第51回井の頭かんさつ会レポート

第51回井の頭かんさつ会

テーマ:「渡りの夏鳥を探そう!2009秋」


日時: 2009年9月27日(日) 午前9:30~12:00
場所: 井の頭池畔、玉川上水縁道、小鳥の森

主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:
高野 丈(NACS-J自然観察指導員、井の頭バードリサーチ
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠
田中 雅子
日置 日出男
大橋 博資
杉浦 千愛(NACS-J自然観察指導員、)

参加者:42名


レポート

今回の井の頭かんさつ会は秋の季節移動中の夏鳥の探鳥会を開催しました。 野鳥は季節によって観察できる対象が大きく変わります。 この時期は初夏と共に観察の好機なので、初夏と初秋の「渡りの夏鳥探し」は毎年の定番メニューとなっています。 最近ますます人気の井の頭かんさつ会ですが、探鳥会の回は特に人気が高く、今回も1週間前には満員御礼となって募集を締切り、間に合わなかった方にはキャンセル待ちをしていただきました。 毎回のように参加してくれる方、初めて参加する方、いずれの期待にも添えられるよう襟を正して臨みました。

探鳥会のポイントである肝心の鳥の出については前週までのようなお祭り状態はなくなったものの、悪くない状態でした。 観察会中もキビタキ♀タイプ(一見して雌に見えても実際には雄の若鳥かもしれないので、♀タイプと称します)、エゾビタキなどの夏鳥を観察することができて順調でした。

特筆すべきは観察会中にコガラを発見したことです。コガラは今回お目当ての夏鳥ではないのですが、通常もっと標高の高い環境に生息する留鳥で、井の頭公園で観察できることは極めて稀です。 広域で見れば決して珍しい種ではありませんが、留鳥のはずの同種がひっそりと季節移動していたという事実、それをここ井の頭公園で観察会中に確認できたことはとても興味深いことです。

このような面白いトピックスがあった今回のかんさつ会ですが、今回は三鷹国際交流フェスティバルと重なってしまったために、自然観察をするにはかなり賑やかな状況でした。 とりわけ和太鼓やサンバをBGMにバードウォッチングしなければいけなかったのには参りました。 声を頼りに探すという点が実践しにくかったかもしれません。

観察会の最後に井の頭バードリサーチの365日モニタリングによって今季確認されたミゾゴイとブッポウソウを紹介し、絶滅危惧種が利用する井の頭公園の環境は生物多様性保全上重要だということ、将来に渡って大切にしなければいけないことをお伝えして締めくくりとしました。


(レポート:高野)