子の一旦くっつくとはがれない仕組みなどが参加者の興味を呼び、イロハモミジの種子を飛ばす実験は子供たちは大喜び。

 興味深いかんさつ会はあっという間に予定時間となり、1部の班はコースを短縮して予定通り12時に無事終了した。

かんさつ会の様子

第172回井の頭かんさつ会 実施レポート

タイトル  秋の虫 

■実施年月日 2019年9月22日(日)10~12時

■参加者数  一般参加者 28名(大人17名、子ども11名) 
         案内人 井の頭かんさつ会スタッフ11名                            

■実施場所:  井の頭公園駅(集合)→①三角広場 →②神田川北岸 →
ひょうたん池  →井の頭公園駅下広場(解散)  ※一部グループは①②逆順

■実施レポート
 直前まで雨予報でしたが、秋晴れの良い天気になりました。樹上ではセミがまだ鳴いている一方で、足元からはコオロギの声が聞こえるといった、夏と秋の中間のような気候です。井の頭公園駅下の広場から観察会を始めますが、始めに注意事項として基本的には公園での昆虫採取は禁止されていることと、スズメバチを刺激しないことを伝えました。

 神田川沿いのエノキではゴマダラチョウが見られました。外来のアカボシゴマダラに押されて数が減っていることなどを話します。井の頭駅ホーム付近のフェンスにはクズがからみついており、カメムシやアリ、チョウの幼虫など様々な虫に出会うことができました。草地ではバッタやカマキリなど大きな虫を探すだけでなく、レジャーシートを敷いてそこに虫を追い込んで小さな虫も調べました。花に集まる虫、樹木にいる虫、水辺にいる虫、様々な環境に適応して生息する虫を観察しました。

 虫の身体は頭・胸・腹と3つに分かれていて6本の脚と4枚の翅があることは同じだけれど、生息環境や、行動によって様々な形があるということを話しました。翅が大きくて飛ぶ力が強い虫は逆に脚は細いことや、飛んで逃げる虫と落ちて逃げる虫では違うことなどを話すと、子供も大人も興味深々に聞いてくれました。

 今回のかんさつ会では、事前の予想よりたくさんの虫に出会うことができました。普段からよく見られる種類だけでなく、珍しい虫や、カマキリの捕食シーンやハリガネムシに寄生されたハラビロカマキリが水に入るシーン※に出会ったグループもありました。それぞれの班で、井の頭公園の自然の奥深さを感じられました。
※ハリガネムシに寄生されたハラビロカマキリは、寄生者に操られて寄生者が移動するために水辺に行くようになります。

 虫がテーマであるので参加者は小さなお子さんが多く、スタッフと一緒に草地に分け入って虫を探しました。ショウリョウバッタやカマキリが飛び跳ねると歓声が上がります。
近年は住宅地でも草地が減っているので、子供達には、身近な自然を感じる貴重な体験になったと思います。

■実施風景写真

第171回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル夜の生き物

■実施年月日 平成30年8月11日(日)18:30~20:30

■参加者数  一般参加者 25名(大人13名、子ども12名) 
       案内人 14名

■実施場所:  ボート乗り場前(集合)→七井橋 →弁天池南岸→野草園   
      →御殿山→西園 →玉川上水沿道 →第二公園(解散)

■実施レポート

 8月恒例の夜の観察会は今年も大人気です。ホームページとポスターと知人の紹介だけの告知でしたが、すぐに定員に達しました。3つの班に分かれ、班ごとに違う色のサイリウムライトリング(発光する腕輪)をつけて出発です。

※サイリウムライトリングは7歳以上対象の商品のため、未就学のお子さんには夜光塗料のシールを貼った首かけ飾りをお渡ししました。

 ボート乗り場からスタートして七井橋に移るとじきに暗くなります(当日の東京の日没は18:37)。橋のたもとのラクウショウをねぐらにするカワウやねぐらに帰るカラスと、狩りにでかけるゴイサギの対比で、昼と夜の生き物の交代劇が見られました。バットディテクターでアブラコウモリの超音波を拾ってみましたが、今年は現れませんでした。(一部では西園で見たという報告もありました)

