第21回井の頭かんさつ会レポート

第21回井の頭かんさつ会

テーマ:『春を迎える植物たち』  

 

開催日:2007年3月18日日曜日

時間:10:00~12:00

場所:三角広場~井の頭池

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:21名


 第19回の樹木の冬越し(冬芽)の観察に続き、今回は野草の冬越しとその後の成長です。冬芽は樹木が冬を越すために作るもので、その中では春が来たら生長を開始するための準備が整えられています。野草も同様で、それぞれの種類がそれぞれの流儀で冬を越し、春を迎えます。野草を中心に、植物たちの冬越しとその後の生長のタイプのいろいろに迫ってみました!

公園の三角広場から足元の雑草を見てみると・・・、タンポポやオオバコだけでなく、「ロゼット」という生育型で冬を越すヒメジオン、ハルジオン、ナズナなど多くの植物が見られました。同じ種類でも、この時期にまだロゼット上で冬ごもりの状態のもの、既に茎を伸ばしているもの、花が咲き始めているものなどいろいろの時期のものが見られました。このように一斉に咲かないことも生き残るための戦略と理解できました。

さて、ロゼットの下の根はどうなっているか?根元を掘って根のようすも見てみました(公園管理事務所の許可をいただいて掘りました)。タンポポとヨウシュヤマゴボウの根元を掘ってみましたが、どちらも途中で切れてしまいました。せっかく掘ってくれた小学生の参加者には残念でしたが、実に深く長くはっていることがわかりました。

さらに、三角広場から井の頭駅の方面まで歩き、ロゼット型にならないいろいろな生育型(ほふく型、つる型、等々)の植物とその生育場所も観察しました。

いよいよ春。ロゼットがこれからどのように成長していくか?ロゼット以外のものは?

参加者の皆さんに、新たな楽しい植物観察のテーマが加わったことと思います。

(田中雅子)

 

第20回井の頭かんさつ会レポート

第20回井の頭かんさつ会

テーマ:『冬鳥探鳥会』

 

開催日:2007年2月17日

時間:8:00~12:00

場所:井の頭池周辺~小鳥の森

主催:井の頭かんさつ会

案内:高野 丈(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

田中利秋(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:18名


恒例の秋の渡りの観察会を実施しました。渡りには波があるので日程の設定にいつも頭を悩ましますが、どんなに綿密に分析しても決して予測は不可能で鳥運次第ということになります。当たり外れは鳥屋の常、の精神で臨むのが正解です。 かんさつ会は七井橋で解説中にカイツブリの雛がゴイサギに捕食されるというショッキングな出来事から始まりました。ショックではありますが、これが現実であり、この厳しい野生の営みを参加者全員で目の当たりにしたことは貴重だったと思います。さて次に驚いたのはオナガガモの数です。未だカモ飛来の初期であり、前日まではぱらぱらとしかいなかったものが突如増えていたのに驚きました。 前日まではオオルリやキビタキがコンスタントに出ていたのですが、この日は風が強いせいか全体に鳥の動きが低調でしたが、キビタキ雌や今季多いカケスを確認することができたのは幸いでした。

観察会終了後はキャンティ・セッテで昼酒、昼食会としました。(高野)

第19回井の頭かんさつ会レポート

第19回井の頭かんさつ会

テーマ: 「冬芽」

 

日時: 2007年1月20日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭公園周辺

主催: 井の頭かんさつ会

案内: 田中利秋 (自然観察指導員)

案内: 小町友則 (森林インストラクター)

案内: 高野丈  (自然観察指導員)

案内: 澄川沃  (自然観察指導員)

参加者: 16名


2007年最初のかんさつ会のテーマは、冬の自然観察会の定番・「冬芽」です。まず屋内でオリエンテーションを行い、小町インストラクラーから芽についての解説がありました。

冬芽とは、春が来たらすぐに花を咲かせたり葉を広げたりできるように、落葉樹が冬の間に準備している芽のことです。

大切な芽を冬の寒さと乾燥から守るために樹々はさまざまな工夫をしています。硬い鱗で包まれている芽、フワフワの毛皮をまとっている芽、そして裸で頑張っているものなど、芽を保護する方法はじつに多様です。同じ手段を採るものでも冬芽の形は樹種によりかなり特徴があるため、冬に落葉樹の種類を見分けるのに役立ちます。

