第94回井の頭かんさつ会レポート

第94回井の頭かんさつ会レポート

 「樹形と樹皮 ~分かる! 木のきもち、木のなやみ~」

日時:2013年3月24日(日曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者:30名(大人28、子供2)

レポート

例年なら木々がまだ芽吹いていない時期なので「樹形と樹皮」をテーマにしたのに、なんとソメイヨシノが満開になってしまいました。でも心配した混雑は朝のうちはそれほどでもなく、いつもどおりにかんさつ会を開始できました。

今回のコースは、七井橋を渡って池の北岸から西岸へと辿り、御殿山へ上がって雑木林を通り、西園グラウンドが終点です。3班に別れて樹形と樹皮の観察を進めました。満開の桜も今日ばかりは花より樹形に注目です。池畔の桜が池のほうに大きく傾いているのは、光を求めて、隣の木との競合がない池の上へと幹や枝を伸ばしたからです。樹皮には実際に手で触ってもらい、木の種類や年齢による違いを感じ取ってもらいました。木々をよく観ると、生長のしかたには共通する点があるとともに、種類ごとの違いも大きいことが分かります。光を始めとするいろいろな環境条件やハプニングなどの影響がそれに加わって、個々の樹形ができ上がっていることが分かります。

そのような基礎的説明と並行して、応用問題にも挑戦してもらいました。我々があらかじめ見つけておいた不思議な/おかしな樹形を紹介し、どうしてそんな形になったのか推理してもらったのです。例えば、幹の地上2メートル以上のところから太い根を地上まで伸ばしているクスノキ、別種らしい太い枯れ木を抱え込んでいるスダジイ、2本足でどちらも幹に見えるケヤキ、雑木林の中で幹も枝も右往左往しているコナラ、ハート型に樹皮が剥がれているアカマツなどです。アカマツのハート型(じつは「矢はず」型)の傷は終戦直前に戦闘機の燃料を作ろうと国民に松脂を採集させた跡です。郷里で実際に採集作業をされた参加者が他の班にいらっしゃったそうです。参加者から、いつも通っている場所なのにこんなに面白い木がたくさんあるとは全然気づかなかったという声が上がりました。

観察コースには高齢の木が多いのに枯れた枝がほとんどないことにも気づいてもらいました。落ちて来園者が怪我をしないよう、担当者が頻繁に見回って、弱った枝を取り除いているからです。しかし太い枝をバサバサ切る強剪定は、木の体力を消耗させ、木を腐朽させる菌類への抵抗力を弱めてしまうので、木にとっては大問題です。観察を進めるにつれ、参加者の皆さんはしだいに木の気持ちや悩みを想像できるようになってきたようでした。

他の班は個々の議論や質疑応答にもっと時間をかけたようですが、我々の班は先を急いで、西園の桜の広場まで行きました。そこの木々は互いに離れて立っているので他の木に光を遮られず、まだ咲いていた早咲きの桜を始め、コナラやエノキやシラカシなどの自然樹形が見られるからです。桜は他の種類の木よりも枝を大きく横に広げていて、いかに光が好きか分かりました。それが池畔の桜が池にあんなに大きくせり出している理由だったのです。

グラウンドへ戻って他の班と合流しました。今後も時々は木の気持ちになって木を見続けていただくことと、どうすれば井の頭公園の木々と来園者がうまく共存できるかを考えていただくことをお願いして、かんさつ会を終えました。

(レポート:田中利秋、写真:上村肇他)

第93回井の頭かんさつ会レポート

第93回井の頭かんさつ会レポート

 「冬芽 ~木々の春支度を覗いてみよう

日時:2013年2月27日(日曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内
上村 肇 
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
参加者数17名(大人16名 子ども1名)

レポート

今回のかんさつ会は冬芽を主題として取り上げました。
今回は参加者の方が比較的少なかったので、3班に分かれて各班5-6名に3人の案内者という小回りの効くかんさつ会となりました。
コースはボート乗り場から始まって、七井橋を渡り、池の北岸を反時計回りに回って、梅園から弁天橋・日本庭園を通ってスタート地点に戻る一周としました。コース内から選んで撮影した冬芽24種を写真資料として配布し、この資料を基に冬芽の特徴や意味をたずねて周りました。

