第126回井の頭かんさつ会レポート

第126回井の頭かんさつ会

「かいぼりで変った池の生き物  ~種類・数・行動~」

2015年10月24日(土)10:00~12:00

主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所
案内:
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
上村 肇
大橋 博資
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
佃 和夫(NACS-J自然観察指導員)
参加者:20名(大人15名、子供5名)

レポート

井の頭池では、水質浄化と外来生物の駆除を目的として、2014年1月に池の一部(お茶池、ボート池)の水を抜く”かいぼり”を実施しました。2015年の冬にも2回目のかいぼりを行います。その前に1回目のかいぼりの結果として、池の生き物はどう変ったのかを観察しました。
事前の案内文や開始時に参加者に対して「増えた生き物、減った生き物、行動に変化のおきた動物はいるでしょうか?」と問いかけました。かいぼりの効果を生き物の側面から観察していきます。
まず前回かいぼりを実施していない弁天池を観察しました。弁天池では11月のかいぼりのためにオレンジ色のフェンスが設置されていました。弁天池では、本来の井の頭池に近づける為に池の水質を改善しなければならないことや、外来魚がいることで池の生態系が壊れていることなど、弁天池に起こっている問題を話しました。参加者には何度もうなずく方が多く、かいぼりの必要性を理解して頂いたようです。弁天橋を通る時に「かいぼりをして、鯉のその後はどうするのか」という質問が参加者から出ました。それに対し「鯉はもともと井の頭池にいた生き物ではなく、水底の泥を巻き上げて水底の水草や小動物を食べてしまうため生態系に悪影響が強いため、今回のかいぼりでは駆除対象になります。」と回答すると、納得されたようでした。
野口雨情歌碑の近くではハシビロガモやオナガガモがいました。前回のかいぼり後それまで少なかったコガモや見られなかったオカヨシガモが見られるようになった事、バンが繁殖をした事、それは水草が復活して食料が増えたからからだと思われることをお話しすると、かいぼりで水草が増えたことで生態系が豊かになった事を実感して頂いたようです。ボート池ではキンクロハジロが水中に潜って獲物を採る行動が観察され、これも水底の生物層が豊かになったことをが要因として考えられることを解説すると、参加者一同喜んでいました。
お茶池北岸柳付近では「かいぼり隊」がその日捕獲された在来生物や外来生物を展示し普及啓発を行っており、そこで現在の池の生き物の種類について話しました。1回のかいぼりではブラックバスやブルーギルの数をゼロにはできなかったこと。ブラックバスが少なくなった為にブルーギルやアメリカザリガニが逆に増えてしまっている事など問題点をお話しし、2回目3回目のかいぼりの課題であることなど、かいぼりの意義を伝えました。
ひょうたん池に移動し、「井の頭かんさつ会」による保全活動を見学しました。前日に神田川に設置していた張り網や水中に沈めておいたドームカゴ網を上げて中の生き物を観察しました。獲物は少なかったですが、生物を捕獲し調査することの重要性も話しました。
事前に池の3カ所(弁天橋、お茶橋付近、七井橋)で池の水を汲み番号を書いたペットボトルに入れ、どの番号がどの場所で汲んだ水か参加者に考えて頂きました。かいぼり未実施の弁天橋のものが最も透明度が低く、参加者にもかいぼりによる水質浄化作用を実感して頂けたと思います。
今回の観察会は池の生き物を通じて、かいぼりの効果や意義を伝えるものでした。1回目でかいぼりの効果が出た良い側面と、これから解決したい課題を案内人と参加者で話せた事で次回かいぼりに向けた市民の理解が進み、かいぼりのバックアップになったと思います。(村上健太)