第137回井の頭かんさつ会
■タイトル:「クモ―その神秘な世界をのぞく―」
■実施年月日: 2016年9月17日(土)10:00~12:00
■参加者数 一般参加者 16名(大人12名、子ども4名)
案内人 井の頭かんさつ会スタッフ10名
■実施場所: ボート乗り場前(集合)→ 弁天池北岸 →お茶の水手前
→御殿山 →玉川上水 → 小鳥の森(解散)
■実施レポート (作成:第137回企画担当 佃 和夫)
今回は2度目、2年ぶりのクモをテーマの観察会でした。都合で2班だけの編成にせざるを得なくて普段よりは少なめ、参加者は3名の欠席者を除き16名でした。
幸い好天に恵まれ、様々なクモに出会えました。まずオープニングでクモの体や雌雄の見分け、網の様々など観察に必要な基本事項をごく短時間で解説してから出発しました。
ギンメッキゴミグモの銀色に輝く背中(腹部)と精巧で美しい円網に目を見張る参加者が多かったです。網のいろいろなタイプすなわち縦の正常円網、水平円網、一見でたらめのようで、実は巧妙な仕掛けの不規則網、ヒラタグモの受信アンテナつき網のなどを見ていただきました。観察のかたわら誤解されることが多い。本当のクモの生態を解説し、クモが農業益虫としても活躍していること、なども実物を見ながらおはなししました。
観察できたクモのうち主なものは、ジョロウグモ、
ズグロオニグモ、ギンメッキゴミグモ、
アシナガグモ、シロカネグモsp、ヨツテゴミグモ、
コガタコガネグモ、
ウズグモ(以上は円網を張るクモ)、チリイソウロウグモ、シロカネイソウロウグモ(以上は円網に居候)、ヒメグモ、オオヒメグモ、クサグモ、コクサグモ、(以上は不規則網や棚網)ジグモ、キシノウエトタテグモ(以上は地中性のクモ)受信糸網のヒラタグモ、条網を使うオナガグモおよび徘徊性のハエトリグモの仲間も数種類やササグモも見ることができました。
クモというと普段は何となく遠ざけていたり、嫌っている人が多いようです。しかし何人もの参加者が目から鱗で誤解が解けたと述べられ、この観察会によってクモのよき理解者になって頂けたことと思います。そしてクモの巣はクモが蚊やハエを捕らえてくれる道具であり、それがあることは「だらしないこと」や「汚れ」の象徴ではなく風景の一つと理解いただけたと思います。