普段は跨ぐことのない園路のロープを越えて木々の直ぐ傍まで行き、ハンノキやハナノキの比較的低い枝の先をルーペを使って一つ一つ覗いていきます。 ハンノキでは資料の写真にある可愛らしい葉痕をあれでもないこれでもないと探し回って見つかったときには「あっこれだ!」と声があがりました。またシナマンサクでは頂芽が二つ縦に並んでいる理由をあれこれと考え、大きな方の主芽が駄目になったときの予備が小さく構えていることを実例をもとにお話しました。
特徴的なアカメガシワやムクロジの頂芽が実生として沢山見られる場所では、倒木という周りの変化に敏感に反応するパイオニア植物たちの役割に、自然の仕組みを感じて頂きました。
また実体顕微鏡を使ってでコブシの花芽やアオキの芽の中がどうなっているかをじっくりと見ていただきました。
また落葉樹という範疇からは少し外れますが、日本庭園のユズリハで資料の写真と同じ顔をあれかこれかと葉痕探しをして楽しみました。 このころには終了の時間が迫っており急ぎ足となって、いくつもの木々をとばして集合地点を目指すこととなりました。

観察した主な冬芽・葉痕
ハナミズキ・ハンノキ・ハナノキ・コブシ・シナマンサク・ヒメシャラ・ヤマグワ・ミツマタ・ロウバイ・タラノキ
カラスザンショウ・ドウダンツツジ・クズ・ムクロジ・ハゼノキ・クサギ・ミズキ・ユズリハ・トチノキ・トサミズキ
ヒュウガミズキ・アジサイ・アカメガシワなど

 

(レポート:上村、写真:高久)

第92回井の頭かんさつ会レポート

第92回井の頭かんさつ会レポート

「冬鳥探鳥会 鳥観の楽しみ方と身近な自然環境」

日時:2013年1月27日(日曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大橋 博資
日置 日出男(森林インストラクター)
上村 肇 
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

レポート

 寒さの厳しい今シーズンですが、かんさつ会当日は小春日和となり、冬のバードウォッチングには最高の条件でした。今回は参加者がとても多く、満員御礼でしたので、おおまかに親子班、初心者班、中級者班、上級者班の4班に分けて案内しました。
 御茶ノ水池では水辺の鳥を観察しながら、今シーズンカモが少ないこと、それが井の頭公園に限らず全国的な傾向であることを紹介しました。具体的にはカモの総数が少ない上に、今季はハシビロガモが姿を消してしまったこと(当初は渡ってきていた)、毎年飛来するオオバンが来ないこと、などです。その後、池のほとりのハンノキの花にヒガラが来ているのを観察し、行動と鳴き声について説明しました。その後、池のカワウをフィールドスコープで詳細かつ鮮明に観察、カワウの羽の色が黒一色ではないこと、眼の虹彩がエメラルドグリーンで宝石のように美しいのに参加者は感動していました。その後、シメが地上で行動しているのを確認し、その理由を説明、また池のほとりにはカワセミが来てくれたので、宝石のような羽色を参加者一同楽しむことができました。
 池を離れ、地上で餌を探すシロハラを観察、そこで餌を探す理由を説明しました。弁天池のほとりではシメがイロハモミジの種子を不器用に食べているのを観察、生きものが合理的・効率的に行動するようでいて、案外不器用さや個性があるのを観察して楽しみました。弁天池では木の陰にオシドリが隠れているのを紹介しました。
 弁天池のほとり、茶屋の周辺でお目当ての一つであるキクイタダキを確認。シジュウカラ、メジロ、コゲラなど他の種との「混群」の中で、大きさ、シルエット、動きを基に肉眼で見分け、双眼鏡で観察する方法を紹介しました。その後、御殿山から玉川上水にかけては少し低調でしたが、ヒガラやヤマガラを観察できました。
 小鳥の森に着くと、再び大きな混群に出会い、キクイタダキを目の前で観察することができました。キクイタダキは複数いた上に、比較的に低い位置で行動してくれたので、茶屋で今一つしっかり観察できなかった参加者もばっちり観察することができ、頭部の菊の花びらのような黄色い羽もしっかり確認できて感激していました。
 こうして充実した観察を楽しんでいる内にあっという間に2時間が経ちました。各班が小鳥の森の観察窓前に集合したところで、井の頭公園に多様な樹木があり、その実り、および樹木につながっている多様な昆虫がいるからこそ、今日のように多くの野鳥が観察できること、自然が豊かな山間部の実りが凶作だったり雪深く埋もれてしまった時に、井の頭公園のような平地の自然環境が野鳥たちの越冬を支えることを伝え、まとめとしました。

(レポート:高野、写真:上村)

第91回井の頭かんさつ会レポート

第91回井の頭かんさつ会レポート

 「冬の井の頭公園を探してみよう ~それぞれの冬越しウオッチング~

日時:2012年12月22日(土曜日)午後2:00~4:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大橋 博資
日置 日出男(森林インストラクター)
高久 晴子
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者数25名(大人20名+子ども5名)

