第191回実施レポート

■タイトル コケ入門

■実施年月日 2022年6月26日(日) 10時~12時

■参加者数 一般参加者 19名(大人15名、子供4名)

       井の頭かんさつ会スタッフ10名

■実施場所: 井の頭公園駅→神田川左岸ケヤキ並木→ボート池南岸→日本庭園→

       井の頭弁財天境内→日本庭園

■実施レポート

 梅雨の雨で生き生きとするコケをテーマにかんさつ会を企画しましたが、実施日前から晴天が続き実施日にはコケも乾燥し、ベストとは言えない酷暑の中での開催でした。

 コケをテーマにかんさつ会を開催するのは第191回目で初めてで、スタッフも1か月前から猛勉強しなんとか無事に終えることができました。

 コケの種を同定するのはかなり難しいので、コケをルーペやデジタル顕微鏡、カメラのマクロ撮影などを駆使しじっくり観察しコケの美しさ、姿の面白さを知ってもらうことを主眼に井の頭公園でよく見られる約10種のコケを観察しました。

 スタート直後の井の頭線のガードのセメントに生えている褐色のコケに霧吹きで水分を与えると緑色に変わることや、それをルーペでじっくり見るとスギゴケの仲間がきれいな放射状の姿をしていることに

思わず「きれい」と声をだしたり驚いたりしました。

 次のケヤキ並木ではケヤキの樹幹に数種類の蘚類と1種類の苔類を確認、蘚類の胞子体も観察しました。日本庭園では地面に生えた鳥の羽のようなコケや小さな丸い葉が連なったコケなどが見つかりました。井の頭弁財天の境内では苔類のゼニゴケやジャゴケの仲間も観察できました。

 暑い中、参加者の方が熱心にときには地面に這いつくばってルーペで観察してくださったりとあっという間の2時間が過ぎ無事終了となりました。

■所感

 初めてのコケでうまく説明できるか不安でしたが、参加者の皆さんが非常に熱心に観察してくださり、また喜んでくださったので、また適当な時期にコケのかんさつ会を実施しようと思いました。

第190回実施レポート

5月の昆虫

■実施年月日 2022年5月22日(日)10時~12時

■参加者数 一般参加者 22 名(大人 14 名、子ども 8 名)
     井の頭かんさつ会スタッフ 8 名

■実施場所: ボート乗り場前 → 七井橋 → お茶の水池北岸→ 野草園 →御殿山 → 玉川上水 → ほたる橋(西園)

■実施レポート 新型コロナ感染症の流行は落ち着きをみせてきましたが、今回もマスク着用、参加人数削減、
受付時の検温消毒、など感染症対策をして臨みました。ルーペが必要なシーンもありましたが、 会の備品を貸出はせずに、個人のものを持ってきていただきました。
今回は単なる昆虫の紹介ではなくて、さまざまな環境に適応している昆虫の暮らしを観察して、 昆虫と生き物の繋がりを考えることをテーマに、それぞれの昆虫が何をしているのか、なぜここ にいるのか、なにを食べているのかなど観察を通じて考えてもらいました。

主な観察内容
・七井橋からはトンボを観察し、産卵の様子も見られました。 ・お茶の水池北岸の草地ではさまざまバッタ類カメムシ類を見つけました。クサギにいる寄生蜂を題材に、寄生という生き方をする虫の話をしました。
・カラムシの葉を綴って巣をつくるアカタテハ幼虫の行動の意味を考えました。
・毒のあるアジサイの葉を食べるアジサイハバチから進化の話をしました。
・ピンオークの切り株を題材に、キノコムシ類とアザミウマ類を観察しました。
・玉川上水の擬木で見られる昆虫から頭上の生態系を想像しました。
・アカスジキンカメムシ、ナナフシモドキといった、形や色が面白い昆虫も観察しました。

■所感
コロナ禍においても対策をとって観察会を実施することができました。今回は観察対象が昆虫ということで、お子さんの参加が多く、子供の熱気が強かったです。一時期は屋外の自然観察であっても子供の外出が憚られた時期もありましたが、ある程度外出ができるようになり、今回のように子供にも井の頭公園の自然を通して公園と自然の魅力を伝えられたら良いと思います。


第189回実施レポート

花と環境 どこにどんな花が咲いている?

