第119回井の頭かんさつ会レポート

第119回井の頭かんさつ会

タイトル 「井の頭公園 花を愛でる観察会」 ~花と実のステキな関係~

■実施年月日 2015年3月22日(日)10:00~12:00

■参加者数  37名(大人33名、子ども4名)

■実施場所:     ボート乗り場前(集合)→井の頭池北岸 →野草園 →雑木林

 

■実施レポート (作成:第108回企画担当 小町 友則)

うららかな、春らしい天気の下、恒例の花を愛でる観察会を行いました。今年はちょっと早めに春を先取りした日程としましたが、急な暖かさのため、井の頭公園は開催前の1週間で開花が相次ぎ、華やかな観察会となりました。

 

今まで、花を愛でる観察会として、花の色、花の形、花の匂い、花の進化、花と生きものの繋がりなどをテーマに取り上げてきましたが、今年は「花と実のステキな関係」として、花が咲いた後にどういった実になるか分解したりしながら、観察してみることにしました。

 

今回は花を細かく見ていくことがテーマなので、少人数の班編成として、5班体制でご案内しました。スタート地点であるボート広場にも、多くの花が咲いていました。ヒサカキ、レンギョウ、ツルニチニチソウ、ユキヤナギ、サクラ(エドヒガン)などです。中でも面白いのが、カラスノエンドウの小さな花です。花を分解し、雌しべの元を見ると、もうマメのさやができています。更に良く観ると、その中に豆のような形もうっすら見えました。

 

橋を渡り、池の北岸では、ヒュウガミズキやヒイラギナンテンが咲いており、コブシ前では、コブシの花の原始的な構造と、別途採取したコブシの実と対比を行いました。またシラユキゲシの雌しべの子房の部分を割って、顕微鏡で観察してみました。すると、米粒のような小さな胚珠がいっぱい見られ、ケシの仲間は種子の数が多い事が納得できました。ミツマタやツバキを観察し、梅園へ向かうと、ウメやサンシュユのほか、オオイヌノフグリやキュウリグサといった小さく可憐な草花が咲いており、じっくり観察できました。今回、各班のリーダーは工夫をこらせて、梅干しやリンゴなどの果実を持ち込み、花と実の関係をわかりやすく解説を行っていました。

野草園では、アズマイチゲやイチリンソウ、ニリンソウ、カタクリ、クサノオウなどの山野草が咲き出しており、早春の雰囲気をたっぷり味わうことができました。