レポート

タイトルからもわかるように、今回は井の頭公園の冬にそれぞれの生物がどのように過ごしているかを参加者とともに探そうという内容で、はっきり申し上げまして地味なテーマに挑戦しました。したがって、参加者の方々の反応は芳しくはないと予想していました。実際、募集当初は、参加者人数は伸びなやんでいました。ところが、一週間前に掲示したポスターの効果か、前日までに定員を上回るほどとなったのです。
しかし、天に我々は見離されてしまいました。前日の夜から冷たい雨が降り始めてしまったのです。しかも予報は15時頃から晴れマークというなんとも微妙な状況(観察会は14時~16時)です。ほとんど用意していなかった雨用プログラムやキャンセルの連絡の対応等、それぞれのスタッフも天気予報に翻弄させられました。
結局、日本の優秀な天気予報ははずれることなく、参加者の数は上記のものとなりました。
いつもの雨用会場に移動して、重ねて行われた下見のときに出会った昆虫の写真をみながら、冬という季節を生き物を通して考えました。
成虫で越冬していたヒメコガネナガカメムシやカメノコテントウ、幼虫越冬のゴマダラチョウやアカボシゴマダラ、蛹越冬のモンクロシャチホコやオオミノガ、卵で過ごすオオカマキリ・ハラビロカマキリやジョロウグモ。また、あえて冬に成虫になって繁殖活動をするフユシャクの仲間のクロオビフユナミシャクのオスや蛾の仲間とは思えない羽が退化してしまったチャバネフユエダシャクのメスなどの生活についても説明がなされました。
一時間程の講義が終わると、窓からは日差しがのぞいてきました。
2班に分かれて、急きょ屋外の観察会をすることになりました。雨天会場で見た昆虫の60~70パーセントは、観ることができたように思えます。
1時間の講義の後の観察ですので、参加者の方々の理解力も早く、短時間の割には充実した観察会が行えたと思います。
天は我々を見離してなかったのかもしれません。我々に新たな観察会のスタイルをお教えてくれたのかもしれません。

(レポート:大橋、写真:高野)

第90回井の頭かんさつ会レポート

第90回井の頭かんさつ会レポート

 「どんぐり パーフェクトマスター ~みんなで木の実探し~」

2012年11月25日(日)10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
上村 肇

参加者:39名(大人28名+子ども11名)

レポート

参加者は39名、スタッフを入れると約50名の大所帯。どんぐり人気に後押しされ、当日は穏やかな小春日和となり、絶好のどんぐり拾い日和でした。
人数が多いため、3班に分かれて観察会の行いました。子どもがいる班では初めにどんぐりクラフトでアイスブレイキング。完成したドングリバッジを胸に、期待が高まります。
次にどんぐりとは何かを子どもたちと一緒に考え、日本のどんぐり、世界のどんぐりの話をして、どんぐり観察ツアーをスタート。ブナを手始めに、井の頭公園で見られる10種のブナ科の樹木を巡っていきました。10種のうち、ブナとクリ以外の8種類がどんぐりの木で、多い人で7種のどんぐりが今回拾えました。コナラ、クヌギ、シラカシ、アラカシ、スダジイ、マテバシイ、それぞれが皆魅力的などんぐりですが、一番人気は北米原産のピンオークのどんぐり。丸くて可愛いどんぐりにみんなが魅了され、大人も子どももどんぐりを拾いながら、じっくり観察しました。また、スダジイやマテバシイは食べられるので、話題も盛り上がりました。夕飯はどんぐりにしたい!と言っている子どももいて、お母さんとのやり取りが微笑ましかったです。
ドングリのほか、トチの実、チャノキ、ハクウンボク、イヌシデ、マツボックリ、ヒノキ、ムクロジなど可愛い実・面白い実を見つけながら、木の実に親しみ、木の実拾いを楽しみました。
小さい子どもも多かったですが、それぞれに楽しいどんぐりの観察会になったと思います。
観察会終了後、公園で野外親睦会を行いました。30名近くが参加して、楽しく自然談義に花をさかせました。

(レポート:小町、写真:上村)

第89回井の頭かんさつ会レポート

第89回井の頭かんさつ会レポート

 「井の頭池と生き物たち ~そのいまとこれから~」

日時:2012年10月20日(土曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
大橋 博資
日置 日出男(森林インストラクター)

協力:
外来魚調査活動同志 3名

参加者:17名(大人14子供3)