■実施年月日 2022 年 4 月 16 日(土)10 時~12 時

■参加者数 一般参加者 20 名(大人 20 名)
  井の頭かんさつ会スタッフ 10 名

■実施場所:ボート乗り場前広場→街中(三鷹市井の頭)→野草園→雑木林→雑木林広場周辺 (班ごとに解散)

■実施レポート
コロナ感染再拡大のため自然観察会を中止していましたが、4ヶ月ぶりに感染防止対策を
取ったうえで、再開となりました。
この時期は 10 年来、毎年花についてのテーマで観察会を実施しており、今回は3月初め
から準備を行い、4月3日に街中のスミレをテーマに実施を予定していました。しかし、花
見のシーズンと重なることで、実施の許可を受けることができず、日を改めて、花と環境を
テーマに実施し、その中で、街中のスミレの観察も取り入れることにしました。
井の頭かんさつ会としては、街中の植物を初めて観察対象としてみました。街中は外来の植
物が多いのですが、その中でも、キランソウなど公園の中でも見られる在来種や、公園では
見られないスミレ(マンジュリカ)、ヒメスミレなどの在来種が見られ、参加者にも喜んで
頂けました。井の頭公園に戻り、野草園のイカリソウ、ニリンソウや雑木林の林床のタチツ
ボスミレなどを観察し、環境の違いと植物との関係を参加者と一緒に考えてみました。
環境と植物との結びつきは、少しテーマが大きすぎて、結論に結び付けることが難しかっ
たですが、街中をフィールドとしで実施してみたことは、観察や思考の幅を広げる意味で、
とても有意義な試みでした。

■所感
久々に井の頭公園で参加者の方々に自然を楽しんで頂いたことが、スタッフ一同の喜びで
あり、有意義な時間を過ごすことができました。コロナ禍が収まり、今後は観察会が中止と
ならないよう祈りつつ、引き続きルールを順守し、公園での活動を継続していきたいと思い
ます。

第186回実施レポート

タイトル  玉川上水の樹木 

■実施年月日 2021年12月4日(土)10時~11時30分

■参加者数  一般参加者 18名(大人17名、子ども1名)

       井の頭かんさつ会スタッフ12名

■実施場所:  ボート乗り場前(一次集合)→狛江橋南側スペース(二次集合)→第2公園→玉川上水新橋 →ほたる橋 →万助橋(班ごとに解散)

■実施レポート

 新型コロナ感染症後再開2回目です。今回もマスク着用、参加人数削減、実施時間の短縮、受付時の検温消毒、非接触・人混み回避の徹底など感染症対策を万全にして臨みました。

今回は玉川上水の樹木ということで、本年5〜6月にかけて玉川上水の井の頭公園を通る部分(万助橋〜幸橋)に実施した樹木調査の結果を踏まえ、どんな木が生えていて、その来歴と生体的な意味、そしてこれからの予想の話をしました。

調査結果をからは、樹木のうち常緑広葉樹が4割程度で、針葉樹がゼロあること、鳥が散布するタイプの木が7割超で最も多いことなど話し、その意味を考えます。

玉川上水は50年前までは通水されており、それまでは樹木は管理されていました、通水停止後は定期的な管理がされず、風や鳥や獣によって運ばれた種子が発芽してできた現在の樹林は遷移の途中であることを踏まえ、その調査結果を読みときました。

また、幸橋〜新橋の樹木伐採を見学し、今後公園としてどのような管理が良いのかを参加者と一緒に考えました。

■配布資料に掲載した樹種は以下の通りで、これら樹木を中心に観察しました

数の多い樹木9種

(ムク、シラカシ、コナラ、ネズミモチ、イイギリ、ミズキ、ケヤキ、ツバキ、イヌシデ)

多様性の樹木9選

(マユミ、ノイバラ、クワ、アカメガシワ、アオキ、イロハモミジ、ナンテン、ムラサキシキブ、トチ(実生))

■所感

 緊急事態宣言等が明けて再開後2回目のかんさつ会を実施することができました。参加者と話すと、公園の自然をもっと知りたいという熱意が伝わってきます。我々も公園の自然を継続的に観察し、それに応えたいと思います。今回は玉川上水の歴史を踏まえつつ、今後どのような樹林が良いのかを参加者と一緒に考えられたことは、単なる自然観察を超えて身近な自然のあり方考えるきっかけになったと思います。

