第37回井の頭かんさつ会レポート

第37回井の頭かんさつ会

テーマ: 「プールの生き物たち」


   日時: 2008年7月27日(日)  午前10:00~12:00

場所:井の頭公園・西園プール

集合: 午前9時50分 西園事務所(テニスコート受付)前

主催:井の頭かんさつ会

後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:

田中利秋(NACS-J自然観察指導員)

小町友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)

高野 丈(NACS-J自然観察指導員)

大原正子

佐藤 誠

高久晴子

日置日出男

参加者:37名


レポート 

 今回の観察会は、特別の許可を得て、井の頭公園の使われなくなっている水泳プールの生き物調べです。

使用停止直後は金魚と少しの水草が入れてあっただけで、あとは何年も手付かずの状態のプール。そこにはどんな生き物の世界ができあがっているのでしょうか。

まず水面にはたくさんのアメンボがすいすいと動いているのが目にはいります。また目をこらすと水草や人工物などにヤゴの脱殻がたくさんついています。 さらに、水面上にはコシアキトンボ・シオカラトンボ・ショウジョウトンボ・クロイトトンボなど何種類かのトンボが飛び交い、縄張りを争ったり交尾産卵しているのが見られます。 それらを網などで捕っては、詳しく観察しました。ギンヤンマも飛んできたときは、子どもはもちろん、大人も興奮しました。

水中に網を入れてみると、飛び交うトンボたちの幼虫(ヤゴ)も何種類か見つかりました。特にオオヤマトンボのヤゴの大きさにはびっくりです。

また、簡単な水質検査もしてみました。透明度は井の頭池より高いようです。 汚れはひどいようですが、生活排水などからくる汚染物質は当然少ないようです。 また、水中には単純な植物プランクトンがほとんどであることもわかりました。

最後にかんさつ会が事前に仕掛けておいた餌入りの籠あみには、プールに入れられてあったほとんどの金魚が入っていて大笑い。 きっと、プールの中の餌は、金魚が満腹するほどには十分ではなかったのでしょう。

最近かんさつ会が外来種から保護するために入れたモツゴ(クチボソ)も元気に育っていることが確かめられました。

このような人工的で決して豊かとはいえない水辺にも、年月が経るにしたがって少しずつ生き物の種類も増え、より豊かな生態系が形作られていくのだということが確かめられたと思います。

(文章:高久)