第56回井の頭かんさつ会レポート

「10倍楽しむ森の鳥」

日時: 2010年2月27日(土) 午前9:00~11:30
場所: 井の頭公園
集合: 午前8時45分 井の頭池ボート乗り場前
主催: 井の頭かんさつ会
後援: 東京都西部公園緑地事務所
案内:
高野 丈(NACS-J自然観察指導員)
田中 利秋(NACS-J自然観察指導員)
大原 正子
佐藤 誠
高久 晴子
田中雅子(NACS-J自然観察指導員)
日置 日出男
大橋 博資
上村 肇
協力: 井の頭バードリサーチ
参加者:31名

レポート

  前回のかんさつ会では池の水鳥を中心に冬鳥を観察し、池の外来魚問題とそれが水鳥に及ぼしている影響までを知っていただく観察会でした。今回は場所を池から森に移して冬鳥を目当てに森林性の野鳥を観察する探鳥会としました。
  週間予報によると当日は前線が通過するタイミングに合い、雨ベースの予報になっていました。 それが数日前になると少し前倒しになってきて、当日は大丈夫かなと思いましたが、会の前日になると再び予報は悪化しました。 ちょうどかんさつ会の始まる時頃には10㎜ほどの強雨になるとの予報になってしまったのです。
スタート以来5年、今回で56回目の開催になる井の頭かんさつ会は雨で完全に屋外観察ができなかったことが一度もなかったのですが、 さすがに今回ばかりは屋外観察は無理だろうと雨プログラムのパワーポイントを夜中までかけて制作しました。
朝、強雨を予想しながら自宅バルコニーに出ると、意外にも外は小雨程度でした。今日は強雨で間違いなく雨プロだと思い込んでいたので驚きましたが、これは束の間の小康状態で、すぐに強い雨になると予想しました。でもうまくすれば少し観察ができるかもしれない...雨脚が強くなるまでは野外観察し、天候が悪化してきたら屋内講座に切り替えようと考えました。
 天気予報が悪かっただけに今回はさすがに悪天候を嫌ってキャンセルが続出しました。 無理もありません、時間に10mmも降ってきたらとてもではないですが、観察になりません。 屋内講座も夜中までかかって準備をしましたし、面白い内容を講演して参加者に楽しんでいただく自信はありましたが、 自然観察会はもちろん野外で観察するのが本道ですから、それができなそうという予報を受けて参加申込者がキャンセルするのはやむを得ないと思いました。 満員御礼でスタッフ含め60名だった参加者は最終的に40名まで目減りしましたが、 強雨によって屋内講座になることが確実視されているにも関わらず約2/3の参加者が来てくれることには感激しました。
 そして、その熱意が通じたのか、かんさつ会の始まった9時には予報を跳ね返して雨は止んだのです。 井の頭かんさつ会は雨で中止にならない、というジンクスと参加者の熱意が天に届いたようです。
kansatukai100227a.jpg▲トラツグミを観察する
天候だけでなく鳥運も味方してくれました。今季は冬鳥が少ないのですが、ここ1週間ほどはそれに輪をかけて鳥が少ない状況が続いていました。かんさつ会は冬鳥が少ない状況でも十分に楽しめる内容を準備していましたが、やはり探鳥会はいろいろな種をたっぷり観察できるに越したことはありませんので参加者が退屈するのでは、と少し不安がありました。
kansatukai100227c.jpg▲アオゲラを観察するkansatukai100227b.jpg▲鳥は地面で何を食べているのか調べる
ところが雨上がりのかんさつ会ではそんな状況が一変し、トラツグミからキクイタダキまでいろいろを観察することができました。しかも、どれもじっくり観察でき、かんさつ会の狙いだった鳥類が何をしているかの行動観察がしっかりできました。なにしろ案内役の私自身が心底面白かったと言えるような観察ができたのです。充実した内容に、参加者の誰も退屈することなく時間は過ぎてゆき、最後は繰り返し聞こえるアオゲラのドラミングを聞きながら生物多様性が豊かで広範な緑地帯と鳥が好む実のなる樹木の大切さについて話をし、締めくくりの挨拶をして会を成功裏に終えました。
(レポート・写真:高野丈)