第46回井の頭かんさつ会レポート

第46回井の頭かんさつ会

テーマ:「活動し始めた昆虫たち」


日時: 2009年4月19日(日) 午前10:00~12:00

場所: 小鳥の森・玉川上水周辺

集合: 午前9時45分 井の頭池ボート乗り場前広場

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

高久晴子田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員、)

大原正子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

佐藤 誠

大橋博資

杉浦 千愛

参加者:39名


レポート

春と言うより初夏を思わせるような日差しと気温の中、第46回かんさつ会は39名もの参加者を集め、定刻の 午前10時に井の頭池ボート乗り場前から始まりました。

まずイロハモミジやツルニチニチソウにつく アブラムシの観察です。普段は気にも留めないアブラムシですがそこには色々な生き物のかかわり合いが あります。アブラムシを食べるテントウムシが集まり、幼虫がアブラムシを食べるヒラタアブが 産卵に訪れ、ヒラタアブの幼虫やさなぎも見つかりました。また寄生バチに寄生されてミイラのように なったアブラムシなどもありました。

次に御殿山の梅林の下でスジグロシロチョウやキチョウ、そして春にしか見ることのできないツマキチョウ などシロチョウの仲間や長い触角がユーモラスなヒゲナガガ、美しく青光りするオサムシ、テントウムシに そっくりなイタドリハムシなどを観察しました。

最後は玉川上水の沿道と小鳥の森の周辺です。ここでは木の枝に擬態して隠れているナナフシや羽化した ばかりのヨコズナサシガメ、ノイバラに集まるキイロテントウなどを観察し、定刻に終了となりました。

2時間の短い時間でしたが、美しい昆虫を見るだけでなく昆虫たちがどうやって身を守り子孫を増やして 行こうとしているのか、それぞれの係わり合いはどうなっているのか、新たな興味を持っていただけた 観察会でした。

(レポート:佐藤)

 

第45回井の頭かんさつ会レポート

第45回井の頭かんさつ会

テーマ:「早春の野草~わき役たちの知恵」


日時: 2009年3月22日(日) 午前10:00~12:00

場所: 神田川ゆうやけ橋周辺

集合: 午前9時45分 京王井の頭線井の頭公園駅前

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

日置日出男

佐藤 誠

大橋博資

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原正子

高久晴子

杉浦 千愛

参加者:33名


レポート

今回も井の頭かんさつ会の(晴れ伝説)は生きていました。 雨予想50%、風も強まるというイヤーな予報にも負けずに! 「早春の野草~わき役たちの知恵」というテーマの第45回 井の頭かんさつ会が、総勢41名で楽しく行なわれました。

野草とひとくちにいっても、それぞれ名前を持ち、子孫を残す ための様々な素晴らしい知恵ー戦略を持っているのです。 今回のかんさつ会は草花の同定だけではなく、その素晴らしい 戦略をじっくりと観察しました。

4グループに分かれた参加者と案内人たちは、井の頭公園駅 から三角広場までの狭い地域で、4つのコースに分かれて、 細かく観察して廻りました。 地面に平らに広がり、太陽をいっぱいに受けて春を迎えるタンポポ などのロゼット葉、小さな花でしかもおしべが2本しかないのにも かかわらず、一面に広がって咲いているオオイヌノフグリ、花に虫が 止まるとおしべが自動的に現れて虫の体に花粉が付く仕掛けの マメ科の花々などなど・・・ 各案内人ごとのそれぞれ少しずつ内容の違った案内もまた味な ものでした。

終了時間と同時に待っていたかのように風雨が強くなった事も さすがかんさつ会という声が出るほど、充実した時間でした。

かんさつ会終了後、「手づくり郷土賞」の授章式にさんかし、 かんさつ会の田中代表のあいさつに大きな拍手をおくり、 楽しく充実した一日の締めくくりとしました。 参加者の皆様 お疲れ様でした。

(レポート:日置)

 

