第215回井の頭かんさつ会実施レポート「まるで妖精!?セミの羽化をナイトウォッチング!」

■実施年月日 2024年7月27日(土) 18時30分~20時30分頃

■参加者数 一般参加者 30名(大人19名、子供11名)

■実施場所 井の頭地区公会堂→井の頭公園第二公園  

■実施レポート

 今年の夏は昨年に比べるとセミの出現が遅く、加えて今年は雷雨も頻発し、当日は直前まで雷雨となりセミの出現の心配に加え天気の心配もしながらの開催となりました。 

 当日は、まず室内で「セミの一生」について学びました。セミが生まれてから大人になるまでには多くの試練があることを企画スタッフ(セミちゃん)自ら撮影した写真や動画を使ってクイズ形式で楽しく参加型で学び、セミちゃん自作の絵本「セミくんとコナラさん」の朗読で更に理解を深めてもらいました。

今年もセミをこよなく愛するセミちゃん登場!
第1問「セミはどこに卵を産むの?」
生まれたばかりのセミの赤ちゃんどこにいるかな?「ここ!」と前に出てきてくれた男の子
セミちゃんによるレクチャーは熱がこもります

 幸運にも雨は止んでいたので、4班に分かれて夜の井の頭公園へ。第二公園や西園では羽化しようと地上に出てきたセミの幼虫が園路上に出てきて自転車などに轢かれ多数死んでいる悲しい現状があります。この現状を参加者にも知ってほしく今年も第二公園の園路を歩きながら観察をスタート。園路上を歩く幼虫には今年も遭遇できず今年も轢かれている幼虫が1匹だけいてそれを観察できました。それから羽化しているセミをみんなで探しました。地面を歩いている幼虫、木に登っている幼虫なども観察でき、ニイニイゼミの幼虫も観察できました。最終的に羽化しているアブラゼミ、ミンミンゼミを数匹観察でき、その神秘的で美しい姿に大人も子供も皆で感動しながら無事に羽化するまでを見守りました。途中、子供目線で羽化しているミンミンゼミが羽化中に地面に落下するというハプニングもあり、それが残念でしたが、何とか救出することができました。

こんな間近でセミの羽化を観察!
羽化しているセミを発見!
大人も子供も羽化しているセミの姿に目が釘付けに
羽化中に落下してしまい救出したミンミンゼミ。無事に羽化できました!

 雨が上がり、何とか羽化しているセミの神秘的で美しい姿を観察してもらうことができ本当によかったです。当日はテレビ局の撮影も入り、後日、テレビ東京の番組「出没アド街ック天国」(9/14放送済)で観察会の様子を紹介いただきました。ありがとうございました。

 今年の夏の雷雨や猛暑は人間だけでなくセミや生き物たちにとっても影響があったと思います。セミの孵化には雨が必要ですし35℃を超えるとセミは鳴かなくなるようです。セミに限らず生き物達にとっても気候変動や猛暑は深刻な問題だと思うので、これからも生き物達への影響を観察し見守っていきたいと思います。

参加頂いた永井明子さんが、かんさつした内容を素敵なイラストにしてまとめて下さいました。
永井さんのホームページはこちら http://lovely-garden.no.coocan.jp/

7月27日 第215回井の頭かんさつ会のお知らせ

夏の夜の公園の片隅でひっそりと羽化するセミの姿を見たことはありますか。
その姿は「まるで妖精!?」と思えるくらい神秘的で美しく衝撃を受けます。
そんなセミの羽化する姿は遠くに出かけなくても身近な公園で簡単に
観察することができます。
今回は夜の井の頭公園でセミ達が羽化する過程を観察します。

セミの一生は実にすごい!
そのセミの一生を室内で学んでから公園に繰り出します。
セミの一生を知ってから見るセミの羽化は感動も更に深まることでしょう。
みんなで夜の公園を探索しながら羽化しているセミを探して
セミの羽化をナイトウォッチングしてみましょう!

