第92回井の頭かんさつ会レポート

「冬鳥探鳥会 鳥観の楽しみ方と身近な自然環境」

日時:2013年1月27日(日曜日)午前10:00~12:00
主催:井の頭かんさつ会
後援:東京都西部公園緑地事務所

案内
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
田中 雅子(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大橋 博資
日置 日出男(森林インストラクター)
上村 肇 
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)

レポート

 寒さの厳しい今シーズンですが、かんさつ会当日は小春日和となり、冬のバードウォッチングには最高の条件でした。今回は参加者がとても多く、満員御礼でしたので、おおまかに親子班、初心者班、中級者班、上級者班の4班に分けて案内しました。
 御茶ノ水池では水辺の鳥を観察しながら、今シーズンカモが少ないこと、それが井の頭公園に限らず全国的な傾向であることを紹介しました。具体的にはカモの総数が少ない上に、今季はハシビロガモが姿を消してしまったこと(当初は渡ってきていた)、毎年飛来するオオバンが来ないこと、などです。その後、池のほとりのハンノキの花にヒガラが来ているのを観察し、行動と鳴き声について説明しました。その後、池のカワウをフィールドスコープで詳細かつ鮮明に観察、カワウの羽の色が黒一色ではないこと、眼の虹彩がエメラルドグリーンで宝石のように美しいのに参加者は感動していました。その後、シメが地上で行動しているのを確認し、その理由を説明、また池のほとりにはカワセミが来てくれたので、宝石のような羽色を参加者一同楽しむことができました。
 池を離れ、地上で餌を探すシロハラを観察、そこで餌を探す理由を説明しました。弁天池のほとりではシメがイロハモミジの種子を不器用に食べているのを観察、生きものが合理的・効率的に行動するようでいて、案外不器用さや個性があるのを観察して楽しみました。弁天池では木の陰にオシドリが隠れているのを紹介しました。
 弁天池のほとり、茶屋の周辺でお目当ての一つであるキクイタダキを確認。シジュウカラ、メジロ、コゲラなど他の種との「混群」の中で、大きさ、シルエット、動きを基に肉眼で見分け、双眼鏡で観察する方法を紹介しました。その後、御殿山から玉川上水にかけては少し低調でしたが、ヒガラやヤマガラを観察できました。
 小鳥の森に着くと、再び大きな混群に出会い、キクイタダキを目の前で観察することができました。キクイタダキは複数いた上に、比較的に低い位置で行動してくれたので、茶屋で今一つしっかり観察できなかった参加者もばっちり観察することができ、頭部の菊の花びらのような黄色い羽もしっかり確認できて感激していました。
 こうして充実した観察を楽しんでいる内にあっという間に2時間が経ちました。各班が小鳥の森の観察窓前に集合したところで、井の頭公園に多様な樹木があり、その実り、および樹木につながっている多様な昆虫がいるからこそ、今日のように多くの野鳥が観察できること、自然が豊かな山間部の実りが凶作だったり雪深く埋もれてしまった時に、井の頭公園のような平地の自然環境が野鳥たちの越冬を支えることを伝え、まとめとしました。

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(レポート:高野、写真:上村)