 足下の橋の欄干ではズグロオニグモが網を張って獲物を待ちます。網を張る途中の動きを子供たちとじっと観察しました。横糸を外側から張っていること、縦糸と横糸の違いのお話もしました。霧吹きで網に水をかけると、美しい網の模様が浮かび上がり、これには大人も興味津々で観察しました。

 プランクトンネットを曳いて、ミジンコなどプランクトン採取して観察しました。ライトを当てると動きがはっきりと見えます。大人も子供も興味深げに観察ケースを覗き込みました。

 夜に花が咲くカラスウリは注目の観察対象ですが、他の木々を覆ってしまう雑草です。公園事務所に今回の観察会のためにカラスウリを除草しないでいて頂いたため、きれいな花を観察できました。カラスウリの花を初めて見て、綺麗だと感嘆の声を上げた参加者いました。オシロイバナやカラスウリは蛾が花粉を運ぶのだけれど、なぜ夜に咲くのかと参加者に問うと「昼間より競争が少ないから?」と的確な答えが返ってきて、びっくりしました。

 カタバミの就眠運動といった、昼夜で変化する植物も観察しました。

 観察最後はセミの羽化観察です。今年は多くのセミが羽化のために木を登っていましたが、保全班のメンバーに手伝ってもらってちょうど良いタイミングの幼虫が見つかり、みんなで羽化を見守りました。また、カマキリが羽化途中のセミの幼虫を捕らえて食べるという珍しいシーンに出会いました。「セミにとってはかわいそうだけれど、カマキリにとっては大切な獲物で、でこれも自然の営みです」と説明して、じっくり観察しました。  このほか、立派なカブトムシのオスやコクワガタ、ウスバカミキリなど、甲虫が多く出現し、参加している子供達だけでなく、案内している我々も大興奮でした。

■実施風景

第170回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル水辺の生き物

■実施年月日 2019年7月14日(日)10:00~12:00

■参加者数 一般参加者:21名(大人13名、子ども8名)

     案内人:井の頭かんさつ会スタッフ11名(かんさつ会班9名、保全活動班2名)

■実施場所:ボート乗り場前(集合)→狛江橋 →七井橋 →お茶の水池北岸→ボート池北岸 →ひょうたん池(池尻) →井の頭公園駅下広場(解散)

■実施レポート

 生憎小ぶりの雨でしたが、天候の回復予報が出ていることと、かいぼり後の井の頭池の生態系を是非見てもらいたいと思い、実施を決断しました。参加者の熱意は高く、雨の中受付開始30分以上前から集合場所に集まる参加者もいました。

 現在の井の頭池は何と言っても「モネっぽい」とSNSで話題になったツツイトモでしょう。ツツイトモの状況を説明しつつ、魚やエビの隠れ家になっていて数が増えていること、増えた魚やエビがカイツブリの餌となりカイツブリの営巣や繁殖が増えていることなど、生き物のつながりを話して、生態系が豊かになってきていると説明しました。カイツブリの親子について、餌をねだる若鳥と自立を促す親鳥の行動を観察して、参加者が興味深げにしていたことが印象的でした。

 かいぼり時に造成した湿地での水草の復活観察しつつ、公園の水辺の生態系回復の取り組みを紹介しました。

 後半はひょうたん池に移動して、ガサガサや張網で獲れた水中の生き物を観察しました。普段陸地からはどんな魚やエビやヤゴがいるかは分からないので、透明の瓶に入れての観察は参加者の興味を引きました。張網では1200匹ものスジエビや大きなスッポンが捕獲され、参加者に豊かになってきている井の頭池(神田川からの遡上分を含むと推察されます)の生き物の状況を見てもらいました。

■所感

 3回のかいぼりを経て、浅場造成など水辺環境の改善を図っている井の頭池で、水辺の生態系がどのようになっているのかを参加者と共有できたかと思います。水草、魚やエビ、鳥、カメ、昆虫などが互いに関係しながら暮らしている井の頭を実感して、公園をもっと好きになってもらえたら嬉しいです。