そして何より、冬芽はその形自体が楽しめるのです。中には、写真のように、葉痕と併せると動物や人の顔に見えるものもあります。その表情はじつに豊かで、同じ枝に並んでいるものでさえ、ひとつとして同じものはありません。

気温は6℃ほどしかなく雪さえちらつく寒い日でしたが、参加者には楽しんでもらえたようです。樹木に「顔」があるという意外性と、それぞれの顔のユニークさが人気の理由でしょう。顔は無条件に人間の心を捉えるので、植物の知識がなくても楽しめるのも嬉しい点です。各自、自分のお気に入りの「顔」を探すのに夢中になっていました。

 

(高野・田中)

私自身も、下見から本番までいろいろな発見ができ、楽しめました。下の写真はその一例で、左がアジサイ、右がタマアジサイです。

今までタマアジサイは「アジサイによく似た植物」だと思っていましたが、こうして見るとかなり違いがあります。アジサイの頂芽(茎の先端の芽)が裸なのに対して、タマアジサイのそれはウロコ(芽鱗)で覆われています。それに、タマアジサイは芽にも茎にも細かい毛が密生しています。

両者の違いは、葉痕と冬芽を顔として見るとさらに際立ちます。アジサイのほうが着飾った人に見えるのに対して、タマアジサイのほうはいかにもワイルドで、まるで原人か獣のようです。こんなに印象が違って見えるのも、やはり、我々の頭脳の働きのせいなのでしょうね。 (田中利秋)

第18回井の頭かんさつ会レポート

第18回井の頭かんさつ会

テーマ:『夕暮れの鳥たち』

  

 

開催日:2007年12月17日日曜日

時間:16:00~17:45

場所:井の頭池周辺

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:19名 


今年最後のかんさつ会のテーマとして「夕暮れの鳥たち」を選びました。

かんさつ会は日没(午後4時半)の30分前から始まりました。

まず井の頭バードリサーチの協力により、継続的に調査しているオオタカの塒入りを観に行きました。都市周辺のオオタカは都市適応してきていますが、このように間近で観られるケースは稀で、初めて観た参加者からは感動の声が上がっていました。少し観察し、オオタカの塒入りの邪魔にならないよう早々に退散しました。

池に戻り、明るいうちに井の頭池周辺で見られる冬の鳥たち(カモ類、カイツブリ、ゴイサギ等)を観察し、それぞれの種類の体の特徴やなぜ冷たい水の上でも平気なのか説明をしながらみんなで考えてもらいました。

さて、いよいよ薄暗くなってきました。夕方はキンクロハジロ、ホシハジロ、ハシビロガモなどが大移動のために七井橋を越えて一斉に飛び立つ姿を見られることがあるのですが、残念ながら当日は見られませんでした。

暗くなった池でカモ類が何をしているのか、いったい彼らはよく見えているのでしょうか? 鳥の視力について説明を聞いた後、紫外線を向けてみると(ブラックライトを利用)反応することがわかり、みな納得です。さらに新聞紙を細長く棒状に丸めたものを振りかざすとざーっと逃げて行ったり(鉄砲か何かと思っているのしょう!?)、レジ袋のバリバリという音に近づいてきたりする(エサをもらえると思って近づいてくる!)のには、みな苦笑です。聞き耳をたててみると、カモ類がエサをこし取る例の嘴の音、小さく求愛する鳴き声など、決してぐっすり寝こんでいるわけではないことがわかりました。

観察会終了後は参加者の皆さんと忘年会を催し、楽しく今年のかんさつ会を締めくくることができました。(田中雅子)

 

第17回井の頭かんさつ会レポート

第17回井の頭かんさつ会

テーマ: 「井の頭池を楽しもう」

 

日時: 2006年11月18日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭池周辺

 

主催: 井の頭かんさつ会

案内: 田中利秋 (自然観察指導員)

案内: 高野丈  (自然観察指導員)

案内: 澄川沃  (自然観察指導員)

案内: 小町友則 (森林インストラクター)

 

 

第17回のテーマは「井の頭池を楽しもう」です。 もちろん、池を観察して楽しむのです。 井の頭池なんかいつも見てるよ、という人も多いと思いますが、 我々が普段見ているのは池のほんの一部、ほんの表面にすぎません。 私(田中)は今年、井の頭池をかなり真剣に観察しているのですが、 そうしたら、池には知らないことがいっぱいあるし、 観察して楽しめることがもっともっとあることに気づきました。

