第42回井の頭かんさつ会レポート

第42回井の頭かんさつ会

テーマ: 「生き物たちの時間割」


日時: 2008年12月20日(土) 午後3:30~5:30

場所: 井の頭池およびその周辺

集合: 午後3時15分 井の頭池ボート乗り場前

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:24名


■2008年忘年会■

日時: 2008年12月20日(土) 午後6:00~8:00

場所: 吉祥寺駅近くの店


レポート

今回のテーマは「生き物たちの時間割」。時間は昼と夜の狭間。鳥たちを中心に、昼間活動する鳥たちは夜へ向けてどんな動きをするか、夜行性の鳥たちはどんな動きをするのかを観察しました。

まず、七井橋中央で、夕暮れ前に見える鳥たち、ゴイサギ島の10余羽のゴイサギ、水面のカモたち、上空を横切ったり木々の周りで飛び回って見える小鳥たちを観察しました。

そうこうするうちに、コサギが1羽、2羽とゴイサギ島へ飛んできます。最終的には5羽のコサギが集まってきました。そして16:53、ついにコサギ5羽が一斉に塒入りの為に飛び立ち、お茶の水西岸に向かって飛んで行くのを観察。 すかさずコサギを追って全員でお茶の水西岸へ塒探しに行き、樹木の高い所に2羽の塒を発見しました。

一方、じっとしていた夜行性のゴイサギたちは、暗くなるにつれ、少しずつウォーミング・アップを始め、やがてクワッと大きなシワガレ声をあげながら2羽、3羽と暗くなった水面上空を飛んでいきました。全部で12羽ものゴイサギが昼間は藪の中に身を潜めていたこともわかりました。

暗い空を数羽ずつカモたちが飛んでいくのに気づいた人もいたと思います。

その一方で、だんだん日が沈み、空が薄暗くなってきた時、参加者の1人が一番星(金星)を見つけました。暫く後には二番星(木星)も見つけることができ、空が真っ暗となったころには、スコープを使って、金星が欠けている様子や、木星の衛星を観察することができました。その他ベガ、デネブ、アルデバラン、カペラなどの星も肉眼で見ることができ、スバルは双眼鏡で見ることができました。

七井橋の南端の芦島付近ではオオバンが塒入りしているところも観察しました。 また、終了後、希望者だけですが、忘年会開催の為に吉祥寺駅方面に向かい、駅前の街路樹をたくさんのセキレイが塒としている様子を観察することもできました。

夕刻の鳥たちの普段あまり気づかない様子を観察できて、鳥たちの暮らしぶりがいっそう身近になったのではないでしょうか。

忘年会は一般参加者17名とスタッフ7名の計24名で楽しく盛り上がり、今年最後の井の頭かんさつ会の行事を締め括りました。

(レポート:大原・高久)

第41回井の頭かんさつ会レポート

第41回井の頭かんさつ会

テーマ: 「生き物と季節」


日時: 2008年11月29日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭池~御殿山~小鳥の森

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:27名


レポート

日本には四季があります。そこで暮らす生き物たちはそれぞれの季節と折り合いながら、あるいは季節を利用しながら生きています。今回のかんさつ会は、季節への対応という観点で生き物たちを見直してみようというテーマです。

まず、井の頭の池を見ました。夏に見られたツバメなどの鳥は見られなくなり、かわりに冬鳥たち(オナガガモ・キンクロハジロたち)が多く見られるようになってきています。また、一年中見られる鳥(カルガモなど)もいます。鳥たちは、なぜ、移動したり留まったりするのか、そのわけを考え、季節に対応して暮らす鳥たちの生き方に思いを馳せました。

森では、冬鳥のルリビタキ・ジョウビタキ・キクイタダキなどの小鳥が見られたグループもありました。

植物たちはどうでしょうか。落葉したり、紅葉したりする木々、実をつけて次の世代をつくる木々が目に付きます。その中で、サザンカやヤツデは花の盛りを迎えて、一際目立っていました。

ヤツデの花をよく観察してみると、雄しべだけが伸びている花と、雌しべだけが伸びている花がありました。ヤツデは雌雄同花で、時間差をつけて雄花から雌花へ変わっていく花です。見るとハエやアブがたくさん集まってきていました。初冬に咲くことによって虫たちを独占して花粉を運ばせていることがよく観察できました。