第185回実施レポート

タイトル  秋の井の頭公園 

■実施年月日 2021年10月24日(日)10時~11時30分

■参加者数  一般参加者 17名(大人17名)  ※井の頭かんさつ会スタッフ12名

■実施場所:  ボート乗り場前(一次集合)→狛江橋南側スペース(二次集合)→七井橋→お茶の水池北岸 →野草園 →御殿山 →玉川上水(班ごとに解散)

■実施レポート

 コロナ感染拡大のため自然観察会を中止していましたが、半年以上ぶりに再開しました。マスク着用、参加人数削減、実施時間の短縮、受付時の検温消毒、人混みを避ける、非接触の徹底など感染症対策を万全にして臨みました。

狛江橋南側の広場にはシラカシ、イイギリ、スズカケノキなどなの実をつける樹木がありここで木の実についての話をしました。狛江橋と七井橋のそれぞれの袂あるイロハモミジは方やたくさんの種を付け、一方は花が咲くものの種をほとんど付けません。この2つを観察してもらい、モミジの花や実の不思議の話をしました。当日は冬に北方より飛来するカモ類が多く見られました。キンクロハジロ、ホシハジロ、ヒドリガモなどです。わざわざ遠距離を日本までやってくる理由を考えます。
 御殿山では多くの木の実や草の実があり、植物が種を散布する戦略について考えました。林には産卵間近のジョロウグモがいて、世代交代について考えました。木の実、落ち葉、冬ガモ類などを通じて生き物の秋の過ごし方を観察してもらいました。

 度重なる緊急事態宣言等により自然観察会の実施ができていませんでしたが、ようやく再開することができました。参加者と一緒に秋の井の頭公園の自然を楽しむことができ、再開できて本当によかったです。しばらくは実施の有無や規模の縮小、観察内容の変更をその都度判断していきますが、今後も井の頭公園の自然を伝えていきたいと思います。

第183回実施レポート

タイトル 花の名前

■実施年月日 2021年4月18日(日)10時~11時30分

■参加者数 一般参加者 :15名(大人12名、子ども3名)

                           申し込み :20名、キャンセル5名

                           案 内 人 :井の頭かんさつ会スタッフ10名

■実施場所 ボート乗り場前→井の頭池北岸→野草園→西園グランド→文化交流広場周辺(班ごとに解散)

■実施レポート

 この時期は、10年来、毎年花についてのテーマで観察会を実施しており、今回は、昨年実施できなかった「花の名前」をテーマにしました。名前は植物の形態が由来となっていることが多く、形態と名前が結びつくかを観察することが今回の意図です。事前に井の頭公園の春に咲く花をリストアップし、その花の標準和名、別名、学名、外国での呼び名やその由来をスタップで協力して調べて、準備を進めていきました。

当日は天候にも恵まれ、とてもいい陽気でした。また、この時期の井の頭公園は百花繚乱、本当に100種位の花が咲いていると思われます。そういった恵まれた状況で、目立つ花や名前やその由来が面白い花を取り上げて、観察し、解説していきました。

 今回は、コロナ対策のため、人数を絞り、子ども班1班、大人班2班の3班体制でこぢんまりと実施です。子ども班では、名前のあてっこや、名前の由来など説明をしただけではなく、触ったり、匂いを嗅いだり、五感を使って花の名前を覚えてもらうこともしました。また、名前だけでなく、花を分解してみたり、テントウムシ、アブラムシ、ハムシ、アブ、チョウなど、花とそれにあつまる虫の関係も観察し、考えてみました。

大人班も、名前だけでなく、花に関するエピソードを幅広く紹介していきました。盛りであるホウチャクソウ、ニリンソウやオオジシバリ、予定外にギンランが見られたり、咲いている花が多く、次々に出てくる花を観察しながら、あっという間に定刻になってしまいました。最後は、満開のミツデカエデを見て頂き、あまりの見事さに参加者もスタッフからも歓声が上がりました。

第180回実施レポート

第180回井の頭かんさつ会実施レポート

■タイトル 晩秋の井の頭公園 

■実施年月日 2020年11月29日(日)10時~11時30分

■参加者数  一般参加者 18名(大人17名、子ども1名)     
       案内人 井の頭かんさつ会スタッフ11名

■実施場所: ボート乗り場前(一次集合)→狛江橋南側スペース(二次集合)→第2公園→小鳥の森南側 →文化交流広場 →野球場周辺(班ごとに解散)

