第87回井の頭かんさつ会
「夜の井の頭で自然探訪~ナイトウォッチング」
日時:2012年8月11日(土) 18:30~20:30
場所:井の頭公園
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所
集合:午後6時15分 井の頭池ボート乗り場
案内:上村 肇
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
参加者:49名
親睦会
日時:2012年8月11日(土) 21時~
会場:夷ビアホール吉祥寺
参加者:20名
レポート
今回のかんさつ会は毎年恒例の夜の井の頭公園での自然観察でした。
例年親子の参加が多く、子供が中心の賑やかなかんさつ会ですが、今年も例に漏れず35名の定員に対し、50名を越す参加希望が寄せられ、早めに満員御礼で募集を打ち切らざる終えない程で、残念ながら参加を諦めた方も出たようです。 当日は大気が不安定で雷雨の予報が出る中、夕刻になるにつれて雲が厚くなり集合時刻にはポツポツと雨が降り出す生憎の天気となりました。 天候が悪化する中、欠席者がどれだけでるかが心配されましたが、ほとんど全ての参加者が集合時刻前にボート乗り場前に集まり、キャンセル待ちを申し出られた方も何とか3名の方にご参加いただけました。
スタート時刻には傘が無いとしのげない位の雨となり、先が思いやられる中全員でボート乗り場を出発しました。狛江橋を渡って第一のポイントで、カラスウリの花の開花を観察しました。カラスウリの花を見たことのない参加者も2割くらいいて、暗くなってから開花する花の不思議やその姿の美しさに驚きの声を上げていました。曇りの時間が長く雨も降ってきたため、花の開花も進んでおりきれいな網状の花を見ることが出来ましたし、正に瓜そっくりの可愛い実も確認できました。そうこうしている内に辺りはすっかり暗くなり、誰かがこうもりが飛んでいることに気づき、場所をそのままにこうもりの観察に移りました。薄暗い小雨の空に小さなこうもりがひらひらと舞っているのに始めてこうもりを見た参加者が、井の頭にもこうもりって居るんですねと感心しきりでした。バットディテクタを使ってこうもりの出す音を聞き、特殊な能力の説明に再び驚きの声が上がっていました。
次の観察ポイントへの移動中も小雨とはいえアブラゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシが数多く鳴いており、夏の夕暮れの雰囲気をかもし出していました。目線が低く眼の良い子供たちが途中でセミの幼虫が歩き回っているのを発見し、立ち止まって観察が始まりました。それを繰り返すうちに全体で移動していた参加者が幾つかのグループに自然と分かれ、10人ほどの班で行動することになりました。
次のポイントはピンオークの林で樹液に集まる虫たちを探しました。すると運よくオスのカブトムシが発見され、多くの参加者で写真撮影会となりました。連れて帰りたいという子供たちに自然の虫たちの大切さを説明してわかってもらいました。
玉川上水から小鳥の森の脇の暗闇では手持ちのライトだけが頼りで、その小さな光の輪の中で各自が生き物探しを行いながら移動しました。残念ながらあまり多くの発見は出来ませんでしたが、時には見つけた虫がゴキブリだと説明され小さな悲鳴を上げる場面もありました。
最後の第2公園では、事前に仕掛けておいたライトトラップに群がる虫たちを観察しました。白布にブラックライトや蛍光灯を当てて光に集まる虫たちを観察しました。また第2公園はセミの羽化の観察ポイントとして毎年訪れている場所です。毎年あちこちでこれから羽化するために木を登っているアブラゼミやニイニイゼミの幼虫が見られるのですが、今年は見つけるまでに少し時間がかかりました。流石に大勢の眼で公園中を探すと今まさに殻から出終わるところというタイミングを幾つか発見し、わくわくしながら皆で見つめました。特に高さ2m程の枝先でミンミンゼミとアブラゼミが同時にその時を向かえてイナバウアーの競演となったところで、ほぼ同時に抜け出たときには大きな歓声が沸き起こり、本日最後の大イベントとなりました。
終わってみると、いつの間にか雨は止んでおり充実したかんさつ会となっていました。
かんさつ会終了後、恒例の納涼親睦会が吉祥寺駅前の夷ビアホール吉祥寺で行われ、アルコールでのどを湿らせながら交流を深めました。自己紹介という名の自己アピールタイムでは一人ひとりの個性があふれ出ていて和やかな時間となりました。
(レポート:上村、写真:高野)