昆虫たちはどうでしょうか。カラスウリの葉には、トホシテントウの幼虫がついていました。また、ヨコヅナサシガメ(カメムシ)の幼虫が、木の洞で身を寄せ合って集団越冬しているのも見られました。その外、成虫で越冬するカメムシたちや、卵で越冬するジョロウグモも見つかりました。虫たちが、それぞれ、種類によって違うライフスタイルで季節に対応している様子が観察できたのではないでしょうか。

かんさつ会終了後、前回できなかった親睦会を、西園の芝生広場で行いました。それぞれがもちよったお弁当を広げて、和気藹々の楽しいひと時が過ごせたと思います。

(レポート:高久)

第40回井の頭かんさつ会レポート

第40回井の頭かんさつ会

テーマ: 「秋の樹木」  ―「グリーンアドベンチャー」をもっと楽しもうPARTⅡ―


 日時: 2008年10月26日(日) 午前10:00~12:00

場所:井の頭池畔「グリーン・アドベンチャー」コース

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

佐藤 誠(井の頭バードリサーチ)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:28名


レポート

開始前に雨がちらつき、雨天プログラムなどのことで一瞬 ヒヤリとしましたが10時前には雨も上がり予定通り観察会 がスタートしました。

今回は5月のかんさつ会で半分しか回れなかったグリーン アドベンチャーコースの後半部分を回り、樹木の観察を おこないました。

植物観察の基本である葉の形、鋸歯の有無、 葉のつき方、樹形、樹皮、実や種などを眼で観察するだけで なく、ムクノキやエノキの実を食べてみたり、葉や樹皮を さわってみたり、カツラの落ち葉やナワシログミの花のにおい をかいでみたりしながら5感を使った観察を楽しみました。

また、グリーンアドベンチャーのコースを少し外れて、 オニグルミやハクウンボク、エゴノキに実がたくさんついている のを観察したり、ハゼノキやニシキギが少し紅葉し始めているの を観察したりして秋が徐々に深まりつつあるのことも実感しました。

(レポート:佐藤)

 

第39回井の頭かんさつ会レポート

第39回井の頭かんさつ会

テーマ: 「渡りの夏鳥を探せ!2008秋」


 日時: 2008年9月23日(火・祝日)

探鳥会    9:30~11:00頃

屋内講座  11:00~12:00頃

集合: 9:15 井の頭池ボート乗り場前

観察場所:井の頭池~小鳥の森

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:45名


レポート

 9:15にボート乗り場前で受付を開始。スタッフの挨拶後、参加者を3班に分けました。①「マニアック班」 ②「中級班」 ③「子供たちを中心とした班」の3班に各自の希望で分かれました。

まずは各班とも双眼鏡の正しい使い方を学び、池にいるコサギやカワセミなどを双眼鏡で見て実践しました。 ・ 七井橋上で暫く水鳥を観察し、ゴイサギ藪の裏側を経て池畔を歩きながらさらに観察を続け、御殿山へ森林性の鳥を探しに向かいました。 ・ 訓導碑前では「シジュウカラの混群の中から夏鳥を探す」という実習をしましたが、残念ながらシジュウカラの群れが少なく、目的を充分に達することは出来ませんでした。一方、エナガの群れに混じっていたムシクイが目に留まりました。

小鳥の森へ向かう途中、アオムシを食べているヤマガラを見ることが出来ました。  小鳥の森では、鳥観ポイントの通称「枯れ木」に止まっているコサメビタキを垣間見、観測井付近のポイントにいるキビタキをカメラに収めた参加者もいました。

探鳥会終了後、井の頭地区公会堂にて高野指導員による「井の頭公園野鳥観察講座」(室内講座)を行いました。「夏鳥とは」「渡りにおける井の頭公園の位置づけ」「3年間の秋の渡りの記録」「カモの雌雄識別」などをスライドを駆使して解説しました。

あっという間の2時間半でしたが、まだまだ鳥を見たいという気持ちを残して観察会を終了しました。

今回は定員をいつもより10名多い40名としましたが、満員御礼でお断りしなければならない申込者も何人かでました。テーマの「鳥」が如何に多くの人々心を惹きつけるかを物語っているように思います。

