第25回井の頭かんさつ会
『在来種と外来種(外来種の調査捕獲観察)』
開催日:2007年7月22日日曜日
時間:10:00~12:00
場所:井の頭公園
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所
協力:NPO生態工房
案内:田中利秋(自然観察指導員)
小町友則(自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(自然観察指導員)
大原正子(事務局長)
佐藤 誠
高久晴子
田中雅子(自然観察指導員)
協力・案内:佐藤方博(NPO生態工房)
参加者:28名+飛び入りの方々数名
レポート
今の井の頭池は、人間によって持ち込まれた動植物、いわゆる「外来種」で満ちています。その影響で昔からそこに棲んでいた「在来種」は追い詰められています。井の頭池を、水が澄み、水草が茂り、生き物がいきいきと暮らす池に戻すには、何とかしなければならない大事な問題のひとつです。そこで今回のかんさつ会のテーマは「在来種と外来種」とし、井の頭池の動植物を「在来種」と「外来種」という観点で観察しました。
かんさつ会は「これは外来種?在来種?」ゲームから始まりました。これにより「外来種」とは何かを理解し、さらに七井橋からお茶の水橋まで歩きながら主に池の動物を観察しました。たくさんの外来カメがいることが確認できました。
最後にお茶の水橋で、今回のかんさつ会の最大の関心事である捕獲調査の結果を観察しました。これは外来カメや外来魚の調査と駆除に活躍しているNPO「生態工房」の協力を得て実現しました。
お茶の水橋で前日に池に仕掛けたトラップの説明を受け、捕獲した池の動物の観察をしたところで、外来種であるミシシッピアカミミガメ(子ガメがお祭りの縁日等でミドリガメと称して売られている)の多数の捕獲に参加者一同の驚きがあがりました。在来種はクサガメが捕獲されましたがその数はアカミミガメの約5分の2程度でした。
魚類はトラップの場所が悪かったのか、目視では多くの外来種が確認されているにもかかわらず、わずかな数でした。それでも外来種のオオクチバス及びブルーギル、在来種のモツゴ(クチボソ)とスジエビを観察することができました。なお、かんさつ会終了後に解剖したブルーギルは卵を持っておりブルーギルが井の頭池で繁殖していることをうかがわせるものでした。
28名という参加者数の多さからも外来種に対する関心の高さが伺われましたが、参加者の皆さんには井の頭池にはどんな外来種が棲んでいるのか、それはどうやって池へやってきたのか、どうしてこんなに増えたのか、そして、この問題を解決するにはどうすればよいのか、などを考えてもらえたと思います。
(田中雅子)