■実施レポート
 コロナ感染拡大のため自然観察会を中止していましたが、半年以上ぶりに再開しました。マスクはもちろん、密を避けるために班の人数を絞ったり、実施時間を短縮したり、検温・消毒・集合受付時の体制変更など、感染症対策を万全にして臨みました。
 集合はいつもと同じボート乗り場前ですが、ここは人が多いため受付が終わった参加者は狛江橋南側のスペースに誘導して、そこで班ごとにスタートすることにしました。再開後
初回なので、今回は池周辺の人混みを避けてここから第2公園や野球場の方へと進みます。
狛江橋からは弁天池畔の落羽松の紅葉が綺麗で、ペパカフェフォレスト前のイイギリや
シラカシは実を落としていて秋が深まっていることを感じます。第2公園へ移動する階段
脇にはブナが生えており、本来もっと寒くて標高の高いところに生えるブナがなぜ井の頭
公園に生えているのかを参加者と話し合いました。
第2公園では冬に花が咲くヤツデやツバキ・チャノキ・ビワなどを観察し、なぜ冬に花を咲かせるのかなどの話をしました。またスタッフの一人がヒグラシの産卵痕を事前に見つけており、秋にヒグラシが孵化する話をすると、参加者に驚きの表情が見られました。セミの孵化の時期を考えたことは私もなかったです。
 小鳥の森南側では成虫越冬するムラサキツバメや冬に活動するフユシャクを見ることが
できました。成虫越冬や冬に活動する理由を参加者と話し合い、生き物の不思議を感じる
ことができました。
 当日はイロハモミジには少し早いものの、たくさんの紅葉を楽しむことができました。
葉の色が変わる仕組みや、生態的な意味について話して、自然の巧みさ複雑さを感じて
もらいました。 

 今回までコロナ禍により実施ができていませんでしたが、ようやく感染防止対策を整えて再開することができました。参加者からも再会を楽しみに待っていた旨のコメントを頂いており、再開できて本当によかったです。

第175回井の頭かんさつ会レポート

地衣類って、何?

■実施年月日:    令和1年12月22(日)13:00~15:00
■参加者数:    一般参加者 16名(大人15名、子ども1名)
井の頭かんさつ会スタッフ 10名
■実施場所:  三鷹市井の頭地区公会堂(集合・室内での解説)→ 黒門 → ペパカフェ下の樹幹 → 狛江橋手前の欄干 → 日本庭園 → 弁天橋欄干 → ペパカフェ下(解散)

■実施レポート
 都市部でも身近な生き物でありながら、ほとんど知られていない(気づかれていない)「地衣類」を、井の頭かんさつ会としては初めてとりあげてみました。
 地衣類の正確な見分けは、顕微鏡観察や地衣類が作る化学成分(二次代謝産物)の確認が必要なことが多く、野外において目視で正確に同定できるものは多くはありません。したがって、今回のかんさつ会も同定することや同定方法を覚えることが目的ではなく、身近な都市公園にも、気づいていないけどまだまだ面白い生き物がいることを紹介し、生き物の多様さを身近に感じてもらうこと、「地衣類」という藻類と共生して生育場所を広げている菌類の面白い生き方を知ってもらい、生き物や自然の魅力を伝えたいという思いで開催しました。
 また、大気汚染物質(二酸化硫黄やNOx)に対して敏感な地衣類があり環境指標となること、温暖化により従来見られなかった南方系の地衣類が見られるようになることなど、環境との関係についてもふれました。
 最初に30分ほど屋内でスライドによる基本的な地衣類の解説をした後、公園及び公園付近で見られる地衣類を観察しました。地衣体の形による違い(葉状地衣、固着地衣、樹枝状地衣)、繁殖体のいろいろ(子器の形や色、栄養繁殖を行う粉芽や裂芽など)、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターの希釈液)による二次代謝産物の呈色反応(赤くなる)など、参加者の皆さん、熱心に観察していました。
 観察場所としては3~4ヶ所の限られた場所でしたが、19種の地衣類を観察しました。初めてのテーマで解説や観察方法など、わかりにくい点もあったと反省していますが、参加者の皆さんには、地衣類という生き物に興味を持っていただけたのではないかと思います。

フィールド観察前に地区公会堂で座学        こんなところにも地衣類が!      
1本の樹に7種類の大型葉状地衣類が!     コンクリートの橋の上にのダイダイゴケの仲間
ヘリトリゴケの黒い縁のある子器を観察     樹幹にかぶせたネット上にも小型葉状地衣類


