第59回井の頭かんさつ会レポート

『鳥たちは春の渡り中 ~春の夏鳥探鳥会~』

日時: 2010年5月16日(日) 午前9:00~11:00
場所: 井の頭公園
集合: 午前8時45分 井の頭池ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所
案内:
高野 丈(NACS-J自然観察指導員、井の頭バードリサーチ代表)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
小町 友則(NACS-J自然観察指導員、森林インストラクター)
大原 正子
佐藤 誠
高久 晴子
田中雅子(NACS-J自然観察指導員)
日置 日出男
大橋 博資
上村 肇
協力: 井の頭バードリサーチ
参加者:45名

レポート

 59回目のかんさつ会は天候に恵まれて、爽やかな初夏の日和を迎えました。今回のかんさつ会のテーマは探鳥会で、ねらいとしては季節移動中の夏鳥がこの井の頭公園で羽を休めているのを「声」を頼りに見つけるというものでした。私の経験上、野鳥の探し方は「声8割、眼2割」です。たとえ姿が眼に見えなくとも、声を聴くことができれば「存在」に気づくことができるのです。
 観察会は探鳥に出発する前に「声の予習」からスタートしました。私は同じ種のいろいろな鳴き方のパターンを用意してきました。声を憶えるには鳴き方ではなく「声質」そのものを憶えなければ、実践で役立たないのです。よく「焼酎一杯ぐいっ」や「東京特許許可局」などいわゆる「ききなし」の話がありますが、フィールドではどれがそれだか全く見当がつかず、ほとんど役に立ちません。私は1種あたり数パターンの声を用意し、スピーカーをつないで参加者に聞いてもらいました。子供班は小町指導員の用意した別プログラムに取り組みました。
声の予習が終わったところで慣れている人班、初心者班、既に分かれていた子供班 の3班に分かれ、探鳥に出発しました。いよいよ実践というわけです。各班、リーダーも 参加者も全員が聴覚に集中し耳を澄まして歩きましたが残念ながら「お目当ての声」 は少なめでした。主に聴こえた「声」はカワセミとシジュウカラの声くらいでした。 すっかりカモの去った池で遠くにわずかに見えたバンの雛をフィールドスコープで観 察し、 森へ向かいました。森では昨日聴いていたキビタキのさえずりを期待しましたが、今日はいなくなっていました。昨日の個体はかなりの歌い手だったので残念でした。その後、昨日下見で観察したアオバトが再び「春の実」である各種サクラに来ているとの報で急行しましたが、残念ながら間に合わず、到着したのは飛去した後でした。kansatukai59a.jpgkansatukai59b.jpg
 気を取り直し、あらためて小鳥の森を徹底的に探すとセンダイムシクイとキビタキ♀をかろうじて見つけることはできましたが、さえずり予習の実践ができたのはセンダイムシクイだけでさえずったのは2回だけ、キビタキは♀だったこともあり、目視がたよりでした。
 この日、各班が眼と耳で観察できた野鳥をまとめるとカイツブリ、カワウ、オシドリ、カルガモ、バン、キジバト、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、ヒヨドリ、センダイムシクイ、キビタキ♀、エナガ、シジュウカラ、メジロ、カワラヒワ、スズメ、ムクドリ、ハシブトガラスの20種となり、佐藤班ではシジュウカラの幼鳥をじっくり観察できたそうです。
 今回は「声」にこだわったので、最後に各班が全て合流したところでイントロクイズを実施しました。全問正解の方がいらっしゃれば記念の品をご用意しようと思いましたが、残念ながら該当なしでした。
 最後に国際生物多様性年にふさわしい話、月曜日に確認したミゾゴイが今朝の朝日新聞に掲載された事例を紹介し、当地の持つ自然環境が生物多様性保全上重要だということを参加者にお伝えして観察会を終えました。
(レポート:高野丈、写真:田中雅子)