第44回井の頭かんさつ会レポート

第44回井の頭かんさつ会

テーマ: 「冬芽~樹木に潜む妖精たち


日時: 2009年2月7日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭公園周辺

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

大橋博資

参加者:41名


レポート

立春を過ぎた当日は、いかにもかんさつ会日和の春めいた好天気に恵まれました。

今回のかんさつ会の大きな特徴は、少人数制を採ったことです。参加者を六つのグループに分け、それぞれに案内役がついて、参加者が一つ一つの植物をじっくり観察しながら説明を聞くことができるように工夫しました。

観察予定の冬芽は25種。それぞれ実物を観察して特徴をつかみ、あらかじめ印刷された資料の写真と照合したり、名前を推測したりしました。また、「鱗芽」「裸芽」「葉痕」などの冬芽に関する用語を学び、これも実際にルーペなどを使って細かい部分まで観察して確かめました。

もう一つの楽しみは、樹木に潜む妖精を見つけることです。冬芽と「葉痕」の造形が、まるでおとぎ話に出てくるような人や動物を連想させ、その不思議さに思わず驚きの声があがります。

まるで枯れてしまったように見える樹木。しかしよく観察してみると、冬芽だけからも植物の名前がわかるほど個性豊かでした。樹木はこのように多様な戦略をもって冬越ししているのだということが、観察を通してよく理解できたのではないでしょうか。

(レポート:高久)

 

第43回井の頭かんさつ会レポート

第43回井の頭かんさつ会

テーマ: 「冬鳥探鳥会」


日時: 2009年1月18日(日) 午前9:30~12:00

場所:三角広場~ボート池南畔~第二公園~小鳥の森

(~松本訓導碑前~小鳥の森)

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原正子

佐藤 誠

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

大橋博資

参加者:39名(うち子供5名)


レポート

前日とうってかわって曇りの暗い探鳥会となってしまいました。でも、冬の公園はすっかり葉が落ちて、小鳥たちを観察するには絶好のチャンスです。

今回の探鳥会は、声によって冬鳥を探すことと真冬に必死に餌を探す鳥たちの行動を観察してもらうことがねらいです。冬は鳥のさえずりのない時期ですが、鳴き声はやはり鳥たちの存在に気付き、姿を見つける重要な鍵です。最初にこの時期に見られる鳥の声の録音を聞き、軽くウォーミングアップと復習。その声を耳に残して、三角広場からボート池畔、さらに第二公園から小鳥の森までを鳥たちを探しながら歩き、残ったわずかな実や種をつついたり、樹々にわずかにいる虫を探したりする鳥たちの姿や、地面に落ちた種をついばむ鳥たちの様子を観察しました。特にサワラの実をつつく黄色いカワラヒワ、ハンノキの実をついばむシメ、地面に降りてきてさかんに何かをついばむアトリは印象的でした。

観察できた鳥は、三角広場からボート池畔ではハクセキレイ、メジロ、シジュウカラ、ヒヨドリ、カワラヒワ、コゲラ、シメ、ウグイス(声のみ)、第二公園から小鳥の森ではムクドリ、ツグミ、アトリ、ルリビタキ、ワカケホンセイインコ。中・上級班では、さらに、エナガ、シロハラ、カワセミ、モズ、アオゲラ(声のみ)、カワウの飛翔。

また、観察会終了直後にジブリの森の運動場にイカルの群れ(30~50羽)が来て、まさしく一心不乱に残ったエノキの実をついばんでいる様子を観察することができ(解散後だったので、残念ながら全員ではありませんでしたが)、今回のテーマである「冬の鳥の行動」を目の当たりにしました。

(レポート:田中雅子)

 

第42回井の頭かんさつ会レポート

第42回井の頭かんさつ会

テーマ: 「生き物たちの時間割」


日時: 2008年12月20日(土) 午後3:30~5:30

場所: 井の頭池およびその周辺

集合: 午後3時15分 井の頭池ボート乗り場前

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:24名


■2008年忘年会■

日時: 2008年12月20日(土) 午後6:00~8:00

場所: 吉祥寺駅近くの店


レポート

今回のテーマは「生き物たちの時間割」。時間は昼と夜の狭間。鳥たちを中心に、昼間活動する鳥たちは夜へ向けてどんな動きをするか、夜行性の鳥たちはどんな動きをするのかを観察しました。