レポート

井の頭池の「かいぼり」が実現しようとしています。水の濁りと外来魚問題を解決または改善し、良好な生態系を取り戻すのが目的です。西部公園緑地事務所が現在その計画を策定中で、開催中の「全国都市緑化フェアTOKYO」でも展示を行っています。外来魚問題の解決を目指して調査と啓発の活動を続けてきた我々も、それに合わせて今回の観察会をかいぼりをテーマに実施することにしました。参加者に池と池の生き物を実際に観てもらい、なぜ今かいぼりが必要なのか、良好な生態系を再生し維持していくためにはどんなことが必要になるのか理解を深めてもらうことを目指します。各所で魚などを探して外来魚問題の現状を実感してもらうとともに、生き物たちが暮らしていくのに必要なそれぞれの条件についても知ってもらいたいと思います。水の濁りの問題については、濁りの正体である水中の植物プランクトンや、それを食べる動物プランクトンを実際に観てもらうほか、植物プランクトンが増える原因となっている水の富栄養化について知ってもらうため水質検査も実施することにしました。

池の生き物を観察するのに最適な、すがすがしい秋晴れです。観察メニューが多いので、スタッフはいつもより早く準備を始め、必要な器材をお茶の水池北岸のベンチへ運びました。そこに器材とスタッフの一部を残し、いつものボート乗り場前から観察会をスタートしました。コースは、ボート乗り場前→七井橋→ボート池北岸→ひょうたん池・在来種保護池→ボート池北岸→そしてお茶の水池北岸ヨシ原前ベンチです。その間、岸辺の植物や水鳥などに注意を向け、仕掛けておいたオダアミやカゴワナを上げてどんな魚が入っているか調べ、スタッフが池に入って網で魚やエビを探し、保護池の状況を見学し、数箇所でプランクトン観察用と水質検査用の水も採取しました。そしてヨシ原前のベンチで、見つかった魚やエビの詳しい観察と、水の中にいるプランクトンの顕微鏡観察、水質検査を行いました。

オダアミやカゴワナに入っていたのはブルーギルの稚魚ばかりでした。水中に伸びだした木のひげ根を網で掬ったら、在来種テナガエビの稚エビなどもいくらか見つかりましたが、やはり多いのはギルの稚魚でした。絶滅が心配されている在来種、モツゴやトウヨシノボリやスジエビはこの日1匹も見つかりませんでした。網やカゴワナでは獲れないサイズの外来魚も観てもらうために、本隊がコースを回っている間に他のスタッフが手釣りを試み、オオクチバス5匹と大きなブルーギルを釣り上げました。外来魚のバスとギルは今もたくさんいて、そのせいで在来種が減ってしまっているのです。稚魚や稚エビがひげ根の中やヨシの茂みにいたのは、外来魚などの捕食者から逃れるためです。本来は水生植物がその役割をするのですが、現在の井の頭池にはそれが少なく、特に沈水植物がまったくないのが問題です。かいぼり時には水生植物を増やすための工事も行われる予定です。

ひょうたん池の在来種保護池では、かいぼりが済んだ池に放流するために「いけす」で保護しているモツゴを見てもらいました。なぜいけすが必要なのかというと、バスやギルなどが多数侵入して、保護していたはずの在来種を食べてしまったからです。多くは柵の隙間から侵入したらしいのですが、故意に放流されたとしか考えられない大きなバスも見つかっています。我々は侵入種を捕獲して除去してきましたが、小さな保護池でも完全除去は困難で、保護対象種はほぼいなくなってしまいました。この事実は、当初の案にあった、井の頭池を二分して二年かけてかいぼりするという方法では、外来魚をいなくすることはできないことを示しています。そのため我々は、井の頭池全体を同時にかいぼりするよう要望しています。また、せっかくかいぼりをしても再び外来魚が密放流される可能性があるので、我々も参加している「井の頭外来生物問題協議会」は公園管理者と警察と来園者が連携して密放流を防ぐ体制を作るべく警察と話し合いを進めています。

じつは保護池への侵入種の筆頭はアメリカザリガニです。保護池にカゴワナを設置して侵入種の調査を続けているのですが、ザリガニがほぼ毎日入ります。そのすさまじさを実感してもらうために、10月11日以降に保護池で獲れたザリガニを生かしておいて、参加者に見てもらいました。この日は5匹も入っていたので、それを足すと10日間で19匹になりました。ところが一同驚いたことに、それで終わりではなく、一匹のメスが抱えていたらしい稚ザリガニが百匹以上も一緒に獲れたのです。保護池に放たれてしまったものも多かったでしょうから、保護池はさらにザリガニだらけになりそうです。ザリガニは泥に穴を掘って隠れるので、かいぼりでの完全駆除は無理です。天敵のバスがいなくなった池で爆発的に増えることが予想され、増やそうとする水草に大きな被害を与える心配があります。失敗した在来種保護池ですが、かいぼり後の井の頭池の姿が見えるとも言えるので、我々は今後ここでアメリカザリガニの生息数を抑制する実験を行いたいと考えています。なお、保護池の改善策についても西部公園緑地事務所で検討が進んでいます。

