第151回井の頭かんさつ会
■タイトル 紅葉と落ち葉
■実施年月日 2017年11月26日(日)10:00~12:00
■参加者数 一般参加者 27名(大人21名、子ども6名)
案内スタッフ 12名
■実施場所 ボート乗り場前(集合)→七井橋 →お茶の水池北岸 →野草園 →御殿山 →松本訓導碑付近
■実施レポート (作成:第151回企画担当 村上 健太)
例年12月上旬にイロハモミジが色づくので、計画段階では11月下旬の実施では早過ぎるかとも心配しましたが、今年は11月に急激な冷え込みもあり、当日はイロハモミジの紅葉が真っ盛りで絶好の“紅葉狩り”日和でした。
ボート乗り場前からスタートしました。まずは落ち葉の基本として、木が葉を落とす理由(又は落とさない種類がある理由)としくみ、色が黄や赤に変化するしくみを解説しました。その後に、今回のかんさつ会では仕組みを理解する他に2つのテーマで葉を見るという話をしました。1つは木々の紅葉/黄葉にもいろいろなパターンがあること、いろんな葉の形があることを見て楽しむというもの。もう1つはサクラやケヤキなどキザギザ(鋸歯)があって細長い木の葉の見分けられるようになることです。
ボート乗り場前にあるソメイヨシノで参加者に赤くなった葉を示して問いかけました。普段から井の頭公園に来ている人でも、花の時期以外には桜を葉では見分けられませんでした。
今回の見分けを覚えてもらおうと思った木は、ほとんどが井の頭公園では本数が多い木や日常生活でも接することの多い木(ソメイヨシノ、コナラ、ケヤキ、エノキ、アキニレ)などで、かんさつ会が終わった後でも違いに気づけると嬉しいものばかり。1つ1つの特徴と見分けポイントを説明すると、参加者は似た他の木と違いを見比べていました。野口雨情歌碑付近ではエノキとムクノキの見分け、御殿山ではイヌシデとアカシデの見分けを皆楽しそうにしていました。形だけでなく、触った感じや光沢の有無などに注目して見分ける参加者もいて、それぞれに観察を深めていました。
形以外で落ち葉を楽しむという点については、シナマンサクの葉を触って、ふかふかな毛をずっと触っている方や、甘い香りのするカツラの葉が気に入った様子の参加者もいました。
ゴール近くの松本訓導碑付近のトウカエデでは黄色い葉と赤い葉まだ緑の葉もあり、色の違いを楽しんでいました。
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今回は落ち葉という渋いテーマであったためか、大人のみの参加が多かったので、単に紅葉を楽しむだけでなく、そのしくみや葉の形の詳細な見分け方、落ち葉の自然界での働きも理解して頂こうと思いました。大人であれば、理解が進めば進むほどにもっと自然を好きになってくれると思うからです。
特に落ち葉の働きについては配布資料にも記載して、「落ち葉は無駄なものではなく、生態系での物質循環の一部であって、公園においても木の根元に寄せるなどして土に還らせるのが良い」と説明しました。私の担当したグループは大人のみのグループだったため、皆さんちゃんと話しを聞いてくれて、落ち葉の大切さを知っていただいたようでした。ある参加者の方は「落ち葉をはかないほうが良いんですか?」と質問をいただいたので「公園では通行の邪魔になる落ち葉は移動したほうが良いですが、それでも分解されて土に還るものなので、通路からは除けて木の根元の土の上に移動するのが良い」と説明しました。参加者が公園の生態系を理解して、自然豊かな井の頭公園を愛してくれることを願います。
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