日 時: 2024年7月27日(土) 18:30〜20:45(雨天決行)
集 合: 井の頭地区公会堂(18:10から受付開始、住所:東京都三鷹市井の頭5丁目10−24)
主 催: 井の頭かんさつ会
後 援: 東京都西部公園緑地事務所

対象者:どなたでも(中学生以下は保護者同伴)
定 員:30名(先着順)
参加費:300円、中学生以下は100円 (保険代・資料代などにあてます)
持ち物:飲み物、虫よけ対策グッズ、懐中電灯(LED推奨)、虫メガネなど

服 装:怪我や虫対策として長袖、長ズボン、汚れてもいい服装、靴

案内者
荻窪 奈緒(NACS-J自然観察指導員、日本セミの会会員)
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
田中 雅子(森林インストラクター、NACS-J自然観察指導員)
日置 日出男(森林インストラクター)
市川 伸一
高久 晴子
佐藤 誠(森林インストラクター、NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
安部 順子

和根崎 孝(NACS-J自然観察指導員、自然体験活動指導者(NEAL))

参加申し込み方法

下記URLの申し込みフォームより申し込み下さい。

(アイコンをクリックするとページが立ち上がります)

https://pro.form-mailer.jp/fms/cd3bdffe316272

必須項目全てにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。
申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
メールソフトで@form-mailer.jpからのメールを拒否しないよう設定してください
メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。
メールアドレスに間違い無いようにお願いします。
もし、既に定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

参加申込期限:2024年7月22日(月)23:59まで
(締め切り前に定員が満員になる場合が多いです。申し込みはお早めにどうぞ。)
※個人情報保護に関するポリシー:お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報
詳細情報は、開催日の数日前に、申込者にメールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日雨天プログラムを行う場合も申込者にメールでお知らせします。

注意事項
参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
◆安全について
参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
 観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
 身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
◆中止の可能性について
 小雨の場合は実施し、まとまった雨の場合、室内で雨天プログラムの開催になる可能性があります。台風など荒天の場合は中止になる可能性もあります。その場合はメールで連絡いたします。

お問合せ
naoginta1978@gmail.com(荻窪奈緒)までお願い致します。   

(2024年7月6日 荻窪奈緒)

第212回井の頭かんさつ会実施レポート

■実施年月日 2024年4月14日(日) 10時~12時

■参加者数  一般参加者 25名(大人19名、子ども6名)

                       ※申込受付数32名、キャンセル7名

       案内人 井の頭かんさつ会スタッフ13名

■実施場所:井の頭池周辺、野草園、交流広場周辺

■実施レポート

 4月の観察会のテーマはこの時期の恒例のお花観(はなみ)です。今年は特に花びらの色や形をじっくりと観察する「花びらウォッチング」を行いました。当日は天気も良く、春うららの気持ちの良い気候の中、観察会を開始しました。最初に花についての説明と、花びらの形状を植物の進化や昆虫との繋がりの面から解説を行い、タンポポ、オオイヌノフグリ、シラユキゲシ、シャガ、オオアラセイトウ、ハナニラ、クサノオウなどの草花やドウダンツツジ、ハナミズキ、ツバキ、ツツジなどの樹木の花を探し、実際に間近で花びらの観察を行いました。特にタンポポやオオイヌノフグリなどは実際に分解したりして、虫との共生のための巧妙な仕組みが小さな花の中にある事を知ることができ、参加者から驚きの声が上がりました。遅咲きのサトザクラなどを含めて、楽しく花々を観察した後に、参加希望者とスタッフで交流広場にてお花見を行い、交流を深めました。

第212回井の頭かんさつ会のお知らせ

第212回井の頭かんさつ会
井の頭公園でお花観 花びらウォッチング

日時: 2024年4月14日(日) 10:00~12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内者
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクタ―)
市川 伸一
高久 晴子
日置 日出男(森林インストラクター)
大橋 博資
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
谷口 智之(NACS-J自然観察指導員)
荻窪 奈緒(NACS-J自然観察指導員)
安部 順子

対象者:大人(小学生以上)
定員:32名
参加費(保険代・資料代など):大人300円、中学生以下100円
持ち物:水分補給用飲み物、お持ちであれば観察用具(カメラ、ルーペなど)

ご案内
井の頭公園でも桜の便りが届き始め、いよいよ春本番になってきました。
今回の井の頭かんさつ会は、春恒例の花シリーズです。
今年は特に花びらに注目し、花を観ていきましょう。
花びらがどんな形をしているのか、じっくりと観察し、花の進化とのつながりを考えてみましょう。
単に季節の花を知りたい方も大歓迎です。春爛漫の井の頭公園を楽しみましょう。