プランクトンの顕微鏡観察と水質検査は初めて体験する人が多く好評でした。水質検査をすると、井の頭の湧き水には窒素が多量に含まれていること分かります。リンが供給されるだけで植物プランクトンが増え、水が濁るのです。植物プランクトンを減らし水の透明度を改善すると期待されているのがミジンコを始めとする動物プランクトンです。しかし動物プランクトンは小魚の格好の餌になるので、全部食べられてしまわないようにするには、隠れ場所となる水生植物が必要です。水生植物は窒素やリンを吸収して育つので、池の水の富栄養化を抑える効果も期待できます。しかしザリガニが増えると水生植物が増えられないかもしれません。

池の中にも生き物と環境、生き物と生き物との複雑なつながり合いがあり、さらに人間の行為がそれに加わります。それらを十分考慮してかいぼりを行わないと生態系の再生と維持はうまくいきません。なかなか難しい話ですが、いろいろ観ていただいた参加者の皆さんには理解していただけたことと思います。

かいぼりの計画策定担当者である工事課の田中淳一さんが途中から参加してくださったので、最後にご挨拶をお願いしました。田中さんはかいぼりで目指していることを話されるとともに、協力を呼びかけられました。大がかりなかいぼりの成功には多くの市民の参加が必要です。今回は、田中さんが作成され緑化フェアで配布されているかいぼりチラシをご提供いただき、参加者への配布資料のひとつとさせていただきました。我々は今後も池での活動時にそのチラシを来園者に配布し、かいぼりへの理解と協力を呼びかけていきたいと考えています。

(レポート:田中利秋、写真:上村肇)

第88回井の頭かんさつ会レポート

第88回井の頭かんさつ会レポート

 「秋のバードウォッチング 渡りの夏鳥を探そう」

日時:2012年9月23日(日) 8:30~11:00
場所:井の頭公園および井の頭地区公会堂
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所
集合:午前9時15分 井の頭池ボート乗り場
案内:高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
日置 日出男(森林インストラクター)
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
参加者:13名

レポート

晴天率がとても高く雨知らずの井の頭かんさつ会ですが、今回は珍しく雨に降られました。
前夜の段階での天候の見極めが難しく、当日天候が好転することを期待しましたが、その祈りもむなしく、まとまった雨の降るスタートとなりました。通常より1時間早く設定していた開始時間を通常の9:15集合、9:30スタートに繰り下げて雨プログラムを実施する旨、参加者に一斉メールを送りましたが、当初の集合時間にボート乗り場前に行くと、時間繰り下げの連絡が間に合わなかった2名の参加者が来ていましたので、集合時間までの1時間の間、傘をさして観察することにしました。これが正解でした。
今季は冬ガモ(井の頭池ではコガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロの5種)の飛来が遅かったのですが、雨の降る中、コガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロを確認。今季初認することができました。
その後もまとまった雨が降り続き天候の条件は悪かったのですが、池の畔の桜の木にシジュウカラ、メジロ、コゲラの混群を見つけ、そこに夏鳥のエゾビタキ、コサメビタキが数羽混ざっているのを発見し、観察を十分に楽しむことができました。夢中になって観察している内にあっという間に時間が経ち、変更した集合時間になりましたので、あらためて集合場所へ向かい、集まってくれた参加者にご挨拶をして、再度池の畔に戻りました。桜の木には未だ留鳥と夏鳥の混群が残っていて、雨の中活発に餌を採っていました。そして、夏鳥を観察しているといつの間にかアオゲラも飛んできて、桜の木にとまってじっとしていたので、参加者全員でじっくりと観察することができました。まだ、しばらくそのまま観察を続けたいところでしたが、雨は降り続いていましたし、気温の低い中、半袖で来ている参加者もいましたので、室内プログラムに移行することにし、井の頭地区公会堂に移動しました。
室内プログラムは「よくわかる!秋のバードウォッチングのポイント」というテーマで講演し、カモのエクリプスの見分け方や、夏鳥の探し方「シジュウカラ消去法」、鳥の好む木の実の3点について説明しました。

(レポート:高野、写真:上村)