まず、七井橋中央で、夕暮れ前に見える鳥たち、ゴイサギ島の10余羽のゴイサギ、水面のカモたち、上空を横切ったり木々の周りで飛び回って見える小鳥たちを観察しました。

そうこうするうちに、コサギが1羽、2羽とゴイサギ島へ飛んできます。最終的には5羽のコサギが集まってきました。そして16:53、ついにコサギ5羽が一斉に塒入りの為に飛び立ち、お茶の水西岸に向かって飛んで行くのを観察。 すかさずコサギを追って全員でお茶の水西岸へ塒探しに行き、樹木の高い所に2羽の塒を発見しました。

一方、じっとしていた夜行性のゴイサギたちは、暗くなるにつれ、少しずつウォーミング・アップを始め、やがてクワッと大きなシワガレ声をあげながら2羽、3羽と暗くなった水面上空を飛んでいきました。全部で12羽ものゴイサギが昼間は藪の中に身を潜めていたこともわかりました。

暗い空を数羽ずつカモたちが飛んでいくのに気づいた人もいたと思います。

その一方で、だんだん日が沈み、空が薄暗くなってきた時、参加者の1人が一番星(金星)を見つけました。暫く後には二番星(木星)も見つけることができ、空が真っ暗となったころには、スコープを使って、金星が欠けている様子や、木星の衛星を観察することができました。その他ベガ、デネブ、アルデバラン、カペラなどの星も肉眼で見ることができ、スバルは双眼鏡で見ることができました。

七井橋の南端の芦島付近ではオオバンが塒入りしているところも観察しました。 また、終了後、希望者だけですが、忘年会開催の為に吉祥寺駅方面に向かい、駅前の街路樹をたくさんのセキレイが塒としている様子を観察することもできました。

夕刻の鳥たちの普段あまり気づかない様子を観察できて、鳥たちの暮らしぶりがいっそう身近になったのではないでしょうか。

忘年会は一般参加者17名とスタッフ7名の計24名で楽しく盛り上がり、今年最後の井の頭かんさつ会の行事を締め括りました。

(レポート:大原・高久)

第41回井の頭かんさつ会レポート

第41回井の頭かんさつ会

テーマ: 「生き物と季節」


日時: 2008年11月29日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭池~御殿山~小鳥の森

主催: 井の頭かんさつ会

後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:27名


レポート

日本には四季があります。そこで暮らす生き物たちはそれぞれの季節と折り合いながら、あるいは季節を利用しながら生きています。今回のかんさつ会は、季節への対応という観点で生き物たちを見直してみようというテーマです。

まず、井の頭の池を見ました。夏に見られたツバメなどの鳥は見られなくなり、かわりに冬鳥たち(オナガガモ・キンクロハジロたち)が多く見られるようになってきています。また、一年中見られる鳥(カルガモなど)もいます。鳥たちは、なぜ、移動したり留まったりするのか、そのわけを考え、季節に対応して暮らす鳥たちの生き方に思いを馳せました。

森では、冬鳥のルリビタキ・ジョウビタキ・キクイタダキなどの小鳥が見られたグループもありました。

植物たちはどうでしょうか。落葉したり、紅葉したりする木々、実をつけて次の世代をつくる木々が目に付きます。その中で、サザンカやヤツデは花の盛りを迎えて、一際目立っていました。

ヤツデの花をよく観察してみると、雄しべだけが伸びている花と、雌しべだけが伸びている花がありました。ヤツデは雌雄同花で、時間差をつけて雄花から雌花へ変わっていく花です。見るとハエやアブがたくさん集まってきていました。初冬に咲くことによって虫たちを独占して花粉を運ばせていることがよく観察できました。

昆虫たちはどうでしょうか。カラスウリの葉には、トホシテントウの幼虫がついていました。また、ヨコヅナサシガメ(カメムシ)の幼虫が、木の洞で身を寄せ合って集団越冬しているのも見られました。その外、成虫で越冬するカメムシたちや、卵で越冬するジョロウグモも見つかりました。虫たちが、それぞれ、種類によって違うライフスタイルで季節に対応している様子が観察できたのではないでしょうか。

