第140回井の頭かんさつ会レポート

第140回井の頭かんさつ会レポート

■タイトル  土に暮らす生き物 ~土壌生物を探そう~

■実施年月日 2016年12月18日(日)10:00~12:00
■参加者数  一般参加者 26名(大人17名、子ども9名)         
       案内人 井の頭かんさつ会スタッフ10名
■ 実施場所  ボート乗り場前(集合)→弁天池南岸→御殿山→小鳥の森→第二公園
     →井の頭地区公会堂(解散)

■実施レポート(作成:第140回企画担当 村上 健太)
 木々の葉が落ちて昆虫の姿を見ることが少なくなる12月ですが、落ち葉の下、土の中には昆虫やクモやトビムシなど様々な種類の生き物が暮らしています。これらの土壌動物は生態系の中で重要な役割を担っているにも関わらず、普段気にかけることが少ない存在です。今回はそんな陰の功労者である土壌動物を探す観察会を行いました。
 ボート乗り場前に集合した参加者に「ダンゴムシとミミズに触ったことがあるか」と聞くと、全員が触ったことはあるようでしたが、それ以外の動物を知らないようでした。まず狛江橋南側のトチ大木付近の落ち葉をめくって土壌動物を探します。子供はもちろん、大人も童心に帰って落ち葉をかき分け、土を掘ります。落ち葉はたくさんおちているけれど、意外に生き物は少なかったです。
 続いて弁天池南側トイレ付近の土を掘ります。普段は人が足を踏み入れないので、土が軟らかく、小石混じりの土なのにハサミムシやトビムシが次々と見つかり、子供達が大喜びで茂みに入って柔らかい土を探しました。また石をひっくり返して虫を探しました。
 玉川上水と小鳥の森の間の地点と第二公園トイレ裏の雑木林でも土を採取し、井の頭地区公会堂へ移動しました。
 井の頭地区公会堂では、パソコンとプロジェクターを使って土壌動物の大まかな種類と生態系の中での役割(特に分解者として重要)を話した後で、テーブルの上で採取した土を丹念に調べました。一見生き物がいないように思える土でも、目を凝らして土を探すと小さなムカデやヨコエビがたくさん見つかります。これらを交代で顕微鏡を使って観察しました。詳しい種類の同定までは行いませんでしたが、土の中に意外にたくさんの生き物(動物)がいることを、楽しく体験してもらえたのではないかと思います。
 
※土を掘った場所は埋めもどし、掘り出した土は元の場所に戻しました。また通常は公園の土を掘り返してはいけない旨、参加者に告知しました。

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子供の参加者の感想として、「久しぶりに土をいじったけれど、たくさんの虫がいることに驚いた」ということが、企画者としてうれしかったです。土に触れることは自然に触れることの始まりですが、今の子供には体験が減ってきていると思います。こうした体験を通じて、生き物の多様性を感じて、多様性を守っていく気持ちを伝えられたら良いと思います。
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