そこで今回は、井の頭池を普段とは違う視点でいろいろ観察して楽しみました。動植物だけでなく水質調査も行い、 池の富栄養化や透明度の低さを科学的に検証し、『見た目通り汚い』ことを再認識しました。

また、西部公園緑地事務所の小口所長が参加してくれて、井の頭池の水質浄化への一連の取り組みを参加者に説明、 参加と協働を呼びかけました。参加者の多くは、そのような動きや取り組みについて初めて知ったようで、 いい話が連発し満足度は高まったようでした。

今回のかんさつ会を通して、きっと、池が今までとは違って見えるようになったことでしょう。

ご存知と思いますが、今、井の頭池が熱いです。 湧水の復活などで、あの汚い水を浄化しようという公園などの動きが始まり、 生態系の復活も目標になっています。そしてその運動はどんどん広がりを見せ始めています。 我々「井の頭かんさつ会」もその動きに乗って、 井の頭池がもっと自然観察しがいのある池になるよう活動していくつもりです。

(田中・高野)

第16回井の頭かんさつ会レポート

第16回井の頭かんさつ会

テーマ: 「種に込めた願い」


 日時: 2006年10月14日(土) 午前10:00~12:00

場所: 井の頭公園

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋 (自然観察指導員)

小町友則 (森林インストラクター)

高野丈  (自然観察指導員)


 レポート

  秋らしいさらっとした晴れの天気でした。 今月のかんさつ会のテーマはいろいろな植物の種(たね)です。今は実りの秋の真っ最中。 種をできるだけ遠くへ届け発芽させることは繁殖上極めて重要なことですから、 植物はそのための様々なしくみを発達させています。その植物が種に込めたいろいろな工夫を観察しました。

弾き跳ばされるもの、風に乗って飛んでいくもの、水に流されてたどり着くもの、 動物の身体にくっついて運ばれるもの、あるいは鳥に食べられて運ばれるもの等々、 種が散布されるしくみは植物ごとに様々で、調べていて飽きません。 また、それだけでなく、種に込められた他の戦略にも注目しました。 かんさつ会の最後には『スーパー小学生』K君に高台に上ってもらい、種を落下させてもらいました。

(田中・高野)

 

第15回井の頭かんさつ会レポート

第15回井の頭かんさつ会

テーマ:『秋の渡りの野鳥観察』


開催日:2006年9月23日土曜日

時間:8:00~12:00

場所:井の頭池周辺~小鳥の森

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

協力:井の頭バードリサーチ

参加者:12名  


レポート

 恒例の秋の渡りの観察会を実施しました。渡りには波があるので日程の設定にいつも頭を悩ましますが、どんなに綿密に分析しても決して予測は不可能で鳥運次第ということになります。当たり外れは鳥屋の常、の精神で臨むのが正解です。

かんさつ会は七井橋で解説中にカイツブリの雛がゴイサギに捕食されるというショッキングな出来事から始まりました。ショックではありますが、これが現実であり、この厳しい野生の営みを参加者全員で目の当たりにしたことは貴重だったと思います。さて次に驚いたのはオナガガモの数です。未だカモ飛来の初期であり、前日まではぱらぱらとしかいなかったものが突如増えていたのに驚きました。

前日まではオオルリやキビタキがコンスタントに出ていたのですが、この日は風が強いせいか全体に鳥の動きが低調でしたが、キビタキ雌や今季多いカケスを確認することができたのは幸いでした。

観察会終了後はキャンティ・セッテで昼酒、昼食会としました。(高野)

第14回井の頭かんさつ会レポート

第14回井の頭かんさつ会

テーマ:『ナイトウォッチング』


  開催日:2006年8月12日土曜日

時間:18:30~20:30

場所:井の頭公園(御殿山~第二公園)

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

参加者:13名


観察会レポート 

昨年に引き続き夏の夜長の観察会を実施しました。朝から断続的に続く雷雨によって会の開催は危ぶまれましたが、観察会の時間帯にはすっかり天候が回復しきっていました。『井の頭かんさつ会は天候に恵まれる』ジンクスは崩れていませんでした。日中の雷雨は涼しさをもたらし、むしろ観察会を快適にしてくれました。