■実施風景

第169回井の頭かんさつ会レポート

■タイトル: 初めましてのシダ ~シダ入門
■実施年月日: 平成31年6月24日(日)10:00~12:00
■参加者数: 一般参加者 24名(大人18名、子ども6名) スタッフ 12名
■実施場所: 井の頭公園駅前(集合)→神田川→ボート池南岸(泳游亭を含む)→弁財天前→野草園→弁天池畔(井の頭自然文化園水生物園・弁天門入り口近辺)(解散)
■実施レポート
 今回のテーマは井の頭かんさつ会では6年ぶりの「シダ」でした。雨の多い季節ですが、多くのシダが胞子嚢群(ソーラス)をつけるこの時期が観察には一番適しているのです。花をつける植物が花が咲いていると見分けやすいのと同じです。
 今にも雨が降り出しそうな梅雨特有の空模様のもと、井の頭公園駅をスタートした参加者がまず向かったのは、井の頭線ガードをくぐった神田川沿いの道。ヤブソテツ、イノモトソウといったシダの一般的なイメージから少し違うシダが目につきます。それでもちゃんとシダの特徴を備えた植物の説明に参加者は怪訝そうながらもうなずいています。さらに目の前の対岸にいかにもシダらしい形のオクマワラビを見つけ、シダの観察会らしい雰囲気になりました。
 その後、ボート池南岸の元・泳游亭の植え込みに生えているイノデ、ゼンマイ、ゲジゲジシダなどをお店から了解をいただき触って感触を確かめたり、ルーペでじっくり観察したりと、それぞれのシダの特徴を観察しました。  さらに南岸を進みながら、実体顕微鏡を使って様々なシダの胞子嚢群(ソーラス)の形や色などの違いを歓声を上げながら見入ったり、井の頭公園のシダの中でもその数の多さでベスト3のベニシダ、イヌワラビ、ミドリヒメワラビの色、形、手触り、胞子嚢群(ソーラス)によって見分ける方法を考えてもらったりしました。
 「初めましてのシダ」の人が多かった今回のかんさつ会で(中には詳しい方もいらっしゃいましたが)、『池の周り半周ほどでこれほど多くの様々な形のシダが観察できたことに驚きと楽しさを味わうことができた』と参加者の一人が語ってくれたことが印象的でした。

これがベニシダです。葉裏の胞子嚢群(ソーラス)が赤いでしょう。よく観ると赤いのは包膜でした。公園で1,2番に多い種類のシダです。
参加者が、真剣になって覚えたてのシダを写真に撮っています。家に帰って復習でしょうか?
実体顕微鏡で葉の裏の胞子嚢群(ソーラス)を観ています。夢中になる人、続出です。
わーすごい! これぞ胞子嚢群(ソーラス)です。 ノキシノブという着生シダの胞子嚢がはじけています。
野草園近くで、ここにしか見られなかった「シケシダ」の特徴を説明です。わかったかな?
井の頭自然文化園水生物園・弁天門前でのまとめ。 今日見られたシダを振り返って思い出しています。

以上(日置)

第168回井の頭かんさつ会実施レポート

タイトル  土の中の生きもの

■実施年月日: 平成31年5月26日(日)10:00~12:00

■参加者数: 一般参加者 39名(大人22名、子ども17名) スタッフ 12名

■実施場所:  井の頭公園ボート乗場前(集合)→七井橋→お茶の水池北岸→

芙葉亭下樹林→日本庭園→井の頭地区公会堂(解散)

■実施レポート

 5月にもかかわらず30℃を越える気温が予想される好天の中、17名の子供を含む39名の参加者でかんさつ会はスタート。

 まず4班に分かれ、各班のリーダーが土壌動物は動植の死骸や落ち葉の分解を助ける働きがあること、環境によって生活している生き物に違いがあることなどを説明しフィールドでの観察を始めた。最初にみんなで見たのは園内通路の脇にあったモグラの死骸。前日の下見で見つけていたものであったが、ハエが飛び回り、ゴミムシの仲間などが死骸を片付けていた。

続いて芙葉亭下の樹林地に入り、分厚く積もった落ち葉をめくり土壌を掘り返すと、シデムシの仲間(成虫と幼虫)、ゴミムシの仲間、カメムシの仲間、ダンゴムシ、アリの仲間、ゴキブリの仲間、ミミズなど沢山の生き物が観察された。