井の頭公園の魅力の一つが「鳥」であり、その鳥を招くのが緑の多い、またエサとなる虫等も沢山いる豊かな自然なのですから、井の頭の貴重な自然を保全することが人々の心を豊かにすることに繋がるのだと思います。私たちはその為に観察会を通じて多くの方たちへの自然への理解を深める活動をしていくことが重要であると感じました。

今回の開催日はネイチャー☆プログラムの「武蔵野三鷹自然祭」に当たるよう設定し、午後はその一環として「ミニ探鳥会」を3回催しました。定員オーバーでやむを得ずお断りした方々はこの「ミニ探鳥会」に参加してくださり、一日を通して多くの方々に野鳥を観る楽しみを味わっていただけたと思います。

(レポート:大原)

第38回井の頭かんさつ会レポート

第38回井の頭かんさつ会

テーマ: 「夏の夜をもっと楽しもう」


 日時: 2008年8月23日(土)  午後6:30~8:30

場所:井の頭公園

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:25名


レポート 

  残念ながら当日は、かんさつ会始まって以来初めての雨天。やむを得ず室内での雨天プログラム講座でスタートしました。

まず、田中による夜の井の頭公園の「夜の生き物たち」講座。樹液に集まる昆虫たち、夜行性の生き物、夜咲くカラスウリの花、夜の池の魚やエビの様子、そしてセミの羽化の連続写真などをスライドで紹介。その撮影に纏わる苦労話も披露されました。

次いで、小町指導員によるセミについての講座。日本で一番小さいセミ(イワサキクサゼミ)の標本を見たり、セミの抜け殻の識別法について解説。

そして、井の頭公園などであらかじめ採取しておいた百数十個のセムの脱殻を、参加者みんなで識別し、アブラゼミ・ミンミンゼミ・ヒグラシ・ツクツクボウシ・ニイニイゼミに分類してみました。

折りしも、雨が小降りになり、野外講座に切り替えることになりました。

屋外に出てみると、夜咲く花、カラスウリも咲いていました。雨の中でも、数は少なくてもセミが羽化していました。また、カブトムシさえ見られました。

このように、よい天候ではない夜でも、いろいろな生き物がせいいっぱい活動している様子が見られ、それもまた自然を知るよい経験になったと言えるのではないでしょうか。

かんさつ会に引き続き、希望者とともに親睦会を行い大いに盛り上がりました。

(レポート:高久)

第37回井の頭かんさつ会レポート

第37回井の頭かんさつ会

テーマ: 「プールの生き物たち」


   日時: 2008年7月27日(日)  午前10:00~12:00

場所:井の頭公園・西園プール

集合: 午前9時50分 西園事務所(テニスコート受付)前

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

日置日出男

参加者:37名


レポート 

 今回の観察会は、特別の許可を得て、井の頭公園の使われなくなっている水泳プールの生き物調べです。

使用停止直後は金魚と少しの水草が入れてあっただけで、あとは何年も手付かずの状態のプール。そこにはどんな生き物の世界ができあがっているのでしょうか。

まず水面にはたくさんのアメンボがすいすいと動いているのが目にはいります。また目をこらすと水草や人工物などにヤゴの脱殻がたくさんついています。 さらに、水面上にはコシアキトンボ・シオカラトンボ・ショウジョウトンボ・クロイトトンボなど何種類かのトンボが飛び交い、縄張りを争ったり交尾産卵しているのが見られます。 それらを網などで捕っては、詳しく観察しました。ギンヤンマも飛んできたときは、子どもはもちろん、大人も興奮しました。

水中に網を入れてみると、飛び交うトンボたちの幼虫(ヤゴ)も何種類か見つかりました。特にオオヤマトンボのヤゴの大きさにはびっくりです。

また、簡単な水質検査もしてみました。透明度は井の頭池より高いようです。 汚れはひどいようですが、生活排水などからくる汚染物質は当然少ないようです。 また、水中には単純な植物プランクトンがほとんどであることもわかりました。

最後にかんさつ会が事前に仕掛けておいた餌入りの籠あみには、プールに入れられてあったほとんどの金魚が入っていて大笑い。 きっと、プールの中の餌は、金魚が満腹するほどには十分ではなかったのでしょう。

