第107回井の頭かんさつ会レポート

第107回井の頭かんさつ会

「あなたはどんな時に春を感じますか」~井の頭公園で春を探そう~

日時: 2014年3月15日(土曜日)午前10:00~12:00
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内
大橋 博資
日置 日出男(森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
佃 和夫(NACS-J自然観察指導員)

参加者: 39名(大人27名、子供12名)

レポート

 今回のテーマである「春探し」は、天気や気温によって大きな影響があり、当日の天候が気掛かりでしたが、幸い快晴で気温も集合した10時頃は12度と例年並でした。
 いつものように各班にに分かれて、出発です。
 子供班は、あらかじめスタッフが用意したゲーム形式での春探しを行い、大人と同じ行程を楽しく学べたようです。
 一方大人班は、まず今回のタイトルとなった「あなたはどんな時に春を感じますか」の問いに答えていただきました。
 オオイヌノフグリやホトケノザといった野草に春を感じる方、梅やジンチョウゲなどの樹木の開花に春を感じる方、はたまた夜空の変化や日照時間の変化といった科学的なご意見、花粉症という近年の春の季語になりそうな理由の方もいらっしゃいました。
 参加者のみなさんと見つけることができた春は、予想以上にたくさんあったと思われます。
 中でも、トビモンオオエダシャクとの出会いは、大きな意味があったと言えるかもしれません。トビモンオオエダシャクはスプリングエフェメラルと言われる、春の一時期に出現してわずかの時間で姿を消してしまう種類のガの一つだったからです。
 また、ツバキキンカクチャワンタケというキノコも観察することができました。このキノコは、胞子をツバキの開花のころに合わせて放ち、ツバキの花が役目を終え地面に落ちるとその栄養分を使って成長するという生活をしているとのことで、普段なかなか見ることのできない春をご紹介できたと思います。
 春という季節は、生き物にとって厳しい冬と背中合わせです。植物・昆虫・鳥類などが井の頭公園の自然の中でつながりを持って生きていることをお伝えできたと思う春の日でした。

(レポート:大橋)