第148回井の頭かんさつ会レポート

第148回井の頭かんさつ会

タイトル 夜のいきもの

■実施年月日 2017年8月12日(土)18:30~20:30

■参加者数  一般参加者 35名(大人21名、子ども14名)

案内人 井の頭かんさつ会スタッフ9名+保全活動班3名

■実施場所: ボート乗り場前(集合)→七井橋 →お茶の水池北岸 →野草園 →御殿山→玉川上水 →第二公園(解散)

■実施レポート

8月恒例の夜の観察会は今年も大人気です。ホームページとポスターと知人の紹介だけの告知でしたが、2日で定員に達しました。4つの班に分かれ、班ごとに違う色のライトリング(発光する腕輪)をつけて出発です。(ライトリングは7歳以上対象の商品のため、未就学のお子さんには夜光塗料のシールを貼った首かけ飾りをお渡ししました。)

ボート乗り場からスタートして七井橋に移るとじきに暗くなります(当日の東京の日没は18:34)。コサギがねぐらに戻る一方で、ゴイサギが活動を始めるという、生き物の昼夜の交代が見られました。

足下の橋の欄干ではズグロオニグモが網を張って獲物を待ちます。網を張る途中のクモや張りたての網を見ることができました。張りたての網は綺麗な円形で、霧吹きで水をかけるとその美しさがよくわかります。

開始前から保全活動班のスタッフに水面をライトで照らしてもらうと、ミジンコなどプランクトンが光に引かれて集まってきました。水面に映るライトの光の中に小さな動く粒が見えると、参加者から歓声が上がりました。プランクトンが集まったところで水を掬って観察すると、光に照らされて動くケンミジンコがたくさん見られました。子ども大人も初めて見る人が多く、見入っていました。

暗くなるとアブラコウモリが飛び回り始める時刻ですが、今年はバットディテクターの反応も無く、ほとんど見られませんでした。

夜に花が咲くカラスウリは注目の観察対象ですが、他の木々を覆ってしまう雑草です。公園事務所に今回の観察会のためにカラスウリを除草しないでいて頂いたため、きれいな花を観察できました。夜に咲くので知らない参加者も多かったですが、レースのような繊細で美しい花をみんなで観察しました。

カタバミの就眠運動といった、昼夜で変化する植物も観察しました。

観察最後の山場は御殿山や第二公園でセミの羽化観察です。今年は羽化するセミの数も申し分無く、野口雨情歌碑近くの木柵にも羽化場所を探す幼虫がたくさん見つかりました。道を歩く幼虫を木の幹に移動させてあげる参加者もいて、微笑ましいものでした。御殿山でも玉川上水脇でも第二公園でも多くの羽化を観察でき、時間がもっと欲しいぐらいでした。

コース途中の玉川上水脇の道では、ライトを消して暗がりを体験しました。街灯に照らされた夜しか知らない子供たちは怖々、大人でも少し怖いぐらいです。生き物ではないですが、子供にとって暗がりを体験する良い機会になったと思います。

 

====・・・・====

今回も小さなお子さんが多く、夜の井の頭公園が初めてという人が多かったです。夜に見られるものを観察するだけでなく、昼と夜とでは何が違うのか、生き物にとってどういう影響があるのかを一緒に考えました。後半で、なんでセミは夜に羽化するのかなと聞くと「敵が少ないから!」と元気な答えが返ってきて、嬉しかったです。

大人でもカラスウリの花をしっかり見たことがある人は少なく、様々な公園の自然の姿を体験してもらって良かったです。

====・・・・====