第75回井の頭かんさつ会レポート

「ナイトウォッチング」 ~夜の生きものの神秘に迫る~

日時: 2011年8月13日(土) 午後6:30~8:30
場所: 井の頭公園
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所
案内:
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
高久 晴子
佐藤 誠(NACS-J自然観察指導員)
上村 肇
竹内 隆一(NACS-J自然観察指導員)
参加者:37名(大人27名、子ども10名)

レポート

まったく風がなく蒸し暑い夕暮れの御殿山雑木林はヒグラシの大合唱に包まれていました。欠席も多かったものの、定員を超える数の参加者が集合し、恒例の夜のかんさつ会が始まりました。

夜の雰囲気を十分味わえるよう、三班に分かれてコースを進みます。まず弁天池へ下りると、開き始めたカラスウリの花が迎えてくれました。弁天橋では、明るさが残る空を飛び交うコウモリが見えました。彼らは超音波レーダーを持っているので、暗闇で虫を捕ることができます。超音波を人が聞こえる音に変えてくれる装置「バット・ディテクター」でコウモリが出しているパルスを聞いたら、コウモリがしていることがさらによく分かりました。橋のたもとでは、虫を捕りに出てきた大きなヒキガエルに出会いました。

再び雑木林へ戻り、夜活動している生きものを探しながら、ジブリ美術館の前まで進みます。羽化する場所を探して歩いているセミの幼虫や羽化途中のセミが随所で見つかったし、大きなミミズを夢中で食べている二匹のオサムシ、高い幹で休んでいる何匹ものカタツムリ、幹を歩いているカミキリムシ、ササの葉上で鳴いているウマオイ、羽化直後のオオミズアオなどが次々に見つかりました。目の数が多い利点です。誰かが見つけて声を上げると、すぐにそこへ人が集まります。携帯で連絡を受けた他の班もやって来ます。子供も大人も、初めて見る神秘的な光景の連続に皆興奮気味です。そんな雰囲気を感じてか、最年少参加者の1歳児も元気に歩いていました。

クヌギの樹液に来ていたカブトムシとたくさんのゴキブリ!に驚き、葉を閉じて眠っているネムノキの姿を確認してから、セミの羽化観察の名所、第二公園へと向かいました。そこでセミの”イナバウアー”(脚を抜くために上体を反らす姿勢)を楽しんだところで時間切れとなりました。昼に同じ場所を見ると、生きものたちにとっての夜の意味がさらによく分かりますという話でまとめ、次回第76回「秋の虫」のお知らせをして、解散としました。用意した題材は消化できませんでしたが、いちばん楽しい「自分で発見する喜び」に満ちた観察会になったと思います。

その後の親睦会に向かう途上、親睦会参加者や同じ方向へ帰る人たちと池へ戻り、完全に開花したカラスウリなどをさらに楽しみました。

親睦会は吉祥寺駅前の店で、18名が参加して行われました。汗をたくさんかいた身体に染み込むビールのおいしかったこと! この恒例行事もやめられませんね。もちろん、普段ゆっくり話す機会がない参加者とじっくり情報交換できたのがいちばんよかったことです。

ところで、かんさつ会の累計参加者数が今回で2千人を超え、2,032人になりました。これまでご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。今後も、身近な自然の面白さと大切さをできるだけ多くの人にお伝えするため、井の頭かんさつ会は頑張ります。

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(レポート:田中利秋、写真:高野・高久)