ヒグラシの合唱に包まれながらライトを片手に歩き、観察対象を探します。地中から出てきてこれから羽化するセミの幼虫や様々な昆虫類が見つかりカブトムシやコクワガタも見つけることができました。とってもグロテスクなカマドウマも出現しました。アブラコウモリが外灯に集まる蛾を目当てに飛び回っていました。

羽化が始まったセミを何個体か見つけましたが、羽が伸びきるのを観察するには会の時間は少し短いようです。

夜に開花する植物としてカラスウリを観察しましたが、参加者のHさんが普段なかなか観ることのできない月下美人の開花観察の話題提供をしてくれました。ありがとうございました。

会終了後の沖縄料理屋での親睦会も盛り上がり、楽しい夜でした。

【高野】

第13回井の頭かんさつ会レポート

第13回井の頭かんさつ会

テーマ:『玉川上水の生き物たち』  


 開催日:2006年7月16日

時間:10:00~12:00

場所:玉川上水(ほたる橋~まつかげ橋)

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

高野 丈(自然観察指導員)

参加者:15名


 観察会レポート 

今回のテーマも前回に引き続き『水系』。神田川と並んで井の頭公園に連なるグリーンベルトを形成している水系『玉川上水』の生き物たちにスポットを当てました。スタートの10:00の時報と同時にまとまった雨が降ってきて、かんさつ会は天候に恵まれるというジンクスもここまでかと思いましたが、集まった参加者と共に雨宿りしているとまもなく雨は上がり、その後は滞りなく会を進めることができました。

ツル植物探しを軸にしてかんさつ会は進み、モグラの死体やカミキリムシを見つけるなどしながら上水をそぞろ歩きました。小町さんの用意した昆虫トラップは何種類かありましたが、腐肉を仕掛けたトラップに予想以上に『掃除屋』たちが入っており、それがうごめく姿はスプラッター映画のようでした。もちろん、彼ら『掃除屋』たちが自然界で重要な役割を担っていることは理解しているのですが。『三州うどん』での昼食をはさみ、午後はオプションの鳥類観察。ほとんどの参加者がこちらにも参加してくれて一日充実した観察ができました。

【高野】

第12回井の頭かんさつ会レポート

第12回井の頭かんさつ会

テーマ:『神田川の生き物たち』


開催日:2006年6月10日

時間:10:00~12:00

場所:井の頭公園

主催:井の頭かんさつ会

案内:田中利秋(自然観察指導員)

小町友則(森林インストラクター)

澄川 沃(自然観察指導員)

参加者:12名


 観察会レポート 

前日梅雨入りしたばかりなのにいきなりの中休みで、川の観察会に最適な天気になりました。今回のテーマは「神田川の生き物たち」。二十数年前の改修工事で掘り下げられ何もいなくなった川に、今では多くの種類の植物が茂りいろいろな動物が暮らしていることに驚いてもらおう、という企画です。神田川沿いを通る人でも、多くの生き物がいることに気づいていないし、見通しの悪いフェンス越しに川を覗き込む人さえほとんどいません。

でもよく見さえすれば、驚くほどいろいろな生き物がそこに進出してきているのです。生えている水草の中には、『レッドデータブック』の「準絶滅危惧種」にランクされている「カワヂシャ」や「ミクリ」が含まれています。オランダガラシ(クレソン)やオオカワヂシャのお花畑には何種類ものチョウやハチがやってくるし、トンボもいろいろ見られます。もちろん鳥も何種類も訪れます。

それらを観察しながら神田川を遡っていると、オシドリの親子や、中州のカルガモの巣(卵6個)が見つかりました。彼らの天敵である大きなアオダイショウも!

出発点の丸山橋と終点の夕やけ橋付近で水質を測定し、神田川の水と水生植物の浄化能力について考えました。

また、夕やけ橋付近に残された親水域(子供の遊び場)では、希望者が川に入って水棲動物を探しました。シジミやカワニナからユスリカ幼虫やヒルまで、バラエティに富んだ水棲動物が見つかりました。ミズムシという生き物(甲殻類)がいることを初めて知った人が多かったようです。今回は子供の参加者がなかったのですが、水棲動物探しは想像以上に楽しく、大きな子供がたくさん現れた観察会でした。

【田中】