第67回井の頭かんさつ会レポート

67回井の頭かんさつ会 

■ テーマ    冬鳥探鳥会「バードウォッチングから考える身近な自然」

■ 実施年月日       2011年1月23日(日) 9:30~12:00

■ 参加者数           一般参加者46名(大人40名、子ども6名)

井の頭かんさつ会スタッフ9名

■ 実施場所           ボート乗り場前→お茶の水池畔→御殿山→小鳥の森→第2公園

  • 実施内容(作成:事務局 大原 正子)
    • 今回の探鳥会は、鳥を探すコツを覚えるだけでなく、鳥が何をしているのかをじっくり観ることで、自然について考えることを主眼としました。
    • 多くの参加者が熱い期待を込めた探鳥会は、スタートから順調な滑り出しでした。大人班2班と子供班1班に分かれて出発した直後、カワラヒワの少群がお出迎えをしてくれました。初めて双眼鏡を手にした参加者も、バードウォッチングに慣れた参加者も、皆高木を見上げて、茶色がかった小鳥たちがアキニレの種を採餌している姿をじっくり観察しました。
    • お茶の水池畔では、ゴイサギやバンなど池のいろいろな水鳥たちが観られました。木々の上にはエナガ、シジュウカラ、コゲラ、メジロ、ツグミ、シメなどが次々と現れ、フィールドスコープも使用してじっくり観察することができました。さらには、今季の目玉である数羽のマヒワが樹上を飛び交う様子に、参加者たちも興奮気味でした。
    • 御殿山ではカワラヒワの大きな群れが樹上から舞い降りて、林床に落ちている種をついばんで食べ、食べてはまた樹上に飛び上がるのを繰り返し、その様子を参加者たちは目を凝らして見つめました。シロハラやツグミが落ち葉を嘴でひっくり返しながらエノキなどの実を捜して採餌したり、地面や枝でじっと休憩したりしている姿をたっぷりと観ることができました。
    • 小鳥の森観察窓付近のコナラの樹液を舐めに来るメジロ、それを邪魔するヒヨドリに鳥たちのドラマを垣間見ました。笹薮では、姿を現してはくれませんでしたが、ウグイスが地鳴きをしながら餌を探していました。
    • 第2公園では、籠抜けといわれている外来種のソウシチョウが、その数の多さと旺盛な食欲から、同じような環境で生活している在来の鳥たちの生活の場や餌を奪ってしまう現実を観ました。
    • 終盤、冬鳥の人気者・ルリビタキが参加者達を楽しませてくれるなど、第2公園でのバードウォッチングは盛り上がりました。
    • 子供班でも双眼鏡を使用して鳥を観察し、野鳥への興味・関心を引き出し、さらにはカモメやムササビを折り紙で作って親子で飛ばして遊ぶという楽しいイベントを行いました。
    • 最後は今回のメインリーダーを勤めた高野指導員が会の締めくくりをしました。野鳥が餌とする実のなる樹木の重要性を訴え、玉川上水の樹木伐採の問題に言及しました。特に、小金井桜を復活させる為に、これまで長い間かけて成長してきた樹木を6kmにも渡って殆ど全て伐採してしまうことが、如何に鳥類へ悪影響を及ぼすかを力説しました。ゴイサギ、コサギ、オナガガモ、カルガモ、キンクロハジロ、ハシビロガモ、オオバン、バン、カワウ、カワセミ、
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    • キジバト、ムクドリ、スズメ、ヒヨドリ、ハシブトガラス、ソウシチョウ、ハクセイキレイ、シジュウカラ、メジロ、コゲラ、エナガ、カワラヒワ、ツグミ、シメ、シロハラ、アオゲラ、ヒガラ、マヒワ、ルリビタキ、
    • ~~観察できた鳥~~
    • 今回の申込者総数は52名にのぼり、また、申込メールには期待の声が多く寄せられ野鳥人気の高さを物語っていました。ただ風邪の流行る季節ということもあって、欠席者がいつもより多く、6名ありました。
    • 前日の下見では鳥が少なくて参加者の期待に応えられるか心配しておりましたが、当日は思いのほか数多くの鳥が姿を見せてくれ、参加者たちは大いに満足したようでした。しかも、冬鳥の代表格でありながら今季は井の頭への飛来数の少ないルリビタキや、井の頭にはあまり飛来しないマヒワなども観ることができるという鳥運に恵まれました。
    • 今回はただ単に鳥を見つけて眺めるという観察会ではなく、その鳥がどのような環境にいるのか、そこで何をしているのか、何を食べているのかを良く観ることで、自然をより広い視点で考えることを狙いとしました。スタッフの解説もそのようなことに重点を置いたことにより、参加者の皆さんは鳥を通じていろいろなことを学ぶことが出来たものと思います。皆さん、表情が生き生きとしていて、楽しみながら観察をしているのが感じられました。
    • 井の頭公園の豊かな樹木や草むらが、多くの野鳥の食料や隠れ場所を与え、彼らの生活を支えていることを実感し、同時に、野鳥たちが多くの人々の関心を集め、心の糧ともなっていることを実感したかんさつ会でした。
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