必須項目全てにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。
申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。
メールアドレスに間違い無いようにお願いします。
もし、既に定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

参加申し込み方法 
申し込みフォームより申し込み下さい。(アイコンをクリックするとページが立ち上がります)

参加申込期限:2024年4月8日(月曜日)23:59まで
・締め切り前に定員が満員になる場合が多いです。申し込みはお早めにどうぞ。
※個人情報保護に関するポリシー:
お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。
また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報
集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、申込者にメールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合も申込者にメールでお知らせします。

注意事項
参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
■安全について
観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
■中止の可能性について
小雨の場合は実施し、まとまった雨の場合中止することがあります。その場合は申込者にメールにて連絡いたします。

■懇親会のお花見について
観察会終了後、天候が良ければ、文化交流広場でお花見を行います。
遅咲きのサトザクラを愛でながら、スタッフとの交流を楽しみましょう。
参加希望の方は、当日スタッフの指示に従ってください。
持ち物:レジャーシート、食べ物・飲み物(アルコールを含む)
*観察会終了後、コンビニに買い出しに行く時間はあります。

お問い合わせは petittown@jcom.zaq.ne.jp(小町)までお願いします。
(2024/4/22 小町友則)

第209回井の頭かんさつ会 実施レポート

テーマ: 照葉樹からのメッセージ 照葉樹を見分けよう!

■実施年月日 2023年1月28日(日)10時~12時

■参加者数  一般参加者 21名(大人のみ)

■実施場所:井の頭池周辺、第二公園、玉川上水沿い

■実施レポート

今月の観察会のテーマは照葉樹です。照葉樹とはシイやカシ、ツバキなどの葉の表面がテカテカしている常緑の広葉樹です。井の頭公園周辺の自然植生としては照葉樹林となり、本来、非常に身近な樹木ですが、どれも似ていてとっつきにくいので、識別点を理解して、知り合いになるのが目的です。まず、狛江橋の南のエリアで、互生・対生/全縁・鋸歯縁といった樹木の見分け方の基礎を習得して、資料を基に一般的な10種ほどの見分け方を学習しました。街中の樹木も見つつ、第二公園を通って、玉川上水エリアに行き、実際の観察を行いました。幸橋からほたる橋までの区間の玉川上水両岸の照葉樹をつぶさに観察して、分類していきました。「難しい」と言いながら、最初は戸惑っていましたが、多くの参加者は最後には自分自身である程度同定できるようになりました。玉川上水の木々に親しみを持てるようなったようで、ある程度照葉樹からのメッセージが読み解けるようになったと思います。

第209回井の頭かんさつ会のお知らせ

第209回井の頭かんさつ会
照葉樹からのメッセージ
 照葉樹を見分けよう!

日時: 2024年1月28日(日) 10:00~12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内者
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
日置 日出男(森林インストラクター)
市川 伸一
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高久 晴子
大橋 博資
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
谷口 智之(NACS-J自然観察指導員)
荻窪 奈緒(NACS-J自然観察指導員)
安部 順子

対象者:大人(高校生以上)
定員:25名
参加費(保険代・資料代など):大人300円
持ち物:水分補給用飲み物、お持ちであれば観察用具(カメラ、ルーペなど)

ご案内
明けましておめでとうございます。本年も井の頭かんさつ会をよろしくお願いします。
新年初の観察会のテーマは照葉樹です。照葉樹とはシイやカシ、ツバキなどの葉の表面がテカテカしている常緑の広葉樹です。
井の頭公園周辺の自然植生としては照葉樹林となり、本来、もっと非常に身近な樹木ですが、どれも似ていてとっつきにくいので、人気はいま一つです。
今回は、主に玉川上水に自生する照葉樹の識別にチャレンジし、照葉樹の魅力を伝えていきたいと思います。
良く観察し、識別点がわかると、森や林がもっと身近に感じられると思います。照葉樹からのメッセージを読み解きましょう。

参加申し込み方法 
申し込みフォームより申し込み下さい。(アイコンをクリックするとページが立ち上がります)