その場所や日本庭園の奥、トチノキの下あたりなどでビニール袋に落葉と土壌の表面5㎝程度を採取し、井の頭地区公会堂に持ち込みさらに詳しく生き物探し。

フルイで土をふるうと、小さな虫がピョンピョンはねたり、もぞもぞ動いているのが良くわかる。慎重に実体顕微鏡にのせると、ヨコエビの仲間やトビムシの仲間、ジムカデの仲間やダニの仲間などがはっきりと見え、参加者の興奮は最高潮。珍しいものとしては小型のヒラタクワガタ、オサムシの仲間なども観察することができた。 最後の締めで、各班で観察できた生き物を発表し、生き物に応じて点数を付けたところ、各班の集めた土壌は「都市公園の中では環境がよく保たれた雑木林に近い良い環境」であるという結果であった。

第167回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル 春のお花観 ~花の♂と♀〜

■実施年月日 平成31年4月14日(土) 10:00~12:00

■参加者数  一般参加者30名(大人22名、子供8名) スタッフ12名

■実施場所  ボート乗場前(集合)→七井橋→ お茶の水池北岸→  

 梅林→ 野草園→ 御殿山→ 交流広場(解散)

■実施レポート

永く続いたソメイヨシノの花がまだ残る中かんさつ会がスタートしました。今回は毎年4月恒例の“花観”シリーズでもちょっと難しい「花の♂と♀」。動物のように動けない植物は動物の♂♀と違い、種(しゅ)によって、両性花をつけるもの、雄花と雌花があるもの、雄株と雌株に分かれるもの、1株に雄花と両性花をつけるもの、年によって雌雄の性転換するものなど色々な性の形を持っています。また遺伝的多様性を維持するために自家受精を防ぐしくみを持っているものも数多くあります。

 今回は公園で咲いている花を上記のような観点から観察して植物の♂と♀を知ってもらい植物をよりいっそう好きになってもらうことが目的です。

 スタート地点で各班とも植物の性についてレクチャーしたあと観察に入りました。ソメイヨシノで両性花を確認し、クローンであるソメイヨシノでは原則種(たね)ができないこと、近くのヤマザクラなどの花粉が付いた場合は種ができることを知ってもらいます。

また少し時期が遅く盛りを過ぎたヒサカキの雄株の雄花を観察し、七井橋ではイロハモミジの雄花を観察し両性花を探しましたが見つかりませんでした(あとで別の株で両性花発見)。

 その後モチノキ(雄株の雄花)、ツツジ(両性花)、タンポポ(両性花)ハルジオン(両性花)、アオキ(雄株の雄花と雌株の雌花)、ドウダンツツジ(両性花)、オニタビラコ(両性花)

シャガ(両性花)、オオアラセイトウ(両性花)、ミミガタテンナンショウ(雄株と雌株)、タチツボスミレ(両性花)イヌシデ(雄花と雌花)、クヌギ(雄花と雌花)などを観察し定刻の12時に交流広場で終了、解散となりました。

 小さな花の自家受精を防ぐ仕組みの説明には、各班のリーダーも独自の資料を用意して説明するなど大変苦労したようでした。

 解散後、スタッフ12名と参加者の中の6名、計18名で交流広場のサクラの下で親睦会を開催し、親睦を深めました。

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第166回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル 春を探そう
■実施年月日 平成31年3月17日(日)10:00~12:00
■参加者数  一般参加者 22名(大人15名、子ども7名) 指導員 12名
■実施場所: 井の頭公園駅前(集合) 三角公園を回り、神田川北側を井の頭線高架付近で解散

■実施レポート。
今回は野草を中心に春の訪れを楽しもうということで、通常の井の頭かんさつ会のエリアとは違い三角公園付近を観察しました。
当日は日差しはあったものの空気は若干冷えていたので、昆虫の動きはあまりよくありませんでした。それでもギシギシの仲間の葉っぱにはアブラムシの仲間がいたり、その付近ではナミテントウを目にすることができました。また、モンシロチョウやアブの仲間を目にした人もいたようです。
植物においては、花を付けているものとしてハコベ・ホトケノザ・ヒメオドリコソウ・ナズナ・ミチタネツケバナ・キュウリグサ・オオアラセイトウ・オオイヌノフグリ・アメリカフウロ・ハルノノゲシ・タンポポ・イモカタバミ・ヒメリュウキンカ・タチツボスミレ・フラサバソウ・ヒイラギナンテン・ヒサカキ等が観察できました。
また花は未だ咲いていませんでしたが、ヨモギ・カラスノエンドウ・ヤエムグラなどの植物も観察することができました。
反省点としては、諸事情により1班体制で参加者を案内することになり、やや混沌としたものなってしまいました。
それでも、笑顔のたえない観察会になったと思います。