かんさつ会終了後、前回できなかった親睦会を、西園の芝生広場で行いました。それぞれがもちよったお弁当を広げて、和気藹々の楽しいひと時が過ごせたと思います。

(レポート:高久)

第40回井の頭かんさつ会レポート

第40回井の頭かんさつ会

テーマ: 「秋の樹木」  ―「グリーンアドベンチャー」をもっと楽しもうPARTⅡ―


 日時: 2008年10月26日(日) 午前10:00~12:00

場所:井の頭池畔「グリーン・アドベンチャー」コース

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

佐藤 誠(井の頭バードリサーチ)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:28名


レポート

開始前に雨がちらつき、雨天プログラムなどのことで一瞬 ヒヤリとしましたが10時前には雨も上がり予定通り観察会 がスタートしました。

今回は5月のかんさつ会で半分しか回れなかったグリーン アドベンチャーコースの後半部分を回り、樹木の観察を おこないました。

植物観察の基本である葉の形、鋸歯の有無、 葉のつき方、樹形、樹皮、実や種などを眼で観察するだけで なく、ムクノキやエノキの実を食べてみたり、葉や樹皮を さわってみたり、カツラの落ち葉やナワシログミの花のにおい をかいでみたりしながら5感を使った観察を楽しみました。

また、グリーンアドベンチャーのコースを少し外れて、 オニグルミやハクウンボク、エゴノキに実がたくさんついている のを観察したり、ハゼノキやニシキギが少し紅葉し始めているの を観察したりして秋が徐々に深まりつつあるのことも実感しました。

(レポート:佐藤)

 

第39回井の頭かんさつ会レポート

第39回井の頭かんさつ会

テーマ: 「渡りの夏鳥を探せ!2008秋」


 日時: 2008年9月23日(火・祝日)

探鳥会    9:30~11:00頃

屋内講座  11:00~12:00頃

集合: 9:15 井の頭池ボート乗り場前

観察場所:井の頭池~小鳥の森

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:45名


レポート

 9:15にボート乗り場前で受付を開始。スタッフの挨拶後、参加者を3班に分けました。①「マニアック班」 ②「中級班」 ③「子供たちを中心とした班」の3班に各自の希望で分かれました。

まずは各班とも双眼鏡の正しい使い方を学び、池にいるコサギやカワセミなどを双眼鏡で見て実践しました。 ・ 七井橋上で暫く水鳥を観察し、ゴイサギ藪の裏側を経て池畔を歩きながらさらに観察を続け、御殿山へ森林性の鳥を探しに向かいました。 ・ 訓導碑前では「シジュウカラの混群の中から夏鳥を探す」という実習をしましたが、残念ながらシジュウカラの群れが少なく、目的を充分に達することは出来ませんでした。一方、エナガの群れに混じっていたムシクイが目に留まりました。

小鳥の森へ向かう途中、アオムシを食べているヤマガラを見ることが出来ました。  小鳥の森では、鳥観ポイントの通称「枯れ木」に止まっているコサメビタキを垣間見、観測井付近のポイントにいるキビタキをカメラに収めた参加者もいました。

探鳥会終了後、井の頭地区公会堂にて高野指導員による「井の頭公園野鳥観察講座」(室内講座)を行いました。「夏鳥とは」「渡りにおける井の頭公園の位置づけ」「3年間の秋の渡りの記録」「カモの雌雄識別」などをスライドを駆使して解説しました。

あっという間の2時間半でしたが、まだまだ鳥を見たいという気持ちを残して観察会を終了しました。

今回は定員をいつもより10名多い40名としましたが、満員御礼でお断りしなければならない申込者も何人かでました。テーマの「鳥」が如何に多くの人々心を惹きつけるかを物語っているように思います。

井の頭公園の魅力の一つが「鳥」であり、その鳥を招くのが緑の多い、またエサとなる虫等も沢山いる豊かな自然なのですから、井の頭の貴重な自然を保全することが人々の心を豊かにすることに繋がるのだと思います。私たちはその為に観察会を通じて多くの方たちへの自然への理解を深める活動をしていくことが重要であると感じました。