第87回井の頭かんさつ会レポート

第87回井の頭かんさつ会

「夜の井の頭で自然探訪~ナイトウォッチング」

日時:2012年8月11日(土) 18:30~20:30
場所:井の頭公園
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所
集合:午後6時15分 井の頭池ボート乗り場
案内:上村 肇
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者:49名

親睦会
日時:2012年8月11日(土) 21時~
会場:夷ビアホール吉祥寺
参加者:20名

レポート

 今回のかんさつ会は毎年恒例の夜の井の頭公園での自然観察でした。
例年親子の参加が多く、子供が中心の賑やかなかんさつ会ですが、今年も例に漏れず35名の定員に対し、50名を越す参加希望が寄せられ、早めに満員御礼で募集を打ち切らざる終えない程で、残念ながら参加を諦めた方も出たようです。 当日は大気が不安定で雷雨の予報が出る中、夕刻になるにつれて雲が厚くなり集合時刻にはポツポツと雨が降り出す生憎の天気となりました。 天候が悪化する中、欠席者がどれだけでるかが心配されましたが、ほとんど全ての参加者が集合時刻前にボート乗り場前に集まり、キャンセル待ちを申し出られた方も何とか3名の方にご参加いただけました。
 スタート時刻には傘が無いとしのげない位の雨となり、先が思いやられる中全員でボート乗り場を出発しました。狛江橋を渡って第一のポイントで、カラスウリの花の開花を観察しました。カラスウリの花を見たことのない参加者も2割くらいいて、暗くなってから開花する花の不思議やその姿の美しさに驚きの声を上げていました。曇りの時間が長く雨も降ってきたため、花の開花も進んでおりきれいな網状の花を見ることが出来ましたし、正に瓜そっくりの可愛い実も確認できました。そうこうしている内に辺りはすっかり暗くなり、誰かがこうもりが飛んでいることに気づき、場所をそのままにこうもりの観察に移りました。薄暗い小雨の空に小さなこうもりがひらひらと舞っているのに始めてこうもりを見た参加者が、井の頭にもこうもりって居るんですねと感心しきりでした。バットディテクタを使ってこうもりの出す音を聞き、特殊な能力の説明に再び驚きの声が上がっていました。 
 次の観察ポイントへの移動中も小雨とはいえアブラゼミ・ニイニイゼミ・ヒグラシが数多く鳴いており、夏の夕暮れの雰囲気をかもし出していました。目線が低く眼の良い子供たちが途中でセミの幼虫が歩き回っているのを発見し、立ち止まって観察が始まりました。それを繰り返すうちに全体で移動していた参加者が幾つかのグループに自然と分かれ、10人ほどの班で行動することになりました。 
 次のポイントはピンオークの林で樹液に集まる虫たちを探しました。すると運よくオスのカブトムシが発見され、多くの参加者で写真撮影会となりました。連れて帰りたいという子供たちに自然の虫たちの大切さを説明してわかってもらいました。
 玉川上水から小鳥の森の脇の暗闇では手持ちのライトだけが頼りで、その小さな光の輪の中で各自が生き物探しを行いながら移動しました。残念ながらあまり多くの発見は出来ませんでしたが、時には見つけた虫がゴキブリだと説明され小さな悲鳴を上げる場面もありました。
 最後の第2公園では、事前に仕掛けておいたライトトラップに群がる虫たちを観察しました。白布にブラックライトや蛍光灯を当てて光に集まる虫たちを観察しました。また第2公園はセミの羽化の観察ポイントとして毎年訪れている場所です。毎年あちこちでこれから羽化するために木を登っているアブラゼミやニイニイゼミの幼虫が見られるのですが、今年は見つけるまでに少し時間がかかりました。流石に大勢の眼で公園中を探すと今まさに殻から出終わるところというタイミングを幾つか発見し、わくわくしながら皆で見つめました。特に高さ2m程の枝先でミンミンゼミとアブラゼミが同時にその時を向かえてイナバウアーの競演となったところで、ほぼ同時に抜け出たときには大きな歓声が沸き起こり、本日最後の大イベントとなりました。
 終わってみると、いつの間にか雨は止んでおり充実したかんさつ会となっていました。

 かんさつ会終了後、恒例の納涼親睦会が吉祥寺駅前の夷ビアホール吉祥寺で行われ、アルコールでのどを湿らせながら交流を深めました。自己紹介という名の自己アピールタイムでは一人ひとりの個性があふれ出ていて和やかな時間となりました。

(レポート:上村、写真:高野)

 

 

第86回井の頭かんさつ会レポート

第86回井の頭かんさつ会

「玉川上水探検隊」

日時:2012年7月22日(日曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内:
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大橋 博資
高久 晴子
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者:31名(大人22子供9)