必須項目全てにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。

申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。
メールアドレスに間違い無いようにお願いします。
もし、既に定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

参加申込期限:2024年1月24日(水曜日)23:59まで
・締め切り前に定員が満員になる場合が多いです。申し込みはお早めにどうぞ。
※個人情報保護に関するポリシー:
お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。
また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報
集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、申込者にメールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合も申込者にメールでお知らせします。

注意事項
参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
■安全について
観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
■中止の可能性について
小雨の場合は実施し、まとまった雨の場合中止することがあります。その場合は申込者にメールにて連絡いたします。

お問い合わせは petittown@jcom.zaq.ne.jp(小町)までお願いします。
(2024/1/8 小町友則)

第206回井の頭かんさつ会 実施レポート

テーマ: 木の実・草の実

■実施年月日 2023年10月28日(日)10時~12時

■参加者数  一般参加者 24名(大人18名、子ども6名)

■実施場所:井の頭池周辺、第二公園、御殿山

■実施レポート

秋晴れの日、大人も子どもも井の頭公園の秋の恵みを楽しました。今月の観察会のテーマは木の実・草の実です。その中でも、これらの実の散布方法(種を運ばせる方法)について、観察しました。今回の主役は、どんぐりなど動物に運ばせて埋めてもらって、食べ残しが芽を出す貯食散布種子、動物にくっついて運ばれる「ひっつき虫」と呼ばれる付着散布種子、風に乗って運ばれる風散布種子たちです。参加者は興味津々でドングリを拾い集め、“ひっつき虫”を衣服にくっつけたり、風散布の種子を飛ばしたりして、楽しみながら、自然の不思議を探求しました。特に子どもたちはドングリが大好きで、興奮しながら拾い集め、大人たちはひっつき虫の付着の構造に好奇心を刺激させ、楽しんでいるようでした。
この観察会は自然を身近に感じ、その不思議に触れる貴重な機会となりました。自然界の小さな驚きが、参加者一人ひとりの心に深い印象を残したことでしょう。また、木の実や草の実に触れることによって、何かほっこりする安らぎが伝わってきました。

参加頂いた永井明子さんが、かんさつした内容を素敵なイラストにしてまとめて下さいました。
永井さんのホームページはこちら http://lovely-garden.no.coocan.jp/

第205回井の頭かんさつ会実施レポート

「クモ・くも・蜘蛛~クモは面白い!」

■実施年月日: 2023年5年10月1(日)10:00~12:00
■参加者数: 一般参加者 16名(大人13名、子ども3名)
■実施場所: 井の頭公園駅下→ 京王井の頭線高架下 → 公園駅下トイレ → ボート池池尻 → 小鳥の森周辺(解散)

■実施レポート
 どうやらクモ好きの方々ばかりが集まってくださったようです。クモ嫌悪感、クモ恐怖感の克服も観察会の隠れた目的でしたが、その必要はありませんでした。3班に分かれて観察しました。
 今回は開催時期がこれまでより遅く、また草刈りの影響もあり、クモの種数からみると少なめでした。目視ですぐ見つけられるクモは人工物にも棲みつくような都会派のクモがほとんどでした。曇っていたせいか、ハエトリグモが少なくその点はちょっと残念でした。
 今回の観察の中心はクモが糸をどのように利用しているか、どんな網や巣を作っているか?を実際に観察してみることでした。ただ見るだけでなく、音叉振動や生餌など与えたときのクモの反応を観察する、クモの網・巣・卵嚢を実際に触ったり開いたりしてみる、クモの糸の強度を実験で感じるなど、参加者が体感できるような観察会を心掛けました。

