第134回井の頭かんさつ会レポート

第134回井の頭かんさつ会

テーマ:変形菌 ふしぎな生きもの

■開催日時:2016年6月26日(日)9:00~11:30

■参加者数:一般参加者 31人(大人23人、子ども8人)

スタッフ 11人(外部協力者2人を含む)

 

■場所:自然文化園分園前~弁天池畔~井の頭地区公会堂~井の頭第二公園~小鳥の森

 

■実施内容:(作成:第134回企画担当 高野 丈)

変形菌類の観察と入門講座を実施しました。

最初に弁天池畔で観察し、ウツボホコリ、シロウツボホコリ、クモノスホコリ、シロエノカタホコリを観察するグループと、ツツサカズキホコリが群生しているのを観察するグループに分かれ、ローテーションしました。最初に実物に触れておくことで、そのスケールの小ささや、野外でどんな感じで出ているかを実感してもらいました。

井の頭地区公会堂へ移動し、パワーポイントを使って、変形菌はどういう生物かをレクチャーしました。「菌」とついても、菌類や細菌とは分類も生活史もまったく異なる生きものだということがポイントでした。

レクチャー後、第二公園へ移動し、観察を実践しました。落ち葉がたまっている個所を中心に探し、参加者自身で見つける楽しさを体験してもらいました。シロエノカタホコリ、ガマグチフクロホコリ、キミミズフクロホコリ、ホネホコリ、バークレイホネホコリ、シロジクキモジホコリや種不明の変形体が次々に見つかり、参加者は一様に喜んでいました。

後半は小鳥の森で観察。ヒメカタホコリ、コシロジクキモジホコリ、褐色のサカズキホコリ、外部協力者でもすぐに同定できない不明種などが追加で見つかり、虹色の光沢がある人気種、ジクホコリを最後に観察して終了時間を迎えました。

本企画では、ふしぎな生きものである変形菌が身近にたくさんいることを知ってもらい、自身で発見する喜びを体験してもらうことがねらいでしたが、実践できたと思います。また、色形がおもしろく、小さいので非日常に感じるかもしれないが、変形菌を観察することは決してマニアックな趣味ではなく、生態系の中で分解者を捕食してバランスをとっている重要な役割のある生きものを知るこということをお伝えしました。楽しみながら、生態系を実感する。それが実践できたと考えています。