レポート

 子供たちが夏休みに入ったせいか、または今回のかんさつ会のタイトルに『探検隊』の文字が入っていたせいか、子供の参加者がぞくぞくと増えているとの情報が企画担当者の耳に入ってきました。
 そのころ下見を重ねる担当者は、前回のかんさつ会の神田川と違った側面を多く持つ玉川上水の魅力に圧倒されていました。当初は、環境全体の観察を描いていたのですが、目を凝らすととにかくたくさんの「虫」がいるのに気付かされます。歩いていては見えないものが立ち止まると見えてきます。小さな宝石がちょろちょろ動き、葉っぱやフンや枝に身を同化させてたものが姿を現すのです。いつしか、テーマは『虫』に固まり、これは年齢を問わず面白いのではないかとの想いも固まっていきました。
 当日は、暑さ対策は不要で長袖のシャツを着てちょうど良い気候でした。大人も子供も炎天下の中の2時間は厳しいものです。天候も味方につけ観察会は始まりました。
 集合場所のボート乗り場前から15分位で、玉川上水の幸橋に到着しました。幸橋を境に三鷹側と久我山側では、いくつかの違いが見て取れます。一つは、三鷹側は大きな樹木に囲まれていて暗いのですが、久我山側は、太陽の日差しが降り注いでいます。もう一つは、三鷹側の柵にはツル植物等の野草がほとんどないのに対して、久我山側にはアスファルトへもはみ出して野草が生い茂っていることです。森の住人(昆虫)がどちらにたくさんいるのかは明らかです。我々は3班に分かれて久我山側に向かいました。
 探検早々、小さな子供がその低い目線の先にエゴヒゲナガゾウムシを見つけました。この虫は、その名のとおりエゴノキで生活をしています。エゴノキの実に卵を産むのです。昆虫の生活のサイクルは早く、一週間で会える虫は変わってきます。このエゴヒゲナガゾウムシは、最近成虫になったばかりと思われます。そのため発見された植物は、生活圏のエゴノキではなかったのです。つまり、まだ繁殖活動の時期ではないと言うことです。シャーレに捕獲して順番に参加者にルーペで観察をしてもらいました。最初の参加者から「アッ、エ~」と声が上がりました。順番待の参加者の期待は、大きなものになってゆくのが見てとれました。この虫の表情は、人間やフクロウの様に平面的でなんとも言えない愛嬌がある顔をしているのです。この瞬間、参加者は今回の探検のイメージを、我々が伝えたいものを、それぞれの頭の中に描くことができたのではないでしょうか。
 はたしてそのとおり、班は玉川上水沿いに広がり各々探検を始めました。ハムシやカメムシの仲間をシャーレにとり、ルーペで観察。そして次の探検へとチームワークがとれてきたようです。
 亀の歩みでたどり着いたのは、樹液の出ているクヌギの木です。カブトムシをはじめいろいろな昆虫が集まる、いわば森のレストランです。女の子が「アルコールの匂いがする」と言いました。それもそのはず、辺りは樹液の発酵臭がただよっていました。期待が高まってきましたが、残念ながらカブトムシには会うことはできませんでした。それでもヒメジャノメ・カナブンの仲間・スズメバチの仲間が樹液に集まっているのを確認できました。(かんさつ会後には、このレストランにカブトムシがいたそうです。)
 次に参加者の歓声が響いたのは、チャイロハバチの幼虫の大量発生です。体長3cmほどの真黄色のイモムシタイプの姿をしています。玉川上水の鉄製の柵には、たくさんのツル植物が巻き付いています。最近導入された擬木(ぎぼく)タイプには、どのツル植物も巻き付くことはできないようです。夏に一気に成長するツル植物の多くは昆虫の食草であり、チャイロハバチの幼虫もヘクソカズラの葉っぱ一枚に何匹も頭を揃えて整列していました。その姿に、参加者の歓声があがったのです。さすが井の頭かんさつ会の参加者と感じました。虫嫌いの人には、最も目にしたくない光景の一つと思えたからです。余談ではありますが、ヘクソガズラはその名のとおり臭いとされる植物です。そして真黄色の幼虫は、幼虫にしては目立つ色をしています。しかも整列して同じ場所にたくさんいるですから、天敵に狙われやすいのではないかとの疑問が湧きました。もしかしたら、彼らも同様に臭いのではないかと考えたのですが、その場での確認はためらわれました。
 次は、事前調査をしていた蝶の幼虫へと参加者を案内しました。エノキの1メートル位の幼木に集まっていただき、幼虫を探してもらったのですが、やはり一見では発見できないようでした。その正体は、葉の緑にうまく擬態しているアカボシゴマダラの幼虫です。ここ数年の間に急速にその数を増やしています。理由は、人間による放蝶なのです。しかも日本にはいなかった外来種です。在来種のゴマダラチョウの幼虫との見分け方を話すサブリーダーの目は真剣でした。それもそのはず、本家のゴマダラチョウを目にすることはめったになくなってしまったそうなのです。
 ぜひ参加者に見て欲しいと思っていた虫が何種類かいました。その一つが、エサキモンキツノカメムシです。とかく臭いにおいをだすことで全国的に有名なカメムシですが、その種類の多さは昆虫のなかでもトップクラスです。また色彩においても多様にわたり、都会的なデザインには息をのむものが少なくありません。なかでもエサキモンキツノカメムシは、背中に大きなハートマークがあり、一般的に見られるカメムシのなかでは相当おしゃれなカメムシといえます。さらにこのカメムシは、卵や幼虫を守るという特徴があります。アリ・ハチの仲間のように社会構造がある昆虫を除くと、極めて珍しい行動です。そして、とにかくその姿がイジラシイのです。しかし、残念ながら今回は成虫のみの観察に留まってしまい、昆虫の季節の動きの速さをあらためて感じました。
 折り返し地点の松影橋までかなりの距離を残しているのに、時間はみるみるなくなってきました。ピッチをあげなくてはならないのですが、そうすると虫は見つけられません。板挟みではありましたが、事前調査で虫が見られる可能性が高いと判断したポイントまで移動することにしました。
 まずは、クワノキで生活するクワカミキリです。発見できるときは何匹もいるのですが、なかなか見つけられませんでした。しかしシマシマ模様の長い触覚が見えました。ちょと木の奥にいたのですが、参加者全員が黙視に成功しました。そのあと、アミで捕獲も成功し、キーキーと鳴く声も確認できました。
 次のポイントは、マユミの木です。探す昆虫は、キバラヘリカメムシです。こちらは探すまでもなく、いっぱ見つかりました。卵も幼虫も成虫も観察することができました。
 終盤駆け足になってしまったのですが、たくさんの住人がいる玉川上水の面白さ、そして大事さは、参加者の方々に伝わったのではないかと思います。