<こんなことをしてみました>
・「クモの巣」のイメージとはかけ離れたヒラタグモの受信糸を張った住居、そっとはがして中にいるクモを確認 → 掛け布団と敷布団の間にいるような感じ。
・懐かしいジグモの巣堀り → 壊さないように土の中から抜き出し、中のジグモときれいに内張された袋巣を観察(一つの巣では子グモがいることが観察できました)
・オニグモの古い卵嚢を一部とって観察 → 卵嚢を守るクモの糸の強さを確認、中の子グモの脱皮殻を観察
・メガネヤチグモの網に振動している音叉をふれる → 管状住居から飛び出し、すぐ住居に戻るクモを観察中
・メガネヤチグモを捕まえて上の方から巣に返す → しおり糸を出しているのですっと垂れて帰巣
・オオヒメグモの団居(まどい)の子グモたちをつつく → 「クモの子を散らす」にはなりませんでしたが・・・
・ジョロウグモの網の作りを観察 → 五線譜のように規則的に間隔があいています → よ~く見ると細い別の糸(足場糸)が張られたまま残っています。
・ジョロウグモの網に振動している音叉をふれる → 素早く近づき、噛みつきます。
・ジョロウグモの網(枠糸)にゼムクリップを一つずつ掛けていき、その強度を観察する。

 特に、ジョロウグモの枠糸の強さを、糸にかけられるゼムクリップの数で計ろうという実験は楽しかったようです。いつ糸が切れてしまうのか・・・、クリップを一つ掛けるたびにハラハラしながら盛り上がりました。巣を張っていたクモの体重と糸が切れた時のゼムクリップの重量を比較したところ、約7.2g(500円玉より少し思いくらい)でクモの60倍でした。別の班では用意したクリップ40個全部でも切れない糸の強さでした。また、網はありませんでしたが、最後に美しいクモであるコガタコガネグモを見て終了となりました。
 ※班によって、すべてのプログラムをこなせなかった場合もあります。
 ※これらは観察会のために許可を得て行っています。開いたヒラタグモや掘り返したジグモの巣などのその後も見守っています。むやみにたくさんのクモの巣をいじらないようにお願いします。

<観察したクモ>
オニグモ(垂直円網)、ヒラタグモ(受信糸をもつ住居)、ジグモ(地中性の袋巣と中にいる子グモ)、ネコハグモ(葉上や人工物のボロ網)、ギンメッキゴミグモ(ゴミを付けた円網・頭は上)、オオヒメグモ(不規則網と卵嚢・団居)、アシナガグモ(水平円網)、オオハエトリ(擬木柵上)、メスジロハエトリ(擬木柵上)、ジョロウグモ(馬蹄形円網)、カニグモの仲間(樹幹)、コクサグモ(棚網と管状住居)、チリイソウロウグモ(他のクモの網に居候)、コガタコガネグモ
※班によって、観察したクモには多少の違いがあります。

井の頭線高架下でクモ観察(高架下には灯火があり、虫がくるのでそれらを捕食するクモも多い)
ジグモの巣をそっと掘り出し、クモと袋巣を観察
振動する音叉でジョロウグモの網に触れると真ん中にいたクモが噛みつきに来る
樹皮下に隠れているカニグモ探し
コクサグモの棚網と管状住居を観察

第206回井の頭かんさつ会のお知らせ

第206回井の頭かんさつ会 木の実・草の実

日時: 2023年10月28日(土)10:00~12:00(小雨決行)
集合: 9時45分 ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所

案内者
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
村上 健太(NACS-J自然観察指導員)
安部 順子
日置 日出男(森林インストラクター)
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクタ―)
高久 晴子
中村 芳生(NACS-J自然観察指導員)
市川 伸一
谷口 智之(NACS-J自然観察指導員)

対象者:大人(高校生以上)
定員:30名
参加費(保険代・資料代など):大人300円、中学生以下100円
持ち物:水分補給用飲み物、お持ちであれば観察用具(カメラ、ルーペ、双眼鏡など)

ご案内
秋が深まりつつある井の頭公園で木の実・草の実を観察していきましょう。
どんぐりをはじめ木の実や草の実は何かホッとする安らぎを与えてくれます。
今回、木の実・草の実をじっくり観察することで、それぞれ特徴が見えてくるかもしれません。
皆さんで木の実・草の実を観察し、井の頭公園の秋を楽しみましょう。

参加申し込み方法 
申し込みフォームより申し込み下さい。(アイコンをクリックするとページが立ち上がります)

必須項目全てにご記入の上、ページ下端にある「確認画面へ」ボタンを押し、確認画面を表示された後に申し込みボタンを押して下さい。

申し込みが完了すると自動返信メールが届きますのでご確認下さい。
メールが届かない場合は申込みが完了していないか、記載したメールアドレスに間違いがあります。
メールアドレスに間違い無いようにお願いします。
もし、既に定員に達している場合にはその旨のメッセージが表示されます。

