第71回井の頭かんさつ会レポート

第71回井の頭かんさつ会

シーズンピークの「渡りの夏鳥探鳥会」

日時: 2011年4月30日(土) 午前9:30〜12:00
場所: 井の頭公園
集合: 午前9時15分 井の頭池ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所
案内:
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠 (NACS-J自然観察指導員)
日置 日出男
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
参加者:60名(大人53名、子供7名)

レポート

夏鳥の季節移動のピークは4月末日~5月初旬ですが、今まで様々な理由でこの時期に探鳥会を開催していませんでした。これはもったいないということで、今回は初めて月2回の開催とし、第70回(4月24日)の翌週、30日に今回の第71回を設定しました。
探鳥会では事前に鳴き声の予習をしてから実際の観察に出発するという流れでやってきましたが、早い時間帯の方が野鳥のさえずりが多い、観察に充てる時間が減ってもったいないことから、すぐに出発するスケジュールにしました。その代わりにを用意し、各人が事前に予習できるように工夫しました。
探鳥会は毎回大人気です。先週70回を開催したばかりだったし、GW中にあたるので参加者がどれくらい集まるかは見えませんでしたが、募集してみるとあっという間に定員は埋まり、直前には満員の60人に達しました。本当にありがたいことです。
当日は好天に恵まれました。参加者を4班に分け、それぞれ出発。夏鳥を目当てに探鳥しました。早朝の直前下見ではエゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリなどの夏鳥が一通りいたのですが、かんさつ会の時間にはまるで気配がなくなってしまいました。五感を研ぎ澄ませて探しましたが、夏鳥の観察は困難でした。
アオゲラの営巣の様子、エナガの巣立ち雛が団子状に並んでいる様子、巣立った後のエナガの巣など留鳥に関しては充実した観察ができましたが、主題の夏鳥については満足いく観察ができませんでした。かろうじてエゾムシクイとセンダイムシクイが観察でき、キビタキの地鳴きは聞けましたが、他はさっぱりでした。
時間一杯になり、全班集合してまとめると他の班も同じような結果だった中で、子供班はキビタキ、オオルリを観られたそうです!大人の班は少しばかりタイミングが悪かったようです。植物観察と違って野鳥は動くので、思い通りにいてくれないことはつきものではあります。
やはり早朝の方がさえずりが多いし、鳥たちも活発です。次回は早朝の探鳥会を設定することを検討したいと思います。
~~~観察種~~~(全班まとめて)

オシドリ、カルガモ、キジバト、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、サンショウクイ(この日初認)、ヒヨドリ、シロハラ、ツグミ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、オオルリ、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、クロジ、スズメ、オナガ、ムクドリ、ハシブトガラス、ワカケホンセイインコ

今季は動植物全般に季節が遅れていて、従来のピークに合わせて開催日を設定したのが裏目に出てしまいました。しかしながら、参加者の中にはバードウォッチングが初めての人も少なくなく、アオゲラをはじめとする留鳥をじっくり観察でき、特に可愛らしいエナガの巣立ち雛や空になった巣を間近で観察できたことは十分に魅力でした。
来季はピークを予測した上で日程を調整し、早朝+午前中の2回制で開催したいです。


(レポート:小町、写真:高野)