最近かんさつ会が外来種から保護するために入れたモツゴ(クチボソ)も元気に育っていることが確かめられました。

このような人工的で決して豊かとはいえない水辺にも、年月が経るにしたがって少しずつ生き物の種類も増え、より豊かな生態系が形作られていくのだということが確かめられたと思います。

(文章:高久)

第36回井の頭かんさつ会レポート

第36回井の頭かんさつ会

テーマ: 「生き物たちの神田川」


日時: 2008年6月28日(土)  午前10:00~12:00

場所: 神田川 親水域~丸山橋

集合: 午前9時50分 京王・井の頭公園駅前

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

  案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

 大原正子

佐藤 誠

高久晴子

 田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:33名


 レポート 

   さすがに今回は雨天になるかと覚悟していましたが、なんとまたまた雨は止み、予定通りのかんさつ会ができました。

井の頭公園駅前広場・公園入り口付近で集合後、神田川源流(ひょうたん池の神田川の流れ出す地点)に移動。そこで神田川について簡単に説明。

夕焼け橋からは、改修工事によって三面をコンクリートで覆われた神田川を左岸、右岸から観察して歩きました。

マコモ・キショウブ・ジュズダマ・ヒメガマ・オギ・ミクリ・クサヨシ・オオカワジシャ・セリ・トキワツユクサなどの植物が生い茂り、雛を連れたカルガモやオシドリ、ミシシッピアカミミガメやイシガメ、川から羽化してきたハグロトンボなどが見られ、このような場所でも20数年を経過するうちに多様な生き物が棲息するようになることがわかったと思います。

三角公園の親水域では希望者(スタッフ4名、参加者・大人3名、子供4名)が長靴を履いて川に入り、網で川底の生物を採取しました。

採取した生き物は、 アメリカザリガニ、アメンボ、カワニナ、シジミ貝、モノアライガイ、ガガンボの幼虫、ドジョウなど。

最後に川で採取した生き物をケースに入れて観察し、環境省による指標生物と照らし合わせ、神田川の水質階級の推定をしました。

参加者からは「楽しかった」「神田川の近くに住んでいながら、殆ど神田川のことを知らなかったので、とても勉強になりました。」「カモたちは池にいるものとばかり思っていましたが、神田川にも多くのカモがいることを知って驚きました。」などの感想が寄せられました。

(大原・高久)

第35回井の頭かんさつ会レポート

 

第35回井の頭かんさつ会

テーマ: 「初夏の樹木」  ―「グリーンアドベンチャー」をもっと楽しもう―


日時: 2008年5月25日(日) 午前10:00~12:00

場所:井の頭池畔「グリーン・アドベンチャー」コース

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

 佐藤 誠

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:17名


レポート 

雨天中止となったことのない井の頭かんさつ会でしたが、今回は無理かと思われるような悪天候。それでも17名の参加者が参集してくれて、その熱意にこたえるかのように雨も小降りとなりしました。そして、傘をさしながらでも、屋内講座よりは屋外観察の方がよいという参加者の希望 により、計画通り観察をスタートしました。

   グリーンアドベンチャーには50種の樹木が選ばれています。(残念ながらパネルが破損しているものが多々ありますが。)参加者には50種の樹木の名前の一覧表と見られる場所を記した地図を資料として配布し、樹木のナンバー順に、見て回りました。

一つ一つの樹木の幹や葉などの特徴をくわしく観察し、また、それぞれの植物に関連する昆虫等にも目を向け、さらに、グリンドベンチャーに含まれていない樹木や草花についても観察したので、今回は50種のうちの半分ほどまでで時間切れ終了。 残りはまた次の機会に行いたいと思います。

  このかんさつ会を通して、まず、井の頭公園にたくさんの種類の樹木があることがわかったと思います。また、名前は知っていても、その幹や葉の特徴が、どんな意味をもっているのか、その特徴を利用する昆虫や鳥たちとの関係などを改めて知ることができて、樹木を見る目が変わり、一層興味が増したのではないでしょうか。

(レポート:高久)

第34回井の頭かんさつ会レポート

第34回井の頭かんさつ会

テーマ: 「夏鳥探鳥会」


 日時: 2008年4月29日(火曜・祭日) 午前9:00~12:00

9:00~11:00 探鳥会

11:00~12:00 講座(屋内)

場所:井の頭池~御殿山~玉川上水~小鳥の森(探鳥会)