(井の頭かんさつ会参加申込みページ)

参加申込期限:2023年10月24日(火曜日)23:59まで
 ・締め切り前に定員が満員になる場合が多いです。申し込みはお早めにどうぞ。
※個人情報保護に関するポリシー:
 お知らせいただいた個人情報は観察会に関する連絡以外には使用しません。
 また、第三者に譲渡することもありません。

参加者への詳細情報
集合場所などの詳細情報は、開催日の数日前に、申込者にメールでお知らせします。
また、下記にありますように、当日中止の判断を行う場合も申込者にメールでお知らせします。

注意事項
参加申し込みにあたっては、下記のことをご了承ください。
■安全について
観察会では、案内役および補助員の指示に従って行動してください。一応保険には加入しますが、あくまでも無事故を目指します。
身近な自然観察の危険性は普通に公園を散歩するのとほとんど変わりませんが、危険がないわけではありません。
自分の身は自分で守る気持ちでご参加ください。
■中止の可能性について
小雨の場合は実施し、まとまった雨の場合中止することがあります。その場合は申込者にメールにて連絡いたします。

お問い合わせは petittown@jcom.zaq.ne.jp(小町)までお願いします。
(2023/10/06 小町友則)

第204回井の頭かんさつ会実施レポート

「ナイトウォッチング

 ~驚きのセミの世界~」

■実施年月日 2023年8月11日(金・祝) 18時30分~20時30分

■参加者数 一般参加者 21名(大人14名、子供7名)

       井の頭かんさつ会スタッフ11名

■実施場所: 井の頭地区公会堂→第二公園→小鳥の森→第二公園  

 今回はセミの羽化に観察対象を絞り、夜の観察会を実施しました。今年は7月からの猛暑でセミの出現が早まり、8/6の下見時も羽化しているセミの数が例年よりも少なく、本番を心配しながら迎えることになりました。また、井の頭かんさつ会としては、かなり久しぶりに室内での座学をしてから公園で観察するというプログラムにしました。

 当日の座学では「セミの一生」をクイズや動画、スタッフ自作の絵本を使って学び、子供も大人も楽しんで学ぶことができました。

 座学の後は3班に分かれて公園に移動し観察をスタート。第二公園では例年たくさんのセミの幼虫達が路上に出てきて自転車などに轢かれて死んでいる現状があります。この現状を参加者の方にも知ってほしくて、第二公園を歩くところから観察をスタートしたのですが、路上を歩く幼虫には遭遇できず轢かれている幼虫が1匹だけいました。

 小鳥の森では井の頭かんさつ会恒例の暗闇体験をしてもらいました。都会での明るい夜しか知らない親子にとっては貴重な体験です。皆さん、暗闇体験を楽しんでいました。また、小鳥の森でも歩いているセミの幼虫やヤモリなど観察できました。

 第二公園に戻りいよいよ羽化観察です。保全班にも協力してもらいながら羽化しているセミをみんなで探しました。アブラゼミ、ミンミンゼミの他にツクツクボウシの羽化も観察できました。各班、羽化しているセミの姿をじっくり観察でき、その姿にみんな感動していました。羽化しているセミが少しずつ殻を脱いでお尻が抜けた瞬間は感動もひとしおです。みんなでセミの羽化を見守りながら感動を共有できました。

今回は座学でセミが羽化するまでにも幾多の試練があることを学んでから観察したので、よりセミのへの理解や羽化観察の感動が深まったのではないかと思います。

座学の様子 セミちゃん登場!「セミはどこに卵を産むのかな?」

子供達もクイズに積極的に答えてくれました。      スタッフ自作「セミくんとコナラさん」の絵本を読みました。

羽化しているセミがいないか探します。夜の公園を探検!子供たちはわくわくです。

タブレットで撮影する子も!時代の変化を感じます。

子供だけでなく大人もセミの羽化する神秘的な姿に目が釘付けになります。

殻からお尻が抜けるまで意外と時間がかかりますが、時間ギリギリ観察できました!みんなで見守って一番感動の瞬間です。

左から羽化したてのアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ。神秘的な姿です。