第165回井の頭かんさつ会レポート

第165回井の頭かんさつ会 
冬の鳥(鳥たちの暮らしをじっくり見てみよう)

日時: 2019年2月24日(日) 10〜12時(小雨決行)
集合: 9時45分 井の頭公園ボート乗り場前

主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内者
日置 日出男(森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
大橋 博資
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
栫 祐子(NACS-J自然観察指導員)
野口 明美(森林インストラクター、NACS-J自然観察指導員)
谷口 智之(NACS-J自然観察指導員)

参加者 32名(大人25名・子ども7名)

実施レポート
 やわらかな日差しの絶好のかんさつ会日和のもと、32名の参加者により第165回井の頭かんさつ会が行われました。
どれだけの鳥たちが出てきてくれるのかと、ドキドキ・ハラハラしながら当日を迎えましたが、予想以上の鳥たちの お出迎えにびっくりするやらうれしいやらの、とても楽しくも満足のできるかんさつ会となりました。
  水辺の冬鳥たちはキンクロハジロ・オオバンの2種類しか見られませんでしたが、留鳥のカイツブリ・カルガモ・カワウの様子を じっくりと観察できましたし、参加者の1番人気のカワセミも2羽姿をあらわしてくれみんな大喜びでした。
 山野の鳥では、キジバト・ドバト・ハシブトガラス・ハシボソガラス・ヒヨドリ・シジュウカラ・エナガ・メジロなどの身近にいながら じっくり見たことのない鳥たちを、双眼鏡・スコープで観察し、改めて普段見たことのない姿や生活ぶりなどを観察することで、その魅力 を改めて再認識していました。
 冬鳥たちもツグミ3兄弟(ツグミ・シロハラ・アカハラ)がのんびりと地面の上で過ごしている姿や、アトリの採餌の様子などもゆっくり と観察することができました。
 特にエナガのかわいいさえずりや動作、巣作りのために羽根を運ぶ姿など、これまで見たことのない鳥たちの様子がじっくりと観察でき たことで、参加者たちから「鳥を見る視点がより広がった」という感想もいただきました。
 井の頭公園の自然の持っている力を実感したり、都市公園という名の整備の方向によって鳥たちの生活がとても影響されていること などを考えさせられながら、鳥たちと過ごした楽しい2時間でした。

(日置)

第164回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル 樹皮と樹形

■実施年月日 平成31年1月26日(土)10:00~12:00

■参加者数  一般参加者 24名(大人21名、子ども3名)     
       案内人 井の頭かんさつ会スタッフ11名

■実施場所: ボート乗り場前(集合)→七井橋 →お茶の水池北岸→お茶の水橋
       →御殿山 →西園トラック →文化交流広場(解散)

■実施レポート
 ボート乗り場から始まり、七井橋の上から遠くに見える木々を樹形のパターンに分けていきます。「メタセコイアは柱状に近いでしょうか? 」「ムクノキは何型だと思いますか?」と参加者と一緒に考えていきます。橋を渡ると、ケヤキとアキニレの樹皮を見て、2種とも樹皮が成長とともに剥がれるけれど、その違いを観察しました。
 お茶の水池北岸からは水生物園のメタセコイアとラクウショウがよく見えます。2種の樹形はよく似ているけれど、枝のつき方で見分けられると説明し、「右の樹はメタセコイア?」「その左隣の樹は?」と参加者と一緒に識別しました。
 ハンノキとクスノキ、アカマツとクロマツ、イヌシデとアカシデなど、一見すると似ている樹皮は触ったり叩いたりして、違いを見つけていきます。その違いを参加者に言葉で表現してもらうと、その違いが一層分かるようになります。
 公園の中には一方向にだけ枝を伸ばすピンオーク、下の枝が無いコナラ、池に倒れかかるよう生えるソメイヨシノ、2本の樹が合体したケヤキなど特殊な樹形のものがあり、その理由や来歴を参加者と一緒に考えました。