井の頭いきもの教室 特別企画

「もっと知りたい! 外来種問題」

日時:2007年9月30日(日) 10:00~15:30 (途中1時間の昼休み)
主催:井の頭かんさつ会
協力:NPO法人・生態工房
後援:井の頭恩賜公園100年実行委員会
内容:
10:00~12:00 井の頭池畔にて、外来種捕獲調査見学
13:00~15:30 西部公園緑地事務所会議室にて、屋内講座
参加者:前半16名、後半17名

レポート

ikimonokyousitu070930d.jpg井の頭かんさつ会では、井の頭池の外来種問題への関心を高めるため、7月に外来種捕獲調査と観察会を実施しました。また、8月末からの毎週水曜日に四手網などを用いた外来魚捕獲実験を続けています。そして9月30日には、再び生態工房の協力を得て、2回目の外来種捕獲調査を実施することになりました。そこでその機会を利用して、関心をお持ちの方により詳しい情報を提供する学習会を開くことにしました。本格的外来種駆除に向けた機運を高めるのがいちばんの目的です。
 午前中は前日に仕掛けた張網(定置網)やワナ(かごワナなど)を回収する作業が行ない、池畔でそれを見学しながら、使用した網やワナのしくみ、獲れた魚とカメなどについてご説明しました。
 当日は本降りの雨でしたが、雨で濡れるのも厭わず、熱心に見学したり、質問したり、捕獲作業を手伝ってくれる参加者もいました。  
午後は西部公園緑地事務所の会議室で屋内講座を開きました。kaibou1.jpgkaibou3.jpg
①「魚をカイボーしてみよう」(見学または体験)
午後の最初のプログラムは獲れたブルーギルの解剖体験です。 田中雅子指導員が、パワーポイントを使って、魚の体の構造や解剖でなにが分るかなどを解説した後、希望者名とともに4匹のブルーギルを解剖して、体内の構造を観察し、胃の内容物などを確認しました。希望者の一人は小学4年生の女の子でしたが、大人より上手でした。他の参加者もその周りに集まって覗き込み、ブルーギルの生命力の強さやいろいろなものを食べている食性の幅広さに驚いていました。我々スタッフにとっても、今後の調査に必要なことを学ぶことができ、とても有意義でした。

②「窮地に立つカイツブリ」(報告)
外来魚と外来カメの増加は池の在来生物に大きなダメージを与えています。井の頭池のシンボルともいえる水鳥、カイツブリが子育てできなくなったのもその一例です。わずか5年足らずの間に大きく変わってしまったカイツブリたちの生活、そしてそれに外来生物がどう関わっているのか、カイツブリ観察人(田中利秋指導員)がお話しました。井の頭かんさつ会が実施した捕獲調査と捕獲実験の結果をまとめてご報告しました。まだデータは十分とはいえませんが、それによって見えてきた井の頭池の生き物の現状についてもお話しました。
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表はクリックすると拡大できます。
③「外来種駆除の経験と問題点」(報告)
 今後の参考にするため、他の公園などでの外来種駆除に豊富な実績をお持ちのNPO法人「生態工房」の方に活動事例をお話しいただきました。石神井公園、善福寺公園、玉川上水、そして光が丘公園での外来種駆除を駆除しているそうです。善福寺公園と玉川上水は活動助成金を使っての自主活動ですが、石神井公園と光が丘公園は都の事業として受託したものだそうです。かいぼりをして外来魚を駆除し、モツゴが増えるとカイツブリが繁殖できるという因果関係を資料で証明されていたのが印象的でした。
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表はクリックすると拡大できます。
④三ツ池公園の活動紹介
 横浜市の三ツ池公園で市民による外来種駆除活動を続けられている「三ツ池公園を活用する会」の天野隆雄さんが参加してくださいましたので、そのお話をお願いしました。 昨年の7月に駆除活動を開始し、その後毎月2回のペースで、今年の9月までに計22回の駆除イベントを実施されたそうです。最初は数名だったのが、次第に年配者を中心に参加する市民が増え、今では百数十名の人が参加してくれるようになったとのことです。これまでの累計参加者数は1,628名、捕獲したブルーギルは32,356匹、オオクチバスは53匹に達したそうです。参加する市民が増えるにつれ公園側も積極的になり、使用する道具を提供してくれたり、正確な生物生息状況調査と的確な駆除計画立案のために環境コンサルタント会社を雇ってくれたりするようになった、と後でお聞きしました。
⑤ノーバスネット事務局長のお話
 「全国ブラックバス防除市民ネットワーク(通称:ノーバスネット)」事務局長の小林光さんにもお越しいただきましたので、お話をしていただきました。  ノーバスネットは、各地でブラックバスなどの防除に取り組んでいる市民団体(現在25団体)をつなぐ組織で、防除技術などの情報交換や全国一斉ブラックバス防除ウィークの実施などを通して、防除の輪を全国に広げる活動をしているそうです。また、各団体が活動助成金を得るための支援も行っているとのことです。
⑥三鷹市議会員のご挨拶
 中村ひろし議員がお忙しい中時間を作って午後の講座に顔を出してくださいました。  中村議員からは、井の頭池の問題が理解できたので、議会で何ができるかを考え行動していきたい、という心強いご挨拶をいただきました。
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井の頭かんさつ会も、従来の自然観察会に加えて、ネイチャープログラム対応の「もっと面白くてためになる」プログラムを用意するつもりでいます。今回の学習会はその試行とネイチャープログラム自体の周知も目的としています。参加費を観察会より高めに設定しましたが、長時間であることと、ネイチャープログラムの成功のためにご理解いただければ幸いです。なお、今回の参加費収入から必要経費を差し引いた残りは、池をよくするための活動に使用させていただきます。参加者には、ご協力の証として、井の頭かんさつ会で開発したカンバッジ(写真)をどれかひとつプレゼントしまた。
 なお、学習会は「ネイチャープログラム」のプレイベントとして開催します。ネイチャープログラムとは井の頭公園で今年始まろうとしているしくみで、公園で各種の自然系イベントが盛んに行われるように、場所の提供や広報などの面でサポートしようというものです。一般の方から見ると、公園でいつどんなプログラムが行われているのかが分りやすくなります。(田中利秋・高久)