第153回井の頭かんさつ会
■タイトル 池底の生きもの
■実施年月日 2018年2月25日(日)10:00~12:00
■参加者数 一般参加者:36名(大人25名、子ども11名)
案内人:井の頭かんさつ会スタッフ14名+保全活動班補助2名
■実施場所: ボート乗り場前広場→狛江橋→七井橋 →ゴイサギ島付近池底→
弁天池底(弁天堂付近) →お茶の水橋〜野口雨情碑(池底) 解散
■実施レポート (作成:第153回企画担当 村上 健太)
かいぼり中の池底に入る今回のかんさつ会は市民の関心が高く、三鷹市市報での告知を行わなかったにもかかわらず、またかいぼり隊の池底ツアーもあるにも関わらず、申し込み開始数日で定員に達しました。
まず池に入る前に、かいぼりの目的と現在までの効果/成果をお話ししました。最初は外来種が多かったものが、今回は在来種が多くなっているとお話しすると、笑顔を見せる参加者もいました。
狛江橋や七井橋の上から泥に残る生き物の足跡を観察しました。池の泥の乾燥によるひび割れで見えにくい箇所もありましたが、大小サギ類の足跡を見比べたり、四つ足動物の足跡の主は何なのか推察しながら観察したりしました。カモとサギの足の違い(水かきの有無)と池での生活様式の違いを説明すると、小さなお子様が興味を示してくれました。
親水デッキ脇からゴイサギ島の横を通り、七井橋まで歩きました。七井橋横のヒメガマは1回目のかいぼり後に復活したかいぼりの成果です。水草が増えると、プランクトンや小魚の隠れ場所になり、池の生態系が多様になると説明しました。またヒメガマ地下茎を移植した場所でも説明を加え、水草を増やす取り組みを説明しました。
今回の観察目的の一つは”湧水”です。弁天池に入り、湧水が出ている場所を見つけました。これが井の頭池の最初の水で、神田川の源流だと解説しました。動画を撮影する人もいました。当日は寒く、池の水温は10度ぐらいでしたが、湧水付近は15度と暖かく、手を浸して温かさを確かめました。
続いてお茶の水橋付近からお茶の水池に入ります。護岸のコンクリート板の隙間から伸びる木の根や、水質浄化装置など、普段は水の中にあるものを見ることができ、参加者だけでなく案内人もワクワクしていました。昔、玉川上水に水を送る取水口の跡も見ました。
油膜のように見える、鉄細菌によって生成された皮膜を水たまりに見つけました。汚れている訳ではありません。これも池の生き物(生き物の跡)だと説明すると、初めて見るものに参加者の目が輝きました。
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池に水がないため、池底は生き物が少なかったのですが、それでも池底に入れたことや、普段は見られないものが見られたことに参加者の皆さんは楽しんで満足してくれたようです。単に池に入るだけでなく、かいぼりの意義や井の頭池の本来の自然・生態系について理解も深まったことと思います。
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