 (レポート:大橋、写真:上村)

第84回井の頭かんさつ会レポート

第84回井の頭かんさつ会

「井の頭の森で宝探し 春の夏鳥探鳥会」

日時:2012年5月12日(土)午前6:30~8:30、9:30~11:30
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大橋 博資
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員)
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

参加者: 46名 (大人3子供4)

レポート

 84回目の井の頭かんさつ会を「井の頭の森で宝探し 春の夏鳥探鳥会」のテーマで開催しました。探鳥会は朝早い方が良い、という声に応え、井の頭かんさつ会を始めて以来、初めて早朝スタートの設定をしました。通常のかんさつ会は10時から12時、探鳥会の時もせいぜい9時30分からだったものを思い切って6時30分からにしました。また、遠方から来る参加者のために、通常の時間帯も開催して二回連続で行うこととしました。早朝の回は人が集まるのか不安でしたが、蓋を開けてみると、申込は早朝の回ばかりで最終的に38名、これに対して二回目の回は10名と、早朝の方が参加申込が多かったのです。これには勇気づけられ、私やスタッフのモチベーションが上がりました!
 最初に鳴き声の予習をクイズ形式で行い、参加者を3班に分けて森へ向かいました。折角早朝にスタートするので、話をしている時間が勿体ないというものです。私の班では弁天池からお茶屋の脇を上がったところでキビタキの声を聴き、さらに奥へ進みました。やがて聞こえたホイホイホイの声…サンコウチョウの声です。しかも一羽ではなく複数羽いました。さえずりを聴きながら、皆懸命に姿を探しました。キビタキやセンダイムシクイも盛んにさえずる中、見事にサンコウチョウの姿を捉えた参加者もいれば、声のみだった人もいました。胸が躍るような観察を楽しんだ後は、なぜ井の頭公園でこのように魅力的な野鳥を観察できたのかについて解説をし、当地の自然環境の重要性について伝えました。

 休憩後、二回目のかんさつ会に取り組みました。二回目は今までの通常の探鳥会の開始時刻である9時30分からスタートしました。こちらは10名と参加者が少なかったので、班分けせずに全員で一緒にまわりました。状況は一回目と同じような感じで参加者と共にサンコウチョウの観察を楽しみました。

(レポート:高野、写真:上村)