井の頭恩賜公園西園会議室(講座)

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

 高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原正子

高久晴子

佐藤 誠

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:39名

井の頭かんさつ会3周年記念親睦会(参加者:25名)


 レポート 

34回目の観察会は旬の季節移動中の夏鳥の観察をテーマにしました。

今は鳥類の季節移動の真っ盛り。この時期にバードウォッチングしない手はありません。

 今回は過去最高39人もの参加者を迎え、感謝感激でした。この4月で井の頭かんさつ会はちょうど3周年を迎えました。3年前の今頃、田中さんがカイツブリをテーマに最初の観察会を実施した頃はこんなに多くの参加者にこんなに多くのスタッフが対応するとは想像もしませんでした。

私たちがここまで来られたのは熱心な参加者の皆さまのおかげに他なりません。心から感謝いたします。 

   今季は夏鳥の出がぱっとしないのですが、幸いなことに不振が著しかったムシクイ類が昨日になって がばっと飛来して状況が良くなっていました。少なくともキビタキの声と姿を憶えて帰ってもらおうと思いました。

参加者を3手に分けて出発。双眼鏡の使い方のおさらいから、聴覚を研ぎ澄ますことなどをレクチャー。雑木林ではセンダイムシクイ、エゾムシクイの声はするものの、なかなか姿を観ることができませんでした。

  キビタキやオオルリもいるのですが、こちらは頼みのさえずりがありませんでした。

こんな感じで野外での観察はちょっと不完全燃焼でした。 

  屋内講座は会が現在外来種問題に取り組んでいる理由を説明し、夏鳥についてレクチャーし、最後に声を当てるクイズを実施しました。

会終了後は3周年を記念して野外で親睦会を実施。こちらも参加者スタッフ総勢25人が参加し盛況でした。皆が思い思いのおつまみを持ち寄って一杯。この時期野鳥観察もさることながら、外で飲み食いするのがとても気持ちいい時期です。皐月の風に吹かれながら自然談義に華を咲かせました。

(レポート:高野)

 

第33回井の頭かんさつ会レポート

第33回井の頭かんさつ会

テーマ: 「春のお花見~愛でながら観察~」


日時: 2008年3月23日(日) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭池~小鳥の森周辺

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

高久晴子

佐藤 誠

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:22名


レポート 

 例年より早いソメイヨシノの開花宣言を受けて、春爛漫のお花見日和。

まず、集合場所の目の前に咲く枝垂桜から始めて、コースを回りながら、 資料の写真にある25種の花を観て回りました。参加者はそのつど、小町指導員の案内に従って、 資料の写真に花の名称を書き込みながら、その花の特徴について説明を聞いたり、実際に試したりしながら確認していきます。

井の頭公園では、枝垂桜やソメイヨシノ以外にも、オオシマザクラ・カンヒザクラ・河津桜・大寒桜・小彼岸など多種ののサクラが見られるので、 サクラだけでも、その特徴(花が先に咲く・花と葉が同時など)や系統(野生種・園芸種)など多くのことを観察しながら確かめることができました。

また、ふだんは花としてあまり注目されないアカシデ・イヌシデ・カツラ・モミジ・アオキなどの花の様子も観察でき、花の多様性を感じ取ることができました。

一方、それぞれの花のつくりや花粉を運ぶしくみも詳しく観察できました。

例えば、ヒイラギナンテンの花は、楊枝やペンの先などで雄しべに触れると、雄しべが動いて花粉をポリネーター(花粉を運んでくれるパートナー)につける仕組みを持っています。 また、オオイヌノフグリの花は、自家受粉の後に花びらがポロリと落ちて、雌しべが残ります。 河津桜では、蜜を出す若い葉の蜜腺を探して、実際にその甘さを賞味してみました。

こうした花の仕組みを一層詳しく観るために、最後に実体顕微鏡を使ってカンヒザクラやアセビなどの花を詳しく観察しました。

今回の観察会では、花とポリネーターとの関連など、普通の図鑑には記載されていないような説明があり、 また、実際に花に触れて花のダイナミックな仕組みを観察したことで、花の美しさのみならず、 花が子孫を残すための戦略基地であることもうかがい知ることができ、花に対する関心が一層高められたのではないでしょうか。

(大原・高久)