第177回井の頭かんさつ会レポート

冬芽と葉痕 ~ 冬芽から始めるツリーウォッチング

■実施年月日:  2020年2月15(土)10:00~12:00
■参加者数:   一般参加者 23名(大人18名、子ども5名)
         井の頭かんさつ会スタッフ 13名
■実施場所:   井の頭公園ボート乗り場前(集合)→ ボート池南岸園路 → ひょうたん池 → 三角公園(ほぼ一周) → 神田川左岸・井の頭線高架近くの開けた場所(解散)

■実施レポート
 冬の間の植物はあまり見るべきものがない印象ですが、実はとても楽しく、かつ奥深い観察対象があります。それは冬芽(休眠芽)です。
 子供班ではビンゴゲームをしました。ビンゴカードにある、冬芽と葉痕が作り出す、顔のような表情の「冬の妖精」探しを楽しみ、いろいろな冬芽があることを観察しました。冬芽はいつ頃できる? 冬芽はどこについている? ということも考えてみました。また、コブシの花芽を解剖し、何重にも毛皮のような芽鱗におおわれて、真ん中に花弁と雄しべ・雌しべがあることを観察しました。
 大人班では、冬芽と葉痕の表情を楽しむとともに、冬芽の意味、冬芽の種類、いろいろな冬芽のつき方、冬芽のつき方による分枝の違いなどを観察しました。なぜそこに冬芽がついているのか? その冬芽から出た枝はどのように成長するのか? なども観察しながら一緒に考えていただきました。
 スタッフも観察会の下見や準備段階の勉強で、あらためて冬芽の奥深さを知ることができました。自分たちの観察から生じた疑問もあり、必ずしも「ハンドブック」や「図鑑」に書いてあることだけでは理解できそうもないこともありました。冬芽の展開を今後も観察していきたいです。

最初に冬芽の説明を聞いて出発        毛皮のような芽鱗に包まれるコブシの花芽の観察
アジサイの冬芽は冠を被ったプリンス!    はい、ビンゴ! ここにシール貼ってくださいな
開花が待ち遠しいサクラの花芽の観察   ヤマブキの冬芽はルーペで観察.よく見ると可愛いね

第174回井の頭かんさつ会実施レポート

第174回 井の頭かんさつ会 実施レポート

タイトル 葉っぱのカタチ

■実施年月日 令和元年11月16日(土) 10:00~12:00

■参加者数 一般参加者 :32名(大人19名、子ども13名)

                申込し込み :40名、キャンセル8名

                 案 内 人 :井の頭かんさつ会スタッフ12名

■実施場所 ボート乗り場前(集合)→池南岸→弁天橋→野草園→

      御殿山雑木林→西園→交流広場(解散)

■実施レポート

 素晴らしいお天気に恵まれ、色づいた美しい木々を眺めながら、紅葉する葉だけでなく常緑の葉も含め葉の形をテーマに観察しました。大人班、小学生とその保護者、未就学児とその保護者の3班に分かれスタートです。

 まず、葉の役割について考え、20種くらいの葉を見て「なぜ?」と考えました。カエデの葉はなぜ切れ込みがあるの?葉の縁がギザギザになっている理由は?大きい葉と小さい葉の違いは?羽状複葉、掌状複葉など複葉になっているのはなぜ?他にも、針葉と広葉、常緑と落葉、対生と互生、同じ木でも環境によって棘があったりなかったりするものもあります。多くの人が普段あまり気にしない疑問についてじっくり観察し考えてみました。大人班では、葉の形について参加者やスタッフとより深く議論を行い、色々な意見がでてきました。しかし、ヤマグワやカクレミノの幼木の葉は切れ込みが有る、無いで変化に富み、謎でした。

 葉の形を見るだけでなく香りをかいだり、触ったりと子供達もチクチク、ツルツル、ふわふわの感触を楽しんでいました。トチの実やドングリを観察し、美しい色の葉や変わった形の葉を集め親子でよい時間を共有されていたようでした。また植物と日本の文化について触れると保護者の方は興味津々に耳を傾けていました。

参加者の40%程度が公園に掲示している「葉っぱのカタチ」のポスターをみて参加され、そのうちのお一人の方が、たくさん新しい発見があった中で、複葉であるシンジュの1枚の葉の大きさを知ったことが一番の驚きだったと話されていました。