今回の開催日はネイチャー☆プログラムの「武蔵野三鷹自然祭」に当たるよう設定し、午後はその一環として「ミニ探鳥会」を3回催しました。定員オーバーでやむを得ずお断りした方々はこの「ミニ探鳥会」に参加してくださり、一日を通して多くの方々に野鳥を観る楽しみを味わっていただけたと思います。

(レポート:大原)

第38回井の頭かんさつ会レポート

第38回井の頭かんさつ会

テーマ: 「夏の夜をもっと楽しもう」


 日時: 2008年8月23日(土)  午後6:30~8:30

場所:井の頭公園

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子(井の頭かんさつ会事務局長)

佐藤 誠

高久晴子

田中雅子(NACS-J自然観察指導員)

日置日出男

参加者:25名


レポート 

  残念ながら当日は、かんさつ会始まって以来初めての雨天。やむを得ず室内での雨天プログラム講座でスタートしました。

まず、田中による夜の井の頭公園の「夜の生き物たち」講座。樹液に集まる昆虫たち、夜行性の生き物、夜咲くカラスウリの花、夜の池の魚やエビの様子、そしてセミの羽化の連続写真などをスライドで紹介。その撮影に纏わる苦労話も披露されました。

次いで、小町指導員によるセミについての講座。日本で一番小さいセミ(イワサキクサゼミ)の標本を見たり、セミの抜け殻の識別法について解説。

そして、井の頭公園などであらかじめ採取しておいた百数十個のセムの脱殻を、参加者みんなで識別し、アブラゼミ・ミンミンゼミ・ヒグラシ・ツクツクボウシ・ニイニイゼミに分類してみました。

折りしも、雨が小降りになり、野外講座に切り替えることになりました。

屋外に出てみると、夜咲く花、カラスウリも咲いていました。雨の中でも、数は少なくてもセミが羽化していました。また、カブトムシさえ見られました。

このように、よい天候ではない夜でも、いろいろな生き物がせいいっぱい活動している様子が見られ、それもまた自然を知るよい経験になったと言えるのではないでしょうか。

かんさつ会に引き続き、希望者とともに親睦会を行い大いに盛り上がりました。

(レポート:高久)

第37回井の頭かんさつ会レポート

第37回井の頭かんさつ会

テーマ: 「プールの生き物たち」


   日時: 2008年7月27日(日)  午前10:00~12:00

場所:井の頭公園・西園プール

集合: 午前9時50分 西園事務所(テニスコート受付)前

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

日置日出男

参加者:37名


レポート 

 今回の観察会は、特別の許可を得て、井の頭公園の使われなくなっている水泳プールの生き物調べです。

使用停止直後は金魚と少しの水草が入れてあっただけで、あとは何年も手付かずの状態のプール。そこにはどんな生き物の世界ができあがっているのでしょうか。

まず水面にはたくさんのアメンボがすいすいと動いているのが目にはいります。また目をこらすと水草や人工物などにヤゴの脱殻がたくさんついています。 さらに、水面上にはコシアキトンボ・シオカラトンボ・ショウジョウトンボ・クロイトトンボなど何種類かのトンボが飛び交い、縄張りを争ったり交尾産卵しているのが見られます。 それらを網などで捕っては、詳しく観察しました。ギンヤンマも飛んできたときは、子どもはもちろん、大人も興奮しました。

水中に網を入れてみると、飛び交うトンボたちの幼虫(ヤゴ)も何種類か見つかりました。特にオオヤマトンボのヤゴの大きさにはびっくりです。

また、簡単な水質検査もしてみました。透明度は井の頭池より高いようです。 汚れはひどいようですが、生活排水などからくる汚染物質は当然少ないようです。 また、水中には単純な植物プランクトンがほとんどであることもわかりました。

最後にかんさつ会が事前に仕掛けておいた餌入りの籠あみには、プールに入れられてあったほとんどの金魚が入っていて大笑い。 きっと、プールの中の餌は、金魚が満腹するほどには十分ではなかったのでしょう。

最近かんさつ会が外来種から保護するために入れたモツゴ(クチボソ)も元気に育っていることが確かめられました。

このような人工的で決して豊かとはいえない水辺にも、年月が経るにしたがって少しずつ生き物の種類も増え、より豊かな生態系が形作られていくのだということが